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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

両手打ちバックハンドと体重移動というお話 (テニス)

片手打ちバックハンドの私が両手打ちバックハンドを考える意味

私は、バックハンドは片手打ちですが、体の使い方を考える中で、片手打ちバックハンドと両手打ちバックハンドのそれぞれで体の動きを確認したりしています。

タイトルですが、以前、スクエアスタンスでフォアハンドを打つ際に言われる「体重移動」とは実際には「体重の移動ではなく体の軸移動」だろう。"体重移動" でボールに効果を与えることは難しくむしろラケットをボールに当てにくくする。実際には、体を回転させるためには体の軸を前側の足の上に移動させた後に体を回転させる必要がある。そうしないと上手く体が回らないと書きました。

lond.hateblo.jp


これから派生して、両手打ちバックハンドも基本は横向きのスクエアスタンスで教わると思うので、同様の事が言えるだろうと考えました。

 

体重移動をして打つという説明

私は両手打ちバックハンドを教わった事が全くないのですが、フォアハンド同様「体重移動をして打つ」と教わるのではないでしょうか?

状況にもよるのでしょうか、こういうフォロースルーの姿勢はよく見る気がします。

前側の脚に体重が乗った状態のスイング

バックハンド 前足体重

上体が前側の足よりも前に出てしまう位に前に動き、後ろ足を伸ばしてバランスを取るような姿勢です。

フォアハンドで体重移動という表現を考えた際も書きましたが、人の頭はボーリングのボール1個分(6~7kg)程の重さがあり、上半身は全体重の40%位を占めるので、地面に立っている間は、両脚のスタンスの間に "上半身と頭がある" 状態を保たないと人は簡単にバランスを崩してしまいます。テニスなど運動をする際は尚さらです。

また、ボールを打つ際は体を回転させてラケットを振りますし、ボールを打った後は次のボールを追う必要があるため、上半身は常に起こして地面と垂直に近く保つことが望ましいです。短いボールを前に出て打ち込む際などにも見られますが、上の図のように上半身が前に傾いていってしまうと、ボールを打つ際に頭が大きく動くことで視線がブレてボールを正確に捉えることを邪魔してしまいますし、打った後に次のボールを追いかける姿勢を取るのが1瞬遅くなりかねません。

 

野球のバッティングを参考にしてみる

ちなみに、両手で棒状の物を持ってスイングしボールを飛ばすという意味で共通点のある野球のバッターを観察してみると、『バッターはバットを振る際に体を回しますが、体の軸は両脚の間にあり、体の軸は倒さず、踏み込んで以降は体の軸は動かずその場で回転しながらバットを振る』のが分かります。

youtu.be

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イチロー選手が行うように踏み込みつつ軸を前方に動かしながら打つバッターも居ますが、イチロー選手も大きく引っ張る際は回転軸を固定していますし、MLBで最近増えてきた高打率でヒットも打ち、かつホームランも量産するタイプの好打者は、踏み込みによる回転軸の移動を殆ど行わず、後ろ脚体重に近い位置で軸の回転させバットを振っているようです。

これによる効果は、

1)スイング中に体の軸が動かないことで視線がブレにくくなる。

2)キャッチャーに近い位置で回転できるため、ぎりぎりまでボールを引きつけられ、ボールを捉えやすい 

3)このような回転型のバッターは "バットスピードが速くなる" のでボールも飛びやすい

などがあるそうです。

MLB 高打率のホームバッターのスイング


遠くに飛ばすのが目的ともなるバッティングとテニスの両手打ちバックハンドは違うでしょうが、「ボールを正確に捉える」「ラケットスピードを速くすることでボールスピード、回転量を増やす」といった面では共通点があるはずです。

同様の事はゴルフのスイングでも言えます。(スイング中は頭の位置を動かさない)

両手で持った状態でスイングをし、ボールに正確に当てて、遠くに飛ばす(大きな運動エネルギーを伝える) というこれら3つのスポーツでテニスだけ全く別の特別な原理が働くはずがありません。

 

体重移動という表現に疑問を持つ

私は両手打ちバックハンドを習った事がないので予備知識なく見ているせいか、その打ち方に疑問に思う点がいくつかあります。そのひとつがスイング開始時に行う「ラケットダウン」の操作、それと今回の「体重移動」と言われる表現です。

