lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

本当にテニスを上達させたいのですか? (テニス)

テニスを上達させたい

「テニスを上達するためには? 」

多くの人がいつも考えていることです。

私は初心者からテニススクールで始めて6年半の間、殆ど上達もせずに初中級クラスの下のレベル方にいて、あるきっかけで1年ちょっとで中級クラスの上の方までレベルを上げることができました。上手い人はいくらでもいますから自分の現状のレベルがどうこうではなく、私のような状況の人でも、一般的に皆が想像する「テニスをやってる」状態、ある程度の速度でラリーを打ち合える、ダブルスに戦力の一人としてゲームに参加して楽しめる位まで無理なくたどり着けるということです。

6年半も続けていて上達しないにもほどがあると思うかもしれませんが、週1-2回のレッスンに連休毎に主催されるイベントレッスンにも積極参加してこの状態でした。でも、初心者からスクールで始めて2-3年経つけど同じ位のレベルという方は少なくないと思います。上達してるけど中級クラスには上がれずにいるという方も多いでしょうし、中級クラスといっても所属する人のレベルもピンきりです。

テニススクールで教わって身についたこと

こういう事を言うとものすごく誤解を招くし怒られそうですが、振り返って見れば「スクールでコーチから教わって身についたことは殆どない」と思っています。

数えきれない位、打ち方も教わりアドバイスも受けました。上達しないのは教わる方にも課題はあるでしょう。でも、通っていてもなかなか上達しない (普通の人でも2-3年、私の場合は6年半) 上達しないのには理由があると思っています。

スクールが悪い、コーチに技術がない、悪い教え方が悪いといった類の話ではなく、スクールという存在、及びごく一般的で皆当たり前だと思っている「テニスを教える」という情報や手法自体に課題があるのだろうと思っているからです。

テニススクールは教わる所ではなくボールを打つ機会を提供する所

分かっている人も多いですが、スクールは「テニスを教わる所」ではなくお金を払って手軽に「ボールを打つ機会を提供する所」だということです。

上達のためには基礎知識や色々な情報を学んでからボールを打ってもらう形がいいのでしょうが「お金を払ってるんだから理屈はいいからとにかくボールを打たせろ」という人達を無視することができないですし、「教える」という点にコミットしてしまい、全員が短期間に上達してしまうと "クラス分け" が人数的に不可能になったり、物足りなくなって辞めてしまったりする懸念があります。

言い方が悪いですが "簡単に上手くなってしまわれても困る、下手なままで熱心に練習してもらう方がいい"というか、多分に営業的な理由もあるだろうということです。

上達する方法は自分で見つける

私もそうでしたが、身の回りにあるテニスを教わる環境を考えると "自分で考え工夫して上達する方法を見つける" しかありません。自分の上達を強くコミットしてくれる存在がいてその人から直接教われるケースはあまりありませんから。

前述の通り、スクール等で教わる内容は、コーチの教える技術うんぬんではなく、「皆が当たり前に思っているその教え方やその情報」が実際にはさほど上達に役立つ内容になっていない(上達しやすいと言える内容ではない)と思っているのです。

今回は、ごく当たり前に教えられる内容は教え方が有用でないなら、自分なりにどう考えていけばいいのかということについて考えてみたいと思います。

上達を助けるのは知識量

人は自分が知っている情報や知識の範囲でしか物事を理解することができません。見聞きした事がない情報を聞いた際、自分の持つ知識と照らし合わせ、変換することで理解しようとします。つまり、どんなに本質をついた有用な情報でも、それをきちんと理解し実行できるようになるかはその人の知識次第ということです。

テニスを初めて間もない初心者の方に難しい専門用語を使っても理解は難しいでしょう。教える側が分かりやすい用語や例に置き換えて説明するか、教わる側が理解できるように知識を増やすしかありません。本当に上達したいと思うのであれば、理解できる内容に置き換えてもらうことより、情報自体を自分で理解できるようなることです。(高校の数学を小学校の算数に置き換えて説明しても高校の数学を理解したことにはなりませんから。)

