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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

スイングする開始時に手首を曲げる? ラグ・背屈 (テニス)

テニス

以前にインパクトにおける手首の形は固定になるのか? ということについて書きました。

lond.hateblo.jp

スイングする際の手首の角度「ラグ」

これに関連することですが、テイバックしてラケットを振り始めた際、手首とラケットの間に角度が付く (英語では "Lag" と言ってるみたいです。タイムラグの"ラグ"。遅れや遅延という意味) 事がパワーアップのコツだ!! みたいな説明を海外のサイトでよく見ます。

上体をひねるテイバック


振り始めた際にラケットが "遅れ"て、手首との間に角度が付く。

フォアハンド スイング


ちなみにこの「手首とラケットとのラグ」が日本であまり聞かないのは、海外の方が体の使い方やラケットの使い方に関する認識が進んでいる (普及している) ためだと思います。

脱力して打つ、回転で打つといった話

最近よく聞く「脱力」「回転で打つ」等聞いた事があっても、それらはボールを打つことに関するごく1部の構成要素に過ぎずそれだけ気をつけても何が変わるという訳ではありません。国内は、海外に比べるとラケットでボールを打つという事に関する情報は鎖国状態、海外から全体ではなく一部のキーワードを輸入してコツのように扱うことで正しくない形で情報が広まっていると思っています。(蛇足ですが海外の情報を英語で直接読めれば理解は深まります。)

手首のラグでパワーアップする?

このラグを起こすことでパワーアップするのでしょうか?

答えとしては「正しい理解ではない」と言えるはずです。

理屈から言えばこのラグは "勝手に" 起きます。

起きない場合は体の使い方が間違っているか、フォームが特殊かといった所です。

また、フォームや体の使い方は変えず、振り始めてでこのラグを起こそうとしてしても全く意味がないとも言えます。停止状態にあるラケットが加速する初期の段階で腕や手首に力を込めて形を作る意味がありません。

スイングを開始するとラケットは自然と倒れ、ヘッド側は後方から追従する

ラケットの重さを感じないようヘッド側を立ててテイバックしたラケットは、体の回転に伴い手にグリップ側から引かれることにより倒れ、ヘッド側はラケットを振る方向に真後ろから追従していきます。

テイクバックからのスイング開始時におけるラケットの動き

youtu.be

これはラケットに慣性の法則が働くためで、止まったラケットはその場に留まり続けようとするし、動き出したラケットはその方向に進み続けとするからです。

引かれたラケットの状態を見れば、手首とラケットの間に角度が付きラグが発生することは理解可能だと思います。

回外(スピネーション)も起こっている

また、このラグが発生する際、前腕には自然と回外 (スピネーション) が起きており、インパクト前後に回内 (プロネーション) が起きることでスピンをかかることにも繋がります。体の使い方が理にかなっている故に動きが連携するのです。どちらも起こすものではなく自然と起きるものであることの理解が重要です。

これらは自然と起こっている事象でしかない

これらの事象はラケットを強く握っていたり、腕に力が入っている状態では起こりません。これは「ラケットをボールに当てる」といった意識によるものです。ラケットに働く慣性の力はラケット軌道の安定に大きく影響するので、力が入っていることによりラケットが加速しづらくなることと合わせて安定した当たりの力強いスイングを実現する際の邪魔になります。

野球を例にすると、ピッチャーはボールを軽く持ち、握りしめることはありません。意図したリリース位置までボールが飛び出すのを防ぐ程度に指で抑えるといった所です。腕に力を込めたり指に力を入れたりすると腕は強く振れないしボールに回転もかけづらくなるからです。ボールを投げる瞬間は指だけがボールにかかった状態になりますが、腕を振る中で手首は甲側に自然と折れた「背屈」状態になっています。

ダルビッシュ投手の投球

これを意図的に背屈させている訳ではないことは誰もが分かると思います。腕や手に力を込めず重量のあるボールを投げよう (前方に引っ張ろう) とすればボールの重量と留まろうとする慣性の力で手は後方に引っ張られ、手首は自然と背屈方向に曲がります。ただ、腕を振る力の方がボールが留まろうとする力よりも強いのでボールは前方に進んでいき、手首は背屈側から戻り、ボールは手から離れて空中を飛んでいくわけです。

スイングして得られた運動エネルギーをラケットからボールに伝える

テニスにおいては、ラケットを手から離す訳ではありませんが、スイングすることによって得られた運動エネルギーをボールに伝えることとなります。

ボールは空中にあり停止して (その場に固定されて) いる訳ではなく、ラケットもボールに当たった瞬間動きを止める訳でもないので、よく聞く「ボールを押す」「ボールにラケットをぶつける」という表現は "イメージとしてはあり" でもラケットの働きを正しく表していないだろうと思っています。(金づちで釘を打つのとは違うということです。)

前述の通り、イメージとして考えるのは構いませんが本質から言えば『ボールに当たった後もラケットは動き続けるので、振り始めからフォロースルーまでの一連のスイングの中で、途中に0.004秒間、ボールに当たるという時間があった』というのがむしろ認識として正しいのではないかと考えています。

フェデラー選手のフォアハンドストローク

youtu.be