フォハンドにおいて、スクエアスタンスで横向きにスタンスを取ったら、体の軸の前側の脚の上に移動させた後に体の回転の殆どが行われるべき (それに伴いラケットも振られる) で、軸を動かしながら体を回転させて (ラケットを振って) しまうと、軸が動きながら体を回してしまうと回転の効果が弱まり、スイングスピードが落ちてしまことに繋がるだろうと思っています。当然視線が動くのでラケットがボールに当たりにくくもなります。

スクエアスタンス 横向きテイバック

スクエアスタンス インパクト

 

スクエアスタンス フォロースルー


テニスでは「ラケットをボールにぶつける」「ボールを押す」のような表現が使われるので、これと「体重移動」という言葉が結びついて、体を使ってラケット面をボールに押し付ける(押す)イメージを持ってしまいます。

 

ラケットがボールを飛ばす物理的な原則を考える

ただ、度々書きますが、スイングによって得られるラケットの運動エネルギーは「1/2 x ラケット重量 x スイングスピード ^2 (2乗)」で表され、ボールへの当たり方によってラケットの運動エネルギーはラケットの当たり方により「ボールスピード」「回転量」に分配さます。手に持っているラケットは1種類だけですから、スイングスピードが速くなるほどボールスピードと回転量が増えるわけです。

「ラケット面を押し出す」ことと「ラケットを振ること」を考えれば、どちらがラケットスピードが速いかは分かると思います。

バッターがバットをボールに押し付けるのは "バント" ですね。ボールを飛ばすために考えるのは如何にバットを速く振るかです。個別のイメージ的な感覚表現はともかく、ピッチャーがキャッチャーに向かって "腕を押し出す" ような動作は行いませんね。どちらも腕やバットを振る速度があがりません。テニスも同じだと思います。

 

体の回転だけではボールが軽くなる? 打ち負ける?

「体の回転だけでボールを打つとボールが軽くなるから体を使って押せ」というのは、スタンスが狭く直立したような姿勢なら "体の重心の位置が高くなること" で、ボールに運動エネルギーを伝えることが難しくなるようなことを言っている気がします。体の重心は体の全長の真ん中にあたる "腰" 付近に来るので、腰の位置が上がってしまうと地面をしっかりと踏むことができなくなります。体を支えられずブレてしまうし、地面を強く踏むことで逆向きの力を得る「作用・反作用」の力も得られなくなります。

ただ、しっかりとスタンスを取って全体をうまく使って体を回せば、野球のバッターがフルスイングするように、ピッチャーがボールを投げる際のようにしっかりと腕を振ることができます。"要は体の使い方の問題であり、体重をラケットにかける、勢いを付けて押すなどとは別の問題だ" と考えています。

 

こういうことではないだろうか?

両手打ちバックハンドに関しては素人ながら、

1)スクエアスタンスなど横向きのテイバックを取る際は、体の軸を前側の脚の上まで移動させて頭の先から脚までをしっかりと回転させる必要があります。体重移動というイメージから頭が両脚のスタンスから出てしまったり、軸を動かしながらボールを打ってしまったりすることは望ましくありません。初心者であれば正しくボールを捉えられない要因になります。

また、様々なボールを打つ中で常にスクエアスタンスで構えて打てる訳ではありません。従って、最初に習うのが両足を平行に置く形で行うテイバックだとしても、現代的なフォアハンドと言われる打ち方同様、体を捻ってテイバックする体の使い方を学び、スタンスに関係なく上半身は同じ打ち方をできるようになる事が望ましいと思います。

※現代的と言われるフォアハンドは体を捻ってテイバックし、それを戻すことをスイングのきっかけとしますが、スクエアスタンスをオープンスタンスに変えればそれが実現すると誤解されるケースがとても多いです。体の使い方を変えずスタンスだけオープンに変えても殆ど意味がありません。(次のボールを追いやすくなる位..)  学ぶべきは体の使い方であり極端に言えばスタンスは何でも構いません。スタンスに関係なく同じように強く振れるようになるということです。(打ち方を変えずスタンスオープンにするのと逆の意味で同じ。スタンスは関係なく体の使い方ということ。)

 

従って、スクエアスタンスで打つ両手バックハンドからステップアップするためには、

2)MLBのホームランバッターのように、大きな軸移動をせず、両脚のスタンスの範囲内で速めに軸の位置を作り、体を回転させながらスイングをすることが望ましいだろうと思っています。