まず、興味を持つ

上達したいのであれば「テニスに興味を持つこと」です。

テニスをやること、ボールを打つことが好きかということより、上達してうまくボールを打っている自分になりたいと強く思っているかということです。

皆、面倒なことや嫌なので、手っ取り早く上達したいと思い、上達のコツなどを知りたがります。でも、皆分かっていることですが "上達に近道はありません。" 逆に、上達する方法が分からず遠回りしたり、いつまでもたどり着けないことは往々にしてあります。それを防ぐ方法の一つが知識を増すことであり、同時に"当たり前だ" とされている事でもその意味を考えて理解しようとすることです。

テニスをやる人は「技術の向上 = 上達」だと考えがちですが、私はテニスの技術とは「10cmの違いを打ち分けて的に当てるようなもの」だと思っています。試合の勝ち負けを決める1ポイントには必用かもしれませんが、皆が上達の基準とするような「安定してサーブが打てる、安定してストロークが打てる」ことに10cmを打ち分ける技術は不要です。理解して実践できるようになるべきことは技術よりももっとはるか手前のごく基本的な理解。例えば「正しい体の使い方をしてラケットをスイングできること」といった事です。

陸上競技の選手が「正しく体を使って走る方法」を理解、実践できない状態でいくら練習をしても結果は出ないし最悪怪我をしてしまうと思います。一列に並んでスタートした選手達の走り方が皆バラバラということもありえません。皆同じような基本フォームで走るでしょうしそれが前提となるからです。

テニスの場合、アマチュアのフォームは皆、独特なオリジナル言い換えれば自己流です。それでもボールは打てますがミスをするのもその自己流フォームの影響である場合は少なくありませんね。

 

上達に必用な知識を得る (インターネット)

まず、昔と違って今はネットで情報を調べることができます。

私が最初にテニスをやった20年前は情報と言えば書籍だけ、TV中継もWOWOWがグランドスラム大会を放送する以外は地上波は殆どな感じでした。雑誌や入門書に書いてある文字と静止画(写真)を見ながらマネをして周りの人とあーだこーだ言いながら、選手の試合の映像などを見て比較していました。書籍が唯一の情報源ですから、執筆者の個人的フィルターを通した情報であっても私達には分かりません。その一例が "エッグボール" という言葉で、海外では "egg ball" という言葉は使われていません。なのに、国内では「ナダル選手のボールはエッグボールと言って...」「エッグボールを打つためには...」 等と言っていました。世界で使われてない球種の特別な打ち方があるはずもありません。

インターネットのプラス面

書籍と違って直接、今現在の世界基準の情報を得ることができますし、色々な情報を見比べて比較することもできます。選手がボールを打つ練習風景等の動画や様々なコーチが解説する動画もYouTube等で見ることができます。実際、YouTubeで選手のフォームを見ている人が大勢居ると思います。

インターネットのマイナス面

ただ、ネットの欠点は情報量が多すぎることです。

『時間をかけて検索して見比べていくのが面倒くさい。自分が知りたい事に関して直接的に説明している情報が欲しい。長々と読んでいく見ていくのが面倒くさいからシンプルに "上達のコツ" だけ知りたい。』

その心理は理解できますがネット上にある情報も玉石混合です。身の回りで聞く当たり前とされる情報に意味がないから自身が思ったほど上達したいのであれば、同じようなことをネットから知っても結果は同じです。何に意味があり、何に意味がないのかを理解するにも自身に知識が必要です。"面倒くさい、時間を省きたい" のであれば高いお金をかけてきちんと特別指導してくれる著名なコーチに習えばいいと思います。そんなお金をかけれらないから自分で苦労して知識を増し、自分で改善しようとしないといけません。

対価も払えない、苦労もしたくないでは、本当に上達したいのですか? と思ってしまいます。

テニスは難しいのか?

