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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

今後のテニス環境、テニスとIT技術、IoT、AI、VR/AR とか (テニス)

テニス

テニス自体とは関係ないないのですが、国内でもバボラのPOPが発売されるようなのでテニスとIT関連技術の今後の関わり方についての個人的な考えを書いてみたいと思います。といっても想像でもなんでもなくて既に実現されていることとと、他の業界で実現されてようとしている事がテニス業界にも応用できるだろうという程度の話です。


テニスセンサー(POPやSONYのスマートセンサー)について書いたことがあります。

lond.hateblo.jp

要は、ラケットに取り付けたり、体に取り付けたりするタイプのセンサーを使い速度や動いた回数を計測できても一般プレイヤーにとってはそれをプレイのレベルアップに反映させる術がないし、メーカーも解決方法を提供はしない。現状では、"ウェラブル端末やスマホでジョギングした時間、速度、消費カロリー等を計算できるといった利用以下" の使い方しかできないということです。


個人的に思う今後で実現されそうなことの1つは "テニスコートへのIT技術の導入" です。

以前にも紹介した PlaySight というシステムがあります。

www.thetennisdaily.jp

ゴルフ等でもミサイル技術を応用したボールの飛びや弾道を計測するレーダ機器がありますが、こちらはコートに設置されたカメラからの情報を基にプレイヤーの動きや飛び交うボールの情報を収取、分析するシステムです。コート上に設置したキオスク端末でも参照可能ですし、サイトで情報を管理できるのでスマホやタブレットのアプリからでも利用できます。

http://www.tennisworld.net.au/wp-content/uploads/2016/04/playsight.png  https://cascade.madmimi.com/promotion_images/0832/5403/original/PlaySight_SmartCourt_interactive_kiosk.png?1474389928

海外のYouTube動画ではよく見かけるテニスボールマシン(球出し機)も日本で見かけることはほぼありません。(個人用のトスマシン位)  コートを施工する、機材を作る会社はあってもこのようなシステムを日本メーカーが開発するのは期待薄です。

恐らく、野球は大学含め様々な所が研究しているでしょうがそれがシステムとして販売されることはかなり難しいです。(球団専用に開発して数億とかがせいぜいでしょうか) それがテニスで使えるよう研究、改良されるかと言えば予算を考えればほぼ100%無理です。Play Sightがビジネスになっているのは最初から世界中で導入されるよう取り組んでいるためで導入1万ドル、月間利用料800ドルを得るビジネスモデルです。

youtu.be

IoTという意味で言えば、テニスボール自体にセンサーを埋め込む事はここ数年で実現すると思っています。試合で使われる公式球は分かりませんが、練習球ならクリアすべき条件はぐっと低くなるはずです。試合球にも使われるようになれば、現状のカメラによる判定でミリ単位の精度が怪しくもあるホークアイによるチャレンジシステムがバージョンアップするかもしれません。

センサーの埋め込みにより、ボールの回転量、ボールの変形に関するデータ、速度、温度や湿度による条件の違い等、様々情報が収集できるようになります。コートサーフェスにもセンサーを埋め込むことができれば情報の精度も更に高まります。


センサーやカメラでいくら情報を収集し、分析して見せてくれても一般プレイヤーに取ってそれをどう上達に活かせばいいのか分からないのは変わりません。その役割がコーチではあるのですが、コーチも人それぞれ、指導方法や知識、人として合う合わないもあります。

IBMのWatsonのような対話型のAI技術が、膨大な蓄積データを自動的に分類、分析し、傾向を提示し、過去の改善データを基に取り組むべき内容をプレイヤー毎に提示してくれるようになったら、テニスの上達という面では大きな改善が見込めます。

youtu.be

本来は現状の人が教える形のコーチングでも蓄積した情報を共有し指導に反映できれば教える人依存しない指導ができると思いますが、色々な制約があり難しいのが現状だと思います。(そういう状況だからこそ今の教え方が必要となっている訳ですが。)



コートの話で言えば、統合管理型のテニスコートは十分実現可能です。

1)コートへのLED埋め込み
LEDを埋め込むことができればコートサーフェスの色を変えられ、不要な時はラインを消すことができ、地面に動く広告を流すこともできます。テニス専用となってしまうテニスコートの利用の幅が広がります。

2)周囲の壁面へのLED埋め込み、単焦点プロジェクター使用
コート周囲の壁面にLEDを埋め込むか、単焦点型のプロジェクターを設置すれば、最近のグランドスラム大会で見られるように試合中に動く広告を流すことができます。時間帯や用途によって壁の色を変えることもできます。

3)気象条件の自動管理
照明や気温、湿度等の条件を一括管理できようにすれば、例えば気温40度のコート、標高2000m級の高地コート、雨や霧の中でのプレイ等が体験できます。仮に全豪サーフェス、全仏のクレーで、気温や気象条件を調整した中で練習できれば事前練習にはぴったりなはずです。

4)照明の自由度
既に一部LED化されたコート照明もあるでしょうが、テニスコートと考えれば固定で設計した状態のままにせざるを得ないと思います。天井や周囲のLED等をうまく使えれば様々な照明を作ることができるようになり、不要な照明は自動的に暗くする等もできる気がします。(ここは専門外なので不確かですが)

現状、実現しようとするとあちこちの業者に相談しないと難しいですが、パッケージで提案可能な所はあると思います。


観戦や体験という意味でも変化が生じると思います。

去年位からウェラブルカメラを装着した選手がボールを打ち合う映像がYouTubeで流されたりしてますが、カメラがブレすぎて見ていてもよく分からないと思います。これは、ウェラブルカメラに手ブレ防止機能が搭載されていないのが大きいですが、人が目でみた風景とカメラで取った映像では迫力が違うと感じるように、人目線でボールの打ち合いを撮るというのは映像ソース的に再現が難しいと思います。

