lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

スイング時はラケットが体を追い越していくのが重要だと思ってます。(テニス)

ラケットという道具を使うことで本来持つ体の使い方ができない

テニスは "ラケットという道具を使い、思った距離、思った位置までボールを飛ばす" 必要があります。

野球やバレー、サッカー等直接手足をボールを操作する場合、投げる、蹴る中で力を伝える強さや球種を変えたりはできますが、根本的な"投げる"、"蹴る"といったフォームを大きく変えることはできません。また、野球のバットは1kg近くありますから両手を使っても振り始めたらスイング途中で軌道を大きく変える事は不可能です。

軽量なラケットを持つことで振ることより操作が優先される

テニスではラケットという道具を使い且つラケットがかなり軽量であることで "ラケットを振りボールを飛ばすことに関する自由度が高い" です。ラケットを振るにあたり体が制約を受けることは殆どありません。この事が "人それぞれで個性的なフォームを可能" としています。

ただ、本来はボールを投げるように効率的で安定した体の使い方に基づくスイングは基本的に同様になるべきです。トラックのスタートラインに並び一斉にスタートした陸上競技選手の走り方が皆違うということは起こりえません。

陸上短距離選手のスタート

人の体の構造が基本的に同じである以上、効率よく力を発揮して安定的に走る走り方 (体の使い方) は皆同様のはずです。正しい指導かどうかは別ににして、理論性の高いコーチに教わるジュニア選手等は皆同じようなフォームになりますね。

人が本来持つ体の機能をうまく使うには、テニスのスイングも他スポーツに見られる要素が当てはまって然るべきだと思っています。ラケットが軽量だという点はメリットでもあり、いくらでも人が操作できるというデメリットでもあるのです。

現代的なフォアハンド、ラケットの加速

自分で「現代的なフォアハンド」と言われるようなボールの打ち方を色々考える中で、ラケットには慣性の力が働き、スイングにより加速する中でヘッド側はグリップ側より速度が速まることで、グリップ側を物理的に追い越し、更に前に進んでいこうとする。

フォアハンド 上体を捻ったテイバック

 

フォアハンド スイング ラケットヘッドはグリップ側をスイング方向後方から追従する

ただ、ラケットは手に持っている以上、手の長さ以上にラケットは進むことができず、手に引っ張られる形で進む方向を変えられ、減速しながら利き手と逆側へ体に巻き付くような形でフォロースルーに至る」と考えています。

 

ラケットヘッドはグリップ側を追い越し、更に前に進んでいこうとする


また、人が力強くボールを打つためには「自分の体の正面 (右肩から左肩の間+α) の範囲かつ肩よりも前に腕がある」必要があります。

 

自分の体の正面 (右肩から左肩の間+α) の範囲かつ肩よりも前に腕がないと力強く腕を振れない

ラケットヘッドはスイング途中で手や体の位置を追い越す

これらの事から、スイング開始からの上半身の回転がほぼ完了し上半身が完全にネット方向を向いてしまう前に、ラケットは利き腕の肩の位置を追い越し、前方に進んでいく形が望ましいと思っています。

フォアハンドのスイング、プロネーションとトップスピン

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よく「ボールをラケット越しに見る」とか「ボールを後ろから支える」と言われたりしますが「ラケットを後ろから押す」のではなく「前方にすすむラケットが肩の位置を追い越した状態を表すと考えるべきではないか?」と思っています。

加速したラケットヘッド側は体の位置を追い越し、ラケット面を後ろから見る位置関係

 

野球のバントと同じでラケット面でボールを押しても"瞬間的に強く"力を伝えることはできません。動き続けるスイングの中いインパクトがあり、インパクト前後の動きだけを切り取って説明する意味がありませんから。

前述の通り、ラケットは300g程度と軽量でスイングするにあたっての自由度が高いので体と腕を連動させてうまく動かすのは難しいです。仮にラケットが5kg(ボーリングのボール位)もあったら体をうまく使わないと振れないはずで、人はその重みに対応して体全体をつかって投げようとするはずです。ラケットが軽量すぎる点の弊害です。

ラケットヘッドがなかなか出てこないスイング

「スイングしたラケットが体や肩の位置を追い越して前に進んでいくべき。インパクト時、体の位置、肩の位置は自然とラケットを後方から支える状態になる」と考えている私にとって、体が正面を向いているのにラケットヘッドが出てこないスイング、最終的に腕でラケットを操作するようにしてフォロースルーを取るフォームは勿体ないのではないか?と考えている訳です。

フォアハンド ラケットヘッドがなかなか出てこないスイング

フォアハンド ラケットヘッドがなかなか出てこないスイング

ラケットをスイングする目的がボールを飛ばすためで、前方に向けラケットを振るなら、加速し、慣性の力で前方に進もうとするラケットヘッド側は、スイングの途中でグリップや体や肩の位置を追い越して更に前方に進むべきだろうと思います。

