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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

テニスが上手い人はフォームがキレイ? (テニス)

今回は「テニスが上手な人はフォームがキレイ」ということについて考えてみます。
(ただ結論の話はだいぶ変わってしまいました。ご了承ください。)

昔、テニスが上達しない時期がずっと(6年以上)続いていた頃、「テニスが上手い人はフォームがキレイだ。フォームがキレイになれば上達するに違いない」と考え、プロ選手のフォームを見て、テイバックの形、インパクトの形、フォロースルーの形などを参考にしていました。今、振り返ればその考え方は正しくなかったと分かります。


テニスが上達する要素として一般的に言われるものは「技術」です。「テニスが上手くできないのは自分の技術が未熟だからだ。技術が上がれば、上手い人のようにボールが打てるようになるはずだ。」という考え方ですね。

「技術レベルが高い = テニスが上手い」は間違いではありませんが、一般の人がイメージする「テニスが上手くなる」ために必要なのは、技術より全然手前の「正しい体の使い方」であり、それを理解し実践できるようになることが重要です。

テニスにおける技術とは「10cmの違いを打ち分けるようなもの」です。技術を高めれば試合の中で「この1ポイント勝ち切る」のに影響し、曲芸のようなショットやボール遊びはうまくなるかもしれませんが、練習相手とラリーを長く安定して続けるのにはもっと全然手前に必要なものがあるということです。

ただ、"テニスでボールを打つための正しい体の使い方" について普段教わる機会はありません。その理由をごくごく簡単に言うと

1)テニスをやる人は皆、技術の向上が上達の道だと考えている。

2)教える人は自分が教わった知識を元に教える。体の使い方という面から教わった事がないから技術以前にそれを教えるという発想にならない。

3)人に教えられるレベルの人は教わることなく自然と身についていて改めて考える機会がない 。

4)スクール等はボールを打つ機会を与える場であり知識を教える場所ではない。


といったものです。


今回のテーマである「フォームがきれい」「動き方、ボールの打ち方がスムーズ」と言った点はその人が「正しい体の使い方ができている」から生じるのですが、それらが出来ている人は、教わる機会が無くても、たくさんボールを打つ中で、或いは他の上手い人の動作を見る中で、自然と身についてしまったものだと思います。だから、できている人にコツを聞いてもうまく説明できないはずです。(知識として教わっていないから言葉として説明する方法が分からない。)


同じ事が別の結果も生みます。長くテニスをやっていてある程度のレベルでボールが打てる方の中でも程度は様々でも個性的なフォームの方が大勢います。その人達も体の使い方を教わる機会がなく自分で打ち方をマスターしたものですが、うまく身についた方とはことなり、理想的な動きは習得できず自己流となっているという訳です。というか、教わる機会がない、指導者から指摘される機会がない場合は、自己流になってしまう可能性は非常に高いです。

どちらがミスしにくいかと言えば圧倒的に前者で、疲れにくい、怪我をしにくいといったプラス面もあります。自己流の度合いはあっても、突き詰めて行けば、個性的なフォームの方はその特徴ゆえに無駄にミスを引き起こしています。単に安定性が低くなるというだけでなく、自分への信頼にも影響し、ボールを打つ際に何も考えず打てる前者に対し、後者は緊張した場面で過去のミスの経験がフラッシュバックし、プレッシャーがかかりミスに繋がります。(ただ、ラリーを続けているので先にミスをするのは大抵自己流フォームの方です。)


個性的なフォームでテニスができない訳ではありませんし、長く時間をかけて身につけたものですから否定もできません。ただ、これからテニスを上達したいと思う方が敢えて選ぶべき道でもないと思います。

体の作りは皆同じなので、正しい体の使い方ができれば、基本的なフォームは皆似てきます。(陸上競技で走るのに後ろ向きや斜めに走る必要はありませんね。)

「見た目の形を再現するのではない、正しい体の使い方身についているから、自然とフォームがキレイになるのだというのは分かった。でも、体の使い方を教わる機会がないし、教える側も知識として持っていないのなら、上達したい者はどうすればいいのだ?」 ということになりますが、残念ながら一般的には "自分で苦労して知識を蓄積していく" しかありません。(お金か、そういう環境があるなら、国内でも有数の知識とノウハウを持つコーチに教わることは可能ですが。)

書店には「テニスのための体の使い方」といった入門書は売っていませんし、雑誌の解説にもインターネットにも、そのものズバリを体系づけて解説した情報はありません。この状況は、程度の違いはあれ他スポーツでも同様だと思います。理由は、まとめるには幅広い分野の知識を研究、理解し、かつ分かりやすく解説できる能力が必要で、まとめるにもものすごい労力がかかります。テニスに限らずスポーツは全てビジネスが絡むので、出版社も「今日から上達するコツ」といった皆が飛びつきやすい情報を重視するでしょう。大学の先生などが「特定スポーツにおける運動機能の研究」といったレポートを出される事がありますが、人に説明するのが目的ではないので、広く表に出てきませんし、指導情報に反映されることもありません。

世の中にはそういった断片的な情報がたくさん転がっています。

体系づけてまとめられれば参考にしたい人は大勢居るでしょうが、労力や努力だけでは
実現しません。自身の知識を広めようとWebサイトやYouTube動画を始める方、コーチの方は居ますが、その多くが1年経たずに発信がストップしてしまいます。参考にできるほど情報をまとめて整理する難しさはその比ではないはずです。

私もここで具体的に説明するのは無理なので、せっかくテニスを始めたのだから、多少苦労してもきちんと知識を学んだ上で上達を目指したい思われる方が参考にしたらいいと思う情報を上げるとすれば以下のようなものです。

