lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

ラケットを変える? ガットを変える? それ意味あるの? (テニス)

終わることなく繰り返されるラケット・ガットのオススメを聞く質問

テニスに限らないでしょうが、延々と続き、終わる事がないこれらの質問。

「自分のプレイスタイルは◯◯で◯◯です。自分にあったラケットは何がオススメですか?」

「◯◯を使っていますがアウトが多いです。もっと飛ばないラケット・ガットに変えたいです。どれがいいですか?」

道具を変えることを否定するわけではないですが、皆さん、メーカーの営業戦略に乗らされているだけだと思います。

基本、道具は慣れるもの。自分に合わせるものではない。

個人的な考えですが、原則として『道具は "慣れる" もので "自分に合わせるもの" ではない』と思っています。

原則と書いたのは道具の種類によってはマッチしないことで身体的な部分で影響を与える組み合わせもあるからです。(シューズなど。)

少年野球チームにバットが1本しなかなく皆でそれを使っていれば全員がそれに慣れてしまうでしょう。親兄弟から譲られたお古のラケットでも使っていれば慣れてしまい、むしろこれがいいと思うようになるのも分かると思います。

ラケットやガットも新しくしたら2~3ヶ月使い続けて慣れ、半年~1年かけて自分のものになっていくものだと思います。

ラケットやガットを変えたくなる理由

今使ってるラケットやガットに疑問を持ち変えたくなるのは、

1) 慣れていないから上手く打てない 

2) 上手く打てないと道具を信頼できなくなる

3) 信頼できないからその道具に関する悪い評価が気になる

4) 隣の芝が青く見えるで他のラケットやガットが欲しくなる


といった流れでしょうか。

また、

自分はもっと強いボールが打てるはずだ。プロや他の人のラケットやガットを見て、彼が使っているような道具に変えれば自分もああいう風に打てるはずだ。

と思う人もいくらでもいます。

愛着を持てない道具はどうせまた変えたくなる

ただ、信頼して使えない道具なら変えても同じです。ミスをすると直ぐにまた疑念が生まれて別のラケットが気になります。

それを防ぐためにはどれでもいいので自分が愛着を持てる要素を持つラケットを使うことです。好きな選手が使ってるでも、色が好きでも、メーカーが好きでも、友達と同じでもなんでもいいです。

とにかく愛着を持って使い続けないと慣れて使いこなす事すら自分で拒否することになります。

市販のラケットはどのメーカーも大差ない

道具を変えたいと考える人にはまず同意していただけないでしょうが、

「市販のラケットやガットはどのメーカーのどの製品も皆が思っている程の性能差はない」

と思っています。性能差というのはものすごくスピンがかかるとか、ボールの威力が増すとかそういうことです。

ラケットはフレームの厚さによってしなり方が違うことで飛びが違う (飛ぶ飛ばないではなく、大きくパワーロスするか、ロスが小さいかの差) はありますが、殆どのメーカーが継続的にラケットを販売しており、市場にあるラケットの範疇から逸脱したような製品、性能の落ちる製品を販売するはずがありません。

使う人の評価の殆どは製法や素材、仕様(重さやバランス)が違うことで生じる「打感」の違いだと考えています。初めて打った際の打感の違いを自分の好みに当てはめて「打ちやすい、打ちにくい」「使いやすい、使いづらい」などと評価しますが、それらはラケットの性能とは全く関係ありません。

ただ、そういった人の感想がメーカーが宣伝で言っている文句と合わせてそのラケット自体の評価となってしまいます。例えそれが本質ではなかったとしてもです。

多くのプロが同じラケットを長く使ってる

多くのプロはカラーリングを変えるなどして長いこと同じラケットを使ったりしていますし、試合中、ニューボール毎にラケットを変えたりするのは、ガットが伸びて飛びが悪くなるからよりも "手に感じる打感が変わるのを嫌う" からだろうと思っています。でも、一般プライヤーは打感の違いを理由にガットを張り替えたりはしませんよね? 

冬場にはボールが飛ばなくなるからテンションを下げて飛ぶようにすると言われます。気温でボールの中の空気が収縮しボール自体が硬くなるのと、大気も収縮し密度があがるから空気抵抗が増すためにボールが飛ばなくなるものですが、テンションを5ポンド程度下げた所でボールが飛ぶようになるはずがありません。ボールが硬く感じるからテンションを下げて硬い打感を緩和するという考え方が正しいと思います。

このようにボールを打つ際に大事であろう "打感" についてあまり考える機会はなく、打感の違いをそのままラケットの性能と考えてしまう事も多いです。

人には適応能力があり、道具にはすぐ慣れてしまう

ボールを打つ際に関係する「打感」ですら、継続して使っていれば "人は慣れてしまい" ます。だから、一般のプレイヤーが、最初から自分にぴったりのラケットを探す意味は殆どないはずです。

また、慣れるまで使い続けるための要素が「愛着」です。

自分に合ったラケットは自分で選べばいいです。ただし、選ぶ理由は、性能うんぬん等の世間の評判ではなく、自分が愛着が持てるかだけです。280gのラケットを振るのがやっとの人が340gのラケットを使うとかでもなければ 極論ですが "道具はどれでもいい" です。道具を変えることでテニスが上手くなったりはしません。

「初心者向けで飛ぶと言われるラケット」と「上級者向けで飛ばない、難しいと言われるラケット」、プロ選手が打てばどちらも同じような球種の同じような球威のボールを打ち合えると思います。前者だとアウトしまくるということもないし、後者だとネットしまくるということもありません。これはラケットの性能の範囲が決まっていてどのラケットもきちんと打てれば同じように打てるよう設計されているためです。同じようにプロが打てばどちらのラケットも同じようにスピンがかけられるのも理解できると思います。

道具は自分の技術の未熟さを埋める存在ではない

道具は自分の技術の低さを埋めてくれたりはしません。

と言っても、世の中から「道具を変えることで上達したい」と考える人が減らないのは分かっています。ただ、道具にこだわるより "自らの技術や打ち方をよくする方がはるかに効果が高い" のは事実です。それが分かっていても自分が上手くならないことを道具のせいにしたいのもあるのかもしれませんね。 

ちなみに皆が一定レベルまでテニスを上達させる方法は技術の向上ですらない

たびたび書いていますが、"テニスにおいて皆が等しく一定レベルまで上達する方法は正しい体の使い方の理解" です。技術を高めることではありません。

短距離走で横並びでスタートした選手達の走り方が皆バラバラということはありません。人の体の構造は基本皆同様なので運動する際の基本的な体の使い方も共通します。

従って「基本」という面で言えば皆同じような体の使い方及びフォームでボールを打てるはずで、個性という以前に、皆のボールを打つ際の体の使い方やフォームがバラバラなのは理にかなっていない証拠と言えます。

それは教わる際の情報が適当でないことが大きいですが、皆そのことを教わらないから上手い人のテニスを見て「上達は技術を高めることだ」と考えてしまいます。その延長線上にあるのが「道具を変える」ということに繋がると思います。