全てのスポーツに言えるでしょうが、人が持つ体の機能は皆共通するので運動をする際もその機能の範囲でしか行なえません。人によって柔軟性や筋力差はあっても殆どの人はプロや競技者を目指す訳ではないでしょうから、まずは自身が楽しくプレイできるレベルまで達することができればいいはずです。

成人男子が120km/hのボールが投げられる能力があるとして、速度が出ない、ホームベースまで届かないのは「ボールを投げる」ための基本的な体の機能をうまく使えていないためです。普段の生活の中でボールを投げる動作を知っているでしょうが、ホームベースまで届かなければ野球はできませんし、皆出せる速度が出せないのであれば悔しい思いをするだけでしょう。たくさんボールを投げて身につく人も居るかもしれませんがそのレベルは様々、ならボールを投げる前に体の使い方を理解すれば皆が120km/hのボールは投げられるようになります。それをしないで「速く投げるコツを知りたい」「ホームベースまで届くようにする方法を教えて」と言っても無理があるだけです。誰がも同様に達成できるレベルに到達することすら自身から拒否しているようなものです。

 

世間に溢れる上達のための情報やコツ

次のような話を聞いてどう感じるでしょうか?

フォアハンドのトップスピンがかからず、ボールがすべてフラットドライブになります。グリップはセミウエスタンで打ち方はダブルベントです。脱力は気をつけているのですが、自分ではプロネーションができていない、テイバックが大きいことでレベルスイングになっている、フォロースルーで手に力が入っていると考えています。フラットドライブばかりでエッグボールが打てないのでプロネーションのコツを教えてください。

その人が打っている姿は見たことがなくても、それぞれのキーワードを理解することなく聞いて覚えたままに使っているだろうことは想像できます。本当に理解している人はこういった質問の仕方はしませんし、分析できているなら自分で直せますからね。

私は身の回りで聞くテニスの上達のため情報は「教える側に都合よくまとめられている」と強く感じます。

上記のような直接的でないキーワードを使って理解しづらくする必要はないですし、世の中で当たり前として話される情報通りに練習して、皆一律に自分が思ったように上達しないのはおかしいはずです。「テニスが難しい」というより「教わる情報に問題があるのでは?」と考えても不思議ではないでしょう。(繰り返しますがコーチの教え方が悪いせいではありません。)

情報を得ようと熱心な人は、雑誌や書籍を片っ端から買って読む人もいますね。

でも、書籍は執筆者のフィルターを通して情報が提供されるのでその人の理論が入ったりします。世界的に標準とされる情報があっても日本に入ってくる際に翻訳されフィルターを通ることで、世界とは違った表現になることは往々にしてあります。日本人は英語で情報を調べたりしないので周りが言っているからその情報は正しいと考えてしまいます。

前述のように「エッグボール」という球種は海外にはありませんし、ない球種の打ち方もありません。「エッグボールの打ち方は...」と皆が話しているのは日本だけです。

最近で言えば「脱力」もそういうものかもしれません。"脱力" を英語で言えば「Relaxation (リラクゼーション。リラックスすること)」でしょうか。昔から言われる「リラックスする」ということと同意だと言えば脱力がどんなものかイメージできるのではないでしょうか?

サーブの打ち方は3種類?

サーブを教わる際、フラットサーブが基本、回転をかける応用としてスライスサーブとスピンサーブがあると教わります。皆速いフラットサーブを打ち、回転をかけるサーブを使えるようになりたいと考えます。

ただ、考えてみればボールが曲がるのは物理現象であり「ボールの一方の端に他よりも強く力が伝わればボールは空気抵抗から曲がる」というだけです。

また、計算上でも、身長2mの人が無回転のサーブを打ったとしてネット上部の白帯の上ボール1個分(約10cm)を必ず通さないとサーブは入りません。それ以下の身長の人がジャンプしてその精度で打つのは無理ですし、そもそも空気抵抗や重力、温度などの条件がもっと実現困難にします。

つまり、一定以上速度を上げるならサーブを回転をかけて打つことが基本であり、物理現象として回転をかけるサーブの打ち方は1種類。後は速度と回転量、回転方向等を少しずつ調整するだけです。

緊張した場面で打たないといけないサーブを1stと2ndで違う打ち方をする意味、フラットサーブが確率よく入るはずがないことを考えれば、1種類の打ち方を少しだけ変えて打つ方が余程条件に合うことは想像に難しくありません。

