lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

Amazon プライムビデオ 天空の蜂 (映画)

Amazon Primeで見られる作品でした。

ちょうど日本映画を色々見ていたのでその流れで見てみました。

tenkunohachi.jp

 

www.allcinema.net


2015年の堤幸彦監督作品です。原作は東野圭吾さん。

出演は、江口洋介さん、仲間由紀恵さん、本木雅弘さん、綾野剛さん、國村隼さん、柄本明さん、手塚とおるさん、光石研さん、佐藤二朗さん等々、なかなかの顔ぶれです。

堤監督作品ですがコミカルな要素は一切なく、原作は読んで居ないのですが監督より原作のネームバリューの方が大きいということでしょうか。仲間さんが出演してるのは....ですが。

あらすじ的には、「錦重工業開発の新型軍用ヘリコプター「ビックB」がテストフライトの式典に家族と一緒に参加した開発者である湯原の前で「天空の蜂」を名乗る犯人の手で略奪される。ビックBには偶然湯原の息子、高彦が乗ってしまっていた。天空の蜂は高速増殖炉「新陽」の空中に浮遊。天空の蜂は政府に対し国内で稼働中の原子炉を破壊しろと要求してくる。新陽の対策本部にビックB専門家として呼ばれた湯原は、原子炉の専門家で同じ会社の三島と対面sる。ビックBの燃料が切れる8時間以内の解決を目指し、自衛隊の救出、警察の犯人操作、原子炉を停止させる可能性(止めない可能性)、救助にあたる消防隊などの連携が進んでいく。」といった内容です。


感想ですが「想像していたよりも面白い」と思いました。


日本のテロリストが絡むヒーロー映画 (1市民が活躍するとか)は、ミッドナイトイーグルとか、外交官 黒田康作とか、法律の壁に阻まれて設定に無理があると感じる作品が多いのですが、この作品は日本の組織体制と技術者の特性をうまく設定として使ってあると感じました。警察ドラマなので組織が連携して犯人逮捕にあたるような作品はありますが、あれは展開が都合が良すぎます。

この作品も展開は都合よく進みすぎるのですが映画の枠 (139分) でまとめるには止むを無いと思います。("24" あたりなら絶望的な展開に落としてから都合良く復帰しまた落ちるを繰り返しますがそれはそれで見てて疲れますからね。)


でも、気になった点はやっぱり日本映画独特の「人の感情に依存した表現」でしょうか。

家族を顧みず仕事をしていた湯原の家庭環境の複雑さ、原子力の専門家であることで家族に不幸が起こった三島、犯人グループが犯行に至るまでの同期等々、日本らしい少し陰湿な設定でよく見聞きする内容を入れることで感情移入させやすさはあるのでしょうが、設定が都合が良すぎるし、それが結びついて犯行に至るというのも小説ならではかもしれません。日本でテロを起こすという設定自体が少し無理がある (現実不可能という意味ではなくそこまで大きな計画をやろうという精神力がまず続かない) のでしょうね。


また、途中途中の演技描写でも、感情をぶつけたり、情に訴えたりという場面が度々見られます。個人的にはそういった「情に訴える日本映画的描写」「テロリスト」という組み合わせがしっくりこないのです。刑事ドラマでも「話せば分かるというのがお決まりの路線」でシリアルキラーでも刑事と交流しようとします。

結局、犯人もビックBを新陽に墜落させても原子力発電所爆破のような影響がでないという確信の元、犯行を計画したもので、テロというよりも政府、日本に対する問題提起のために起こした犯行という流れでした。その辺が「日本を舞台にしたテロ」という設定の落とし所なのかもしれません。


犯人グループの全容や目的は後半まで分からず、それまでは少年救助や犯人への対策、犯人操作が順番に、または並行的に進んでいき、それぞれ緊張感があります。139分ですが部分的に退屈な場面はあるものの全体的には飽きずに見ることはできました。

役者さんですが、仲間由紀恵さん、國村隼さん、柄本明さん、手塚とおるさん、光石研さん、佐藤二朗さん等はさすがの演技ですが、主演の江口洋介さんはああいう演技ですし、本木雅弘さん、綾野剛さんは個人的にですが名優という印象はありません。周囲の役者さんを硬く配置したことで何とか体裁を保った映画な気がしました。

蛇足ですが、最近、同じようなジャンルのドラマをWOWOWがたびたび作っていますが、設定、演出、役者さん、日本でバランスよく作るのはなかなか難しいのかもしれませんね。無名の役者さんがいきなりスゴイ演技しちゃうような海外ドラマの層の厚さはやっぱりスゴイと思います。