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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

プロのダブルスは参考にできるのか? どの選手を参考にすればいいのか? (テニス)

一般プレイヤーが行うテニスにおけるダブルスの現状は?

海外だと、テニスでゲーム形式をやる際は基本シングルス形式で、おじいちゃん、おばあちゃんでも皆シングルスをやっているようです。コート数がたくさんあるし、放送される試合はほぼシングルスなので親しみのないダブルスをやる理由がないのでしょう。

一方、日本においてはアマチュアプレイヤーがゲーム形式の練習をする際、その殆どが "ダブルス形式"だと思います。

ただ、戦術やフォーメーション等が必要となってくるダブルスですが 、ダブルスのやり方 を教わる、情報として触れる機会は殆どありません。ボールを打つ、スピンをかける、サーブの打ち方等の技術的な話と異なり、ダブルスのやり方、というか誤解がないようより正確に言えば「どうすれば失点を少なく同時に得点を多くする可能性があるプレイをダブルスでできるのか」という情報はあまり出回っていないからです。

このため、ダブルスをやる人の殆どは程度の差はあれ、見聞きした話を参考にした「自己流のダブルスのやり方」をやっていると思います。

ダブルスを日常的にやっている人に「あなたのやってるダブルスは自己流ですよね?」などと言ったら怒られてしまうでしょうが、ダブルス初心者が周りにやり方を教わっても「皆、言っている事が違う」ということはよくあります。

"ダブルスの基本" と言われるような事は皆が共有していても、実際のプレイ(各論)に入ると「"標準的な" 情報について皆が不確か」で個々が考えるやり方でやっているという感じでしょうか。

ダブルスの基本となるやり方の参考情報としては複数の書籍が出ており、実際、参考になる情報もあるのですが本を買ってまで学ぼうという人は少なく、やるとしてもYouTube等でダブルス選手の動画を見て参考にしようとする位でしょうか。

 

プロのダブルスは参考にできるのか?

さて、本題ですが「プロのダブルスを見て参考にできるのか?」「参考にするとすればどの選手を見ればいいのか?」といった事についてです。なお、具体的な戦術等について述べる程の知識や経験もないので考え方ということで書きます。


まず、ダブルスは男子、女子でかなり異なります。ボールスピードや体力、筋力等の差ではなく、男子テニスと女子テニスのレベル差がそのままダブルスにも出ています。

女子テニスはレベルが低い等と言うつもりは全くありませんが、男子テニスは30年近く前から新しい進化を繰り返してきており、女子テニスよりも技術面、戦術面、色々な面で桁違いになっています。ダブルスにおいても、進化した男子テニスを前提とした男子ダブルスは、単にボールが速い、平行陣を使う、技術が高いといったレベルを遥かに超えた違いになってしまっているのです。(皆200km/hを超えるサーブを打ち、皆それをリターンでき、数千回転のスピンがかかった140km/hを超えるストロークが打て、不用意にロブを上げれば全員がスマッシュで決められます。)

男子ダブルスは長い打ち合いを前提としないので、サーブの球種やコースから前衛のポジション取りを想定しリターンを叩く事でポイントするのが最初の前提、リターンが通っても後衛同士が何往復も打ち合うようなことも少なく、どちらかが仕掛けてポイントを終わらせようとします。専門家ではないですが、4人とも高いレベルの選手達なので「打ち合うラリー数が増えるほど不利だ」と考えているのだろうと思っています。(数多くボールに触るほどミスする可能性も相手に攻撃される可能性も増えますから。)


また、プロのダブルスでは前衛という考え方にあまり意味がないです。選手は自分が得意なプレーで "チームの総合力" を上げます。ダブルス専業ペア、シングルスもやるストローカーが2人組んだペアがあり、専業の選手でもボレーが苦手、バックが苦手様々です。技術が高いと考えられている "平行陣" すら男子ダブルスでは標準的な戦略でもありません。サーブアンドボレーで平行陣になるようなケースは少なく、前述の通り、リターンが通ってしまった際にゲームを早く終わらせる選択肢として使わている印象です。(因みに女子ダブルスで平行陣を取るペアは2人ともネット際のプレイに自信がある場合のみで、両ペアとも平行陣になるケースは1セットに数回あるかといった所です。)