1)物理 - ラケット、ボール、全てのものに物理の法則が関係してきます。勉強しろという訳ではありません。スポーツは多分にイメージが優先されるため、物理の面から事象を確認すればイメージに惑わされずに済むということです。例えば、サッカー漫画を読んだ子供が現実にはありえないようなシュートを打とうとします。大人になり現実にはありえないと分かっていてもサッカーをやれば漫画のイメージは頭によぎるはずです。テニスで言えば「インパクトでラケット面は地面にと垂直」「サーブの基本はフラットサーブ」「サーブはジャンプして打つもの」等々は情報やイメージ先行で皆事象について考えてみることをしません。

2)人の体の機能 (生物学・運動学・その他) - 人の体の仕組みについてです。人には関節と筋肉があり機能は決まっています。関節は逆には曲がりませんし、曲がる方向や角度は決まっていてそれらは基本的には皆同じです。腕の伸ばしているより関節を曲げている方が腕は速く振れます。頭や上半身が両足の外側に出れば人はバランスが取れません。ボールの距離や位置関係を認識するのは両目なのでボールから目を反らしたり、頭が動いたりするだけラケットが正確に当たらなくなります。考えてみれば当たり前のことでも「サーブのインパクトでは腕を伸ばす」と言われれば疑問に持つことができなくなります。

3)他スポーツとの比較 - テニスの専門性、難しさもあり、テニスのことはテニスをやるならで教わると考えがちです。それが与えられる情報が正しいのかどうかを考える可能性を阻害します。前述の通り、人の体の作りは基本的に皆同じ、スポーツの種類が違っても基本的な体の使い方は変わりません。このため、テニスだけではなく、同じように棒状の道具を使ってボールを飛ばすバッティングやゴルフ、腕を振って力を発生させるピッチングやバレー、サッカーや短距離スタートのバランスの取り方、脚の使い方は参考にできます。それぞれのスポーツについて様々情報はある訳で、正しい正しくないはあったとしても、見比べれば必ず共通点があり、自分の知識を増やすことに役立ちます。


4)日常生活のこと - 自分が無意識に行う動作さえ参考にできます。重い荷物を持ち上げる際やドアを開ける際に自分がどうしているか考えてみます。人はジャンプする直前、瞬間的に姿勢を低くし膝を曲げます。関節を曲げ関係する筋肉を伸ばすことで瞬間的に大きな力を発生しやすいことを意識せず理解しているからです。テニスでは予測が必須ですが、人は前方の点滅する横断歩道を渡るべきかどうか、交差点の各信号の状況や車の行き来を見ながらタイミングを予測できます。考えてみないと気づきませんが、日常生活で行っている様々な事柄は正しい体の使い方そのものなのでそのままテニスに応用できます。


上で挙げてない「プロ選手のプレイや練習風景を動画で見る、上手い人のプレイを見るということも大事では?」と思うでしょうが、それらが意味を成すには自分に知識が必要です。その意味を理解するための知識がないまま見るだけではマネしかできません。模倣も学習の手段ですが端的に言えば「形態模写」であり上達には遠回りすぎます。

また、知識を得ると言っても "特定の理論や考え方に縛られる" のも問題があります。著書を読んで分かりやすかった、有名な選手やコーチだから、世間での常識だからなど、特定の情報にしか目を向けない方がいます。また、自分の方が上手いからと初心者が言う感想に耳を傾けない方、自分の理論が絶対で他人の話を頭から否定する人もいます。知識は幅広さがないと様々な視点から考えることができません。そんな姿勢で視野の狭い方が本当の意味で上達を得られる筈もありません。

まとまって知識を得ることが難しいと書きましたが、昔と違って海外の様々な最新情報がその日の内に手にすることができます。自分が目を向けさえすればインターネットで得られる情報量や内容の重要性は身の回りで見聞きするものをはるかに凌駕します。海外の情報は英語などの外国語ですが、自分が興味のある分野に関することですから上達

 

したい気持ちが強いなら言葉は大きな障害ではないと思います。テニスに関する説明だから分かりやすいと思います。少なくともインターネットで使われる言語の97%は日本語以外(26%は英語)ですからもったいないです。

日本におけるテニスの指導は、長い間国内で蓄積された情報と、海外から誰かが翻訳して伝えた情報及びその伝聞が大きいと思っています。テニスを上達させたいと思う殆どの人が海外でどういった指導をしているのか知ろうとはせず、「海外ではこうやっているらしい」という伝聞を聞くのみです。翻訳と伝聞の過程で私見が入り情報は変わり、伝わるにも時間がかかります。テニスにおいても日本は "ガラパゴス" です。本当の意味で最新のメソッド(改善のための方法)を知りたければ、直接情報を探しに行くのが正しいはずです。関係するかわかりませんが、世界を目指すジュニアは早い段階で海外の拠点を目指しますね。海外の状況を知っている訳ではなくても日本に居てもダメだと感覚的に分かっているのだと思います。

「テニスの上達するために英語も覚えないとダメなの?」と思うかもしれませんが、「好きこそものの上手なれ」で、自分の関心があるテニスを上達するために一緒に英語も上達するのは一石二鳥だと思います。今でも、日本に居る限り英語を必要とするケースは殆どありませんが、規制緩和もあり観光客ではなく日本在住の外国人が圧倒的に増大する可能性もあります。オリンピックを機会にとか言っている場合でもなく、英語を使って最新の情報を得るメリットは大きいです。

元の話からだいぶそれてしまいましたが、正しい体の使い方を理解することで上達が図れる。ただ、それを日本に居てテニスの中で学ぶのは難しい。自分で積極的に知識を蓄積する取り組みをすべき。それには海外の情報も得るのが有用だということです。