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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

動画: 鈴木貴男選手のサーブのワンポイントレッスン (テニス)

テニス

昨年11月の動画ですが、ダンロップのワールドチャレンジの会場でこれまた恒例の鈴木貴男選手のトークイベントが行われており、主催のスリクソンが動画を公開していました。見ていなかったのですが引退された近藤大生選手の動画を探してて気づきました。

サーブのワンポイントレッスン

youtu.be


お話の中のキーワード「セカンドサーブがその人のサーブのレベル」。

セカンドサーブはしっかり回転をかけてコースを狙え、必要であれば攻撃的にも打てないといけない。ファーストは速く打ってセカンドは入れにいくのは遊びでやるレベルで本当の意味でのテニスではないということですね。より分かりやすく言えば「セカンドサーブを見ればその人のサーブのレベルが一目瞭然、その人の技量が全部出る」という感じでしょうか。


話の中で解説となり、鈴木貴男選手のグリップはサーブの基本と言われるコンチネンタルグリップより「薄い」バックハンドイースタン位だという話題になります。

グリップの違いによって打点の位置が変わるというのは鈴木貴男選手がよく言われていることでそれはサーブでも変わりません。グリップを薄くするとトスの位置は自分に近い位置に上げないと力の入る位置(打点)でボールが打てないです。フォアハンドでグリップが厚くなる程打点は前、薄くなる程体に近くなるのと同じですね。

だから、右利きの人が横向きの状態から左手でトスを上げる際、左腕を左肩よりも左側(ネット側)に伸ばすようにトスを上げ、体よりもネット寄り(ベースラインより内側にボールが落ちる位置)に上げるのではなく、横向きで体の正面 (左肩の前)に上げる "横に上げる" ようにすれば、ボールは左肩の位置、つまりベースライン上に落ちる位置でトスを上げることができる。

左肩よりも左側(ネット側)からトスを上げると打点は前になる。

前方から上げるサーブのトス


左肩の前で体の横からトスを上げると打点は体に近い位置になる。
横から上げるサーブのトス


薄いグリップで打つのだから、インパクトにおいてボールを打ち出す方向にラケット面を向けた際にラケット面を保つには打点は体に近くないといけない。逆に厚いグリップでは打点を前にしないとラケット面を保てないこととなります。

 

 

厚いグリップで打つサーブ

 

なお、会場に居る人から「グリップが薄いと回転がかかる」という世間でよく言われる話が出ると鈴木貴男選手お得意の "訂正 (※)" が入ります。

※鈴木選手は講習会等で説明する際、参加者に質問する等して "世間で常識として言われている誤解 をワザと引き出してそれを訂正する手法" と取ります。少し上から目線に感じるので私はそういう手法に良い印象を持てないのですが、鈴木選手が一方的に説明するよりも "世間の誤解を考えさせる" にはよい方法だと思われているのだと想像します。

簡単に言うと「グリップが薄いと回転がかかる」という考えが間違いということ。

言われてみれば当たり前ですが、「"サーブのスイング" というものはラケットを振るだけで自然と(勝手に)ボールに回転がかかるものでないと意味がない。完全に無回転に近い文字通りの "フラットサーブ" を打てる人間は殆どいない。サーブに回転をかけるのは "できた方がいいこと" や "応用技術" ではなく "必須条件"。スイングする度に "ボールに回転をかける" と思い、かけようとするのでは思うようなサーブが打てるはずがない」わけです。

従って、サーブのスイング、体の使い方が出来てない人が、いくら薄いグリップに変えても回転がかかるようにはならない。逆を言えば、体の使い方ができている人ならグリップが厚かろうが回転をかけることはできる と言えます。

なお、薄いグリップの方が回転をかけやすい要素があるというのはまた別の話。根本ができていない人にとってはその要素は "できるようになる" ものではない訳です。

サーブの打ち方を教わる際、鈴木選手のように厚いグリップ、薄いグリップの特性を教えてもらえることはありません。「サーブは薄いグリップで打つものだ。薄いグリップの方が回転がかけやすからだ。」といった理由がよく分からない決まりごととして説明されるだけです。だから、「薄いグリップで打てば回転がかかる」「厚いグリップで打つと回転はかからない」という短絡した理解が広まっているのだろうと思います。

サーブは頭上というボールを見づらく、距離感が捉えにくい位置で打つし、「高い所で打たないとネットを超えない。打点は高くするべきだ。」という別の誤解があるため、不自然に伸び上がったようなフォームで打つ人が多いです。このような「サーブは特殊」「サーブは難しい」という認識も本来の難易度以上にサーブの習得を難しくしていると思います。

正しい体の使い方を学べば、サーブを打つのは難しくないし、スイングすれば勝手に回転がかかるので必要なのは速度と回転量の調整だけ。スイングも1種類ですからフラット、スライス、スピンと違った打ち方を覚えようとするよりはるかにシンプルです。1種類の打ち方を調整するだけなので、セカンドサーブでファーストと違う種類のサーブを打つ、そのサーブとしては1回目ですから、セカンドで余計に緊張してしまうということも防げます。

サーブがこういった教え方になっているのは「教える側の都合」が大きいと思っています。体の使い方を理解してもらうのは簡単ではありませんし、そもそも教える方法が確率されていないでしょうから、教える側もどう教えていいのか分からないという事だろうと想像します。

教わる側も既存の枠組みの中で教えてもらうだけではサーブに対するこのような理解を得るのはまず無理なので、手法は限られますが、鈴木貴男選手のような「理屈から学ぶサーブの打ち方、ボールの打ち方」を実際に説明されている方のお話を見てみる、聞いてみるのは意識を変える上でも大事だと思います。