ダブルスをやっていると「男子ダブルスはスピードがありすぎて参考にならない。参考にするなら女子ダブルスだろう」と言われることがありますが、私はこの考え方には反対です。

上手く言えませんが、女子プロ選手のテニスは20年近く前のテニスをベースとしたもので男子テニスとかかなりの差があります。新しい方が良いというつもりもありませんが、男子テニスの方が効率がよい点がたくさんあります。ボールを打つ方法という意味でも初心者から男子テニスで用いられている方法を参考にすべきだと考えていますし、ボールを打つのに男子テニスを参考にするならダブルスもこれを前提にすべきだろうとも思います。(このテニスは年齢性別を問わず実践できます。体力や筋力、運動能力がないとできないといったことはありません。教わる機会がないだけです。)

 

プロのダブルスのどこを参考にすればいいのか?

「プロのダブルスは参考にできるのか? どの選手を参考にすればいいのか?」ですが、参考にすべきは技術ではなく、失点を防ぐ方法、得点を取る方法であり、それを実現するための知識の理解だろうと思っています。


テニスにおける大前提は「予測」でありダブルスならそれに基づく「ポジション取り」です。

 

ゾーンという考え方

ボールを打つ相手の打点の位置から自分側サイドのコートに飛んできて無理なく収まる扇型の角度を2分割し、一方が自分の担当、もう一方が味方パートナーの担当です。確率が低いストレートのライン際、極端に角度が付いたコースは除きます。常に「次にどんなボールがどんなコースに飛んで来るのか」を予測していけば、攻撃・守備問わず、今自分が居るべきポジションが決まってきます。

ダブルスで個人個人が担当すべき範囲(ゾーン)が存在しそれを理解することでゲームが構成される


以前、月刊誌テニスマガジンで元カナダ デ杯監督、英国ナショナルコーチを勤め6名のダブルスNo.1達を育てたルイ・カイエ氏のダブルス解説の連載がありました。(今はそれを引き継いで高田コーチが連載) その連載の中でルイ・カイエ氏がこの自分が担当すべき範囲 "テリトリー" について説明されていて私はこれを知りました。ルイ・カイエ氏は2014年に来日し日本代表クラスの選手やコーチにもコーチングされています。つまり、今現在でかなり根拠があり参考に値するダブルスの情報だと思います。

スクールでダブルスを教わる際、「相手後衛が打つ場合は前に動きネット際、味方後衛が打つ際は相手前衛の攻撃に備え後ろに下がる」"前後の動き" と呼ばれるボールの位置に合わえて前と後ろを往復する練習をやりますが、これは "ダブルスでは攻撃と守備の切り替えがある" ということを言っているだけで、相手後衛が打つから前だ、味方後衛が打つから後ろだとやっていては、少しボールは速くなっただけでもう追いつけなくなります。

 

予測とそれに基づくポジション取りが大前提になる

テニスにおいて大前提ににあるのは「予測」です。相手が打とうとしているボールがどのコースにどんな球種や速度で飛んで来るのかを常に予測しないとスムーズに動き出すことができません。ダブルスではこの予測に基づく「ポジション取り」をすることで、今この瞬間に自分がどこに居るべきかが決まります。

皆、テニスを教わる際にこれらのことをしっかり説明される機会がないので、どうやってダブルスをやればいいのか分からないままで、ゲームをやる度に少しずつ自分なりのやり方を見つけている感じなのです。

また、プロのダブルスを参考にしたい理由として「ボレーを参考にしたい」と考えると思いますが、前述の通り、ダブルスで攻撃・守備の前提になるのは "ポジション取り" でありボレー技術の高さではないと考えます。