両脚のスタンスの間に安定的に軸を置くので、後ろ側にあたる足を大きく踏み出せば、上半身を傾ける、動かす必要なく、体の軸は足の移動に伴い、速くボールを打つ場所に移動します。横に踏み出せば遠くに、後ろに踏み出せば体の軸を安定的に後方に動かすことができ、深いボールを打つ際等に応用できます。

踏み出した足に軸を載せるのではなく、上半身を安定的にスタンスの間に置くことで、自然と体を回転させる体の軸が打点に近づいていくという訳です。

実際はフットワークを使って打点に近づくのが先にありますが、ボールを打つ直前のごく僅かな調整は足をバタバタと細かく動かすのでは足を踏ん張ることが難しくなるので、ストロークにおいては小さな距離の調整ながら少ないステップ数で調整した方が速く準備ができると思います。

錦織選手のストローク練習

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ボールに応じてバックハンドを様々スタンスで打っている錦織選手ですが、バックハンドの導入で習うような前方に上半身を傾けて後ろ脚を伸ばすようなフォロースルーを取ることはほぼありません。(短いボールを前に出て打ち込む時位)

フォアハンドもバックハンドもテイクバックからフォロースルーまで頭の位置が殆ど動かないのが分かると思います。単に "体の回転で打っている" のとは違うということは見ていても分かると思います。

スタンスが変わっても打ち方は同じ様に見える。それはスタンスが並行ではないからでも、体を捻ってテイクバックをしているからでもありません。

 

体が本来持つ機能をどう自然とうまく使えるか

人が持つ体の機能を十分使えるようになれば常にバランスを取りながら、頭の位置がブレることなく、かつ力強く、安定的にスイングができるようになるということです。特別なことはなく「どう体を使うべきか」という理解だけです。(これも "コツ" では上達しないという理由でもあります。)

"ボールを打つ際にどう体を使うのがよいのか" という観点で教わることはまずないのがとても残念ですが。一般的に使用されている "ボールの打ち方" の説明ではカバーできてない部分が実際にあり、それは見よう見まねで自ら覚えるしかないというのが残念な所だと思っています。

 

個人的には両手打ちバックハンドのこういう進化の方向もありかなと思う

なお、これは両手打ちバックハンドの素人ゆえの個人的な考えですが、両脚の中心に軸を置くのを一歩進めて、MLBのホームランバッターのように、意図的に意図的に後ろ脚の近い位置に軸を置いたまま体を回転させてスイングができれば、ボールをぎりぎりまで引きつけ、且つ、速いスイングスピードでラケットを振れる両手打ちバックハンドができるのではないか? とも考えています。

 

両手打ちバックハンド 後ろ足体重

全てのボールがそうやって打てる訳ではないですし、MLBのホームランバッターが空振りする際のような見た目が不自然に感じるフォームに見えてしまうかもしれませんが、ボールを捉えやすく上にスイングスピード上がりやすいのではないかと考えています。

MLB 後ろ足に軸が残り最後までボールを見ているスイング

 

まとめ: 目の前にある「当たり前の情報」は本当に正しいのか?

まとめというか、両手打ちバックハンドについてフォアハンド同様、導入時はスクエアスタンスの横向きのテイバックで習うものの、実際ボールを打ち始めて後にスクエアスタンスで構えられないケース、フットワークの中で色々なスタンスで打った方が望ましいケースについて考える機会は少ないのではないでしょうか。

スタンスを変えればいいという訳ではなく、フォアハンド同様、本来望ましい体の使い方に基づいて考えるべきであり、その結果、スタンスに関係なく安定してしっかりと打てるようになるはずです。多くの人がそこまでたどり着けていないのではないか、たどり着いている方もたまたま身についた形なのではないかと想像しています。(片手バックハンドはもっと厳しい状況ですが。)

本来であればフォアハンド同様、違いを考えられて然るべきだと思うのですが、私が知らないだけかもしれませんが、雑誌等を見ていてもそういう話には巡り合わないように思います。

目の前にある、周りが言っている「当たり前の情報」はラケットでボールを打つということに関するゆるぎなき原則 (物理的な法則や体の機能) と矛盾していないか考えてはどうかと思います。