想像ながら、選手が打ち合っているボールを複数台のカメラで撮り、映像分析をした上で、VRかARのウェラブルデバイス (頭を被うモニタみたいなやつ)にコートの映像を写し、そこにボールを合成するのが妥当だろうと思います。全てCGで作ってしまうとデータは本物でも作り物になってしまうのでゲーム映像のようになってしまいますから。

また、試合会場の観戦、もしくは中継を見る場合でも、メガネ型のウェラブルデバイスを手元のスマホと接続して見ると、アプリがデータを受信し、選手の情報やリプレイ映像が目の前のメガネ型のモニタに表示されるようになると思います。日本ハムファイターズが試合観戦者向けにウェラブルデバイスを貸し出して見てもらう同様の取り組みをしていると聞きますが、それがより汎用的且つ手軽になる感じでしょうか。

テニスにかぎらず、スポーツ中継に力を入れている配信元はこのような取り組みを導入してくると思います。(日本のテレビ局には難しいです。デバイスが普及すれば利用できる仕組みは作るでしょうが、見ていておもしろいと思える環境は作ってくれないと思います。その辺がTV局の限界かも。)


指導も変わるとおもいます。

現状、テニススクールを含め受けられる一般的な指導は、過去20年位、基本的なやり方は変わってないように思います。教えるノウハウは人(コーチ)依存、コーチが変わっても一定のレベルを保つために、指導方法をマニュアル化し、それを守る形で運営されていると思います。効率を考えればそれが悪い訳ではないのですが、ここ20年のテニスの進化を考えれば、指導内容は大きく変わっていてしかるべきだと思っています。

カメラを導入して撮影する、スマホやタブレットで撮影してフォームを確認するといった取り組みは、現状のコーチの役割ありきでしかありません。撮影データをどう分析し生徒に伝えるかはコーチ次第だからですね。

仮にカメラやIoT機器で様々なデータが取れ、何十万という人のデータが同じように蓄積され、コンピュータが自動的に分類、分析し、傾向を提示し、過去の改善データを基に取り組むべき内容を提示してくれるようになったら、現状のスクールにおけるコーチの役割は、「完全にボールを打ち合う相手」でしかなくなってしまうかもとも思います。現状のスクールは「教わる所」ではなく「ボールを打つ機会を提供する所」だと言われます。指導という機能が低下したらボールを打つ技術だけになってしまいますね。


日本にボールマシンが普及していないと書きましたが、ロボットがボールを打つ相手をしてくれるようになればコーチに打ち合ってもらう必要すらなくなります。

半面のコートにプレイヤーが立ち、移動式もしくは固定式のピッチングマシーンのような機械が設定条件に従ったボールを延々打ってくれるイメージです。球出しよろしく、同じ位置で同じボールを打っても技術は向上しないので、1球毎に位置や球種、速度を変えるインテリジェンスな機械が必要でしょうが、TVに出る卓球をするロボットのように1台のマシンが動き回って返球する、球出しするということではなく、複数台のマシンで分担し、可動式のノズルから打ち出す感じでしょうか。練習であれば十分で米国辺りのITが強い大学が研究すれば実現する可能性はあると思います。

WIREDさんの記事ですが、記事を読むと海外では色んなスタートアップが取り組みをしているのが分かります。(国内はあっても記事にならないから表に出てこない)

wired.jp

先日も野球向けでアプリがリリースされましたが、チーム内の連絡と調整、対戦相手を見つけてスケジュールまでしてくれるサービスは、草トーナメントやチーム戦の多いテニスでも有用だと思いますね。国内には沢山のテニス協会がありますが未だに個人のホームペーじで運用されていたり、MSのクラウドディスクでファイルをまんま公開していたり、未だにトップページに来訪者カウンタがあったりします。。

SNSとの連携や、選手の過去のデータが蓄積されていてお互いにそのデータを見られるのも面白そうです。


日本でスクールに通っているとその環境が全てですし、周りでテニスをしている限り、衝撃を受けるような何か(テニスの上手い下手ではなく)に触れることはないのですが、少し考えただけでもこれだけの環境の変化が起こり得る状況にあると思います。

テニスの道具である、ラケット、ガット等も正直20年程前からほぼ変わっていません。新製品が発表されても打感の違い以外の特徴がない状態です。それをカバーするためのセンサー機器ではありますが、むしろ道具よりもプレイヤーを上達させるという環境の方がよほど伸びしろがある状態だと思います。

日本のテニス人口は350万人程度で推移と安定しているものの、ビジネスとして考えるとお金とどう取るか考えるのが難しいです。プレイしている人は大勢居ても、試合を見に行く人は少ないし、お金を払ってTV中継を見る人も多くはありません。テニスと同様の問題を抱えるのがゴルフ市場であり、10年でプレイ人口が40%減った(1340万->800万。800万5年前)ゴルフは学生がゴルフをする機会がないのが若者離れの原因だとか、プロの取り組みに責任があるといった責任のなすり合いをしているようです。テニス人口が急激に減ることはないでしょうが、錦織選手の活躍をブームだ、機会だと考えているのはゴルフ業界の考え方と変わらず、明日は我が身という気がします。

IT技術を用いることで、現状、上達に苦労している人が比較的順調に上達してしまったら教える商売も上がったりでしょうが、少なくとも現状よりも環境のよいテニスコートでプレイできることはテニスが好きな人にとっては良いことだろうと思います。