ラケットヘッドは手や体より速度が増しこれらを追い越す

ラケットヘッド側がグリップ側や体の位置を追い越すのは、腕や体の回転よりもラケットヘッド側の方が速度が速くなるためです。

円周運動をする物体が同一角度を動く際、中心から遠い物体の方が同じ時間で長い距離を移動しないといけないのでより速度が速くなります。

スイング 中心から遠い物体の方が同じ時間で長い距離を移動しないといけないのでより速度が速くなる

腕をラケットヘッドが追い越して前方に進んで行くためには、体や腕の回転よりもラケットヘッドの方が速く動いていることになります。

つまり、体が回転し正面を向いてしまっているのにラケットヘッドが出てきていないというのはラケットヘッドが十分加速できていない可能性があるわけです。

当然、グリップの厚さによって打点の位置は前に移動するため、極端にグリップが厚い場合は体の回転に比べラケットヘッドが打点位置まで出てくるのが遅くなることはありえます。ただ、その場合でも体の回転は正面を過ぎ、非利き手側に向こうとしているのにラケットヘッドが出てきていないというのは、ラケットの加速という面で言えば課題があるだろうと思います。

繰り返しますが人それぞれなので絶対ではありません。

ただ、現代的なフォアハンドという観点で考えれば、グリップが厚い場合でもラケットヘッドはグリップを追い越して前方に進む形が望ましいのではないかと思っています。

ラケットヘッドはグリップ側を追い越し、更に前に進んでいこうとする プロネーション

フェデラー選手のフォアハンド

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ジョコビッチ選手のフォアハンド 

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フェデラー選手の方がグリップが薄いのでよりラケットヘッドがグリップを追い越して前に進んでいく様子が顕著ですが、グリップがかなり厚めなジョコビッチ選手もインパクト後にラケットヘッドはグリップの位置を追い越し前方に進んでいます。

1993年、1994年全仏チャンピオンのセルジ・ブルゲラさん

ラケットヘッドの加速が遅い、十分でないと前方ではなく引き上げることしかできない

上記のように体の回転が正面位置を過ぎて非利き手側に向こうとしているのにラケットヘッドがインパクト位置まで出てきていない (体や腕の位置、グリップの位置をラケットヘッド側が追い越していない) 状態では、インパクト後、ラケットヘッドはそれ以上前に進むことは難しく、プロネーションにより上向きに振り上げられるしかありません。

ラケットヘッドを巻き込み 跳ね上げるフォロースルー

これではスピンはかかるでしょうが「ラケットを前方に振ってボールを飛ばす」というスイングの目的には合ってないと思っています。

他スポーツにおけるヘッドが加速し腕を追い越すという事例

テニスと同じく棒状の道具を使ってボールを飛ばす野球のバッティングを見てみると

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バットのヘッド側は加速し、手の位置を追い越し前方に進む中でボールに当たるのが分かります。バットの握り方やスイングの仕方によっても違うでしょうが、「体は後方にありバットが体を追い越し、打点を後方から見るような態勢」がバットの加速に意味があることは想像できるのではないでしょうか?

誰もが持つ、日常的に使う体の機能でスポーツをやるということ

私は、テニスを始めるにあたっては「どのスポーツでも当てはまり、日常生活でも行っている正しい体の使い方に基づく動きと、それを使ってボールに生じる物理現象を起こすための方法」を学ぶべきだと思っていますし、それを学んだ人は皆、基本部分で言えば同じようなフォームで、一定レベルでみな上手く打てると思っています。

それ以上は個性が出ていいですし、例えば、グリップの厚さによってボールを打ちやすい、力の入りやすい打点は前後しますから、グリップが厚くなる程、フォームは同じまま打点だけが前に移動していくという事はあっていいと思います。

グリップの違いは打点位置の違い、体の使い方は共通していい

今回の例で言えば、グリップの違いは打点の位置が変わるというだけです。

テイバックからスイング開始、インパクト、フォロースルーまでのスイングは基本的に同じでグリップの厚さによってスイングにおけるボールと当たるインパクト位置が前に動くという事が基本だろうと思っています。

つまり、グリップが違おうが同じように体を使ってスイングできるべきであり、ラケットを前方に向かってしっかりスイングするという点で言えば、加速したラケットヘッドはインパクト前後に手の位置を追い越して前方に進んでいく形になる方が望ましいと思っています。

ラケットスピードの速さはそのまま、ボールスピードの速さと回転量に繋がります。今回のラケットヘッドの動きはいわゆる「ヘッドが走る」ということです。

ラケットヘッドがなかなか出てこないスイングがラケットスピードに影響がでるなら勿体ないですし、個人的には "現代的なフォアハンド" を前提に打つなら、ラケットヘッドがいつまでも出てこない、手や体の位置を追い越さないフォームは課題があるだろうと思っています。