予測に基づくポジション取りができていれば、自分が居る位置にボールが飛んできます。そのボールをどう処理するかも見通しが付いていて時間的、精神的に余裕もあるので "ポイントを決めるのにボレー技術の高さは必要ない" はずです。どこに飛んでくるか分からない飛び交うボールを追いかけて移動していては全くゲームに参加できずじまいです。"テニスは確率のゲーム" であり反射神経や計画のないプレイでは安定してポイントを重ねることができません。


「自分が打とうと思ってるコースに常に相手前衛が先回りして居る」
「自分が予め移動した場所に想像した通りのボールが飛んで来る」


これらの持つ意味はわかりますよね?

 

では、プロのダブルスにおける技術面をどう考えるのか?

プロのダブルスでは戦術面や作戦の中でポイントを取るのが前提条件なので、ネット際のプレイが得意な選手やペアはありますがそれら技術が主となることもなければ、それで勝てる訳でもありません。前提部分に着目せずダブルスの流れの中で活かされているプロのボレー技術等だけ参考にしようとしても効果はないでしょう。

個人的にですが、ダブルスで著名なブライアン兄弟はネット側のプレイはものすごく上手いですがボレーの打ち方はそこまで参考にできる感じではない(基本的より実践タイプというか) かなと思っています。ネット際も含めて技術が高いパエス選手やソアレス選手はボレー技術は高いのですが技術以上にボールを処理するセンスを高く感じます。つまりそのまま参考にするのが難しいということです。

 

まとめ: プロのダブルスから学ぶなら目立たず繰り返される基本部分

プロのダブルスを参考にするなら、テニス自体も男子プロを参考にして、男子プロのダブルスが見せる、戦術や確率の高い失点の防ぎ方、ポイントの取り方の基本的な部分 (派手な技術やフォーメーションの巧みさ以前に) だろうし、ネット際のボレー技術等を参考にするなら、基本と言えるボレーに関する練習を丁寧にやることだろうと思います。ダブルス特有のボレー技術、ネット際の処理が必要となってくるのはかなり高いレベルのダブルスペア同士が対戦する場合とかになってくると思います。

必要ないと言っている訳でもないですし、ネット際のボールさばきを見せつけてポイントを取るのは気持ちがいいでしょうが、基本的な部分をしっかり理解する方がはるかに即効性がありはるかに効果が高いはずです。まずは一般的に教わる機会の少ないダブルスの前提部分をしっかりと理解すれば"自己流"でやっている人より "確率高く" プレイできるでしょう。

ダブルスの大前提と言える「予測からのポジション取り」「自分が担当すべき領域(ゾーン)" 」について理解する機会がありません。実質的に意味のない"前後の動き"を基準にしようとしたり、上から見たコート上の位置や自分達が居ない空間にばかり気にします。

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ボールは前から飛んで来るのに上から見たコート上の位置を考えて隙間があるないと言っているのは考え方が合っていないのは明らかですし、自分よりも後ろのボールには触れませんから相手が打つ打点のボールと自分との間の空間である "自分の前" に集中し責任を持つべきです。


今回の話とは反れますが相手に簡単にロブを上げられるてしまうのは自分に責任があるし、深いロブでもスマッシュできないのは自分の技術に問題があります。雁行陣の後衛同士の打ち合いが続けば相手に攻撃される機会が生まれ自分たちがミスする可能性もあります。攻撃してのミスもありますが、テニスの得点の殆どは相手の凡ミスによる得点です。プレイヤーが自分が居るべき場所を把握しており、きちんと作戦を立てた上でプレイできればできるだけ自分達がボールに触る機会をすくなくしてポイントを取ることが確率の高いダブルスと言えるのではないかと思っています。


常識とされるダブルスのやり方はよくわかりませんが現代的と言われる男子プロのテニスを前提とした男子ダブルスを見て感じることはこういった部分からですね。

 



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