サーブだけでなく、フォアハンドのスピンも、片手バックハンドを打つのも、皆が上手くできない理由は技術が低いことのはるか以前に、教わっている情報が上達に繋がっていないからという点が大きいと思っています。

ボールを打っているだけでは上達しない

テニスではボールを打っている方が楽しいし、たくさんボールを打たないと上達しないと言われるので、皆練習と言えばとにかくボールを打つことだと考えます。また「上達

= 技術を高めること」だと皆が思っています。

仮に、たくさんボールを打って調子がよくなったとします。でも、先週良かったフォアの調子が今週は悪い。先週はフォアが調子悪かったけど今週はバックが調子悪いということが起こります。また、皆が「スランプ」と呼ぶような中期的な不調に陥ることもあります。不調が続くと、過去の調子のよかった時期の動画を見て参考にしようとしたりしますが、それは調子も戻すためというより他人のフォームを見ているのと同じです。そして調子を戻すための尚さら多くのボールを打とうとします。

ボールを打つ経験は大事です。実際にボールを打たないと自分の状態は確認できませんし、ボールを打つことに対する調整もできないでしょう。ただ、練習をしていて調子がよくなったり、悪くなったりということを自分でコントロールできない理由は「自分がどうやってボールを打っているのか理解できていないから」です。

自分がどうやってボールを打っているのかを説明でき、それを聞いた人がその場で再現できるということ

私は、「テニスの基本の理解とは、自分が体をどのように使ってボールを打っているのか、具体的、論理的に他の人に説明ができ、その説明を受けた人がその場でそれを理解し再現できる状態」を言うのかなと思っています。

説明といっても「◯◯するような」「◯◯するイメージで」といった曖昧な表現では説明を聞いた人が同じ理解をしてくれるとは限りませんし、「プロネーションを使って」「脱力して」と自分が具体的に説明できない用語を使うのも同様です。自分が理解しているからこそ説明もできるはずです。

自分がどう体を使ってボールを打っているのか理解している人は急な不調に陥りどうやって直していいか分からないという状態に陥りづらいです。知識も理解もあり、何を基準に考えればいいのか分かっているからです。それがない人はまたゼロから調子を上げる取り組みをすることになりますし、行き着く先は元の状態ではなく、全く別に組み上げられた調子です。それがいかにあやういものかは想像がつくと思います。

まとめ: 皆が考えるテニスの上達は難しいものでもない

自分のテニスを上達させたいと思うのであれば、「自分は基本はできている。何かコツさえ分かればもっと上達するはずだ。」と言った考えは辞め、自分の状況を理解することです。世の中に溢れる「常識」や「コツ」を参考にしても皆が一様に思ったほど上達していないと思います。

プロや競技者になるレベルまで引き上げる方法は私には想像も付きませんが、皆が目指す「しっかりとしたボールでミス無く安定したラリーが続く。ゲームに参加しプレイヤーの一人として機能してそれを楽しむ」レベルであれば、多くの人が到達できると思います。現状上手くできていない訳ですから同じ種類の別のコツではなく、具体的に効果がある方法を考えるべきです。

上達したいと強く思い、上達に近道を考えない。自分が注目している情報が有用でないならそれらを追いかける方が余程回り道となる。皆が一定レベルまで到達する方法は実際にあり、残念ながら皆がそれを知りえる機会が身の回りにないだけです。

重要か重要でないかは別に知識を増やし、何に意味があるのあ何が参考になるのかを自分なりにまとめていくしかない。特定の情報に偏った理解は自分自身の上達を妨げてしまう。自分よりもテニスが上手くない人が言うことを馬鹿にしたりする人が本当の意味で上達ができるはずもない。ヒントは日常生活にも他のスポーツにもあり、科学や物理の知識も当然役に立ちます。

知識を増やし理解するのは面倒に思うかもしれませんが、見聞きした情報だけを参考にしてボールを打つ経験を繰り返して根拠のない自身を頼りにするより、きちんと根拠のある情報や理解を元に皆が持つ体の機能を使って運動を行う方がよほど安定して効果的に上達に結びつくと思います。一見、手間なようでこちらの方が無駄に遠回り (且ついつ到達できるか変わらない) 取り組みをする必要がないはずです。