lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

長尺ラケットの意味とは? (テニス)

標準的なラケットの長さは27インチですね。ルール上は29インチまで使えるようですが、ラケットによっては27.25インチ、27.5インチといった長さのものもあります。

長尺ラケットにすると何か違いがあるのかと言えば、同じ製品で長さの違いを比較したことがない (0.25インチ、0.5インチ長いラケットはそれぞれ打ったことはある) のですが、多分に "精神的な部分が大きいだろう" と思っています。

今はメーカーも全長が長い事を積極的にアピールしていません。新素材や新製法、新機構等と違いその効果を言葉で説明できないためでしょうがスペック表で違いが分かる程度です。例えば、新しいラケットを発売する際にこれといった特徴(宣伝文句)が足りない場合に「じゃあ、ちょっと長い仕様にしてみますか」みたいなノリにも見えます。

昔はプリンスなどが「長尺ラケットはサーブの威力が増す」のような宣伝をしていたと思います。(広告宣伝の文言には含めなくてもマーケティングの過程では言っていた気がする) また、バボラは同じラケットで「+」が付いた27.5インチ版があったりしました。


確認しますが「0.5インチ」とは「1.27cm」です。


一般的なラケットで1.27cmはこの位の違いです。

f:id:a-londenion:20161202020006j:plain

このバボラのラケットで言うとグリップエンドの膨らんだ部分位の厚みですね。他の例で言えばシャープペンやマッキー極細、消しゴムの厚みが大体1cm位です。
 

正直、一般的な27インチのラケットでも、"長く持つ、短く持つ" と言った違い以前に、"その人の握り方" によりこれ以上の違いが発生するのは容易に想像できると思います。

f:id:a-londenion:20151230130642j:plain


少し数字で確認してみます。

円周を求める公式は「直径 x 円周率」ですから、単純にラケットの長さだけで考えると、ラケットが0.5インチ(1.27cm)長くなる事で生じる円周の違い(ラケットが動く距離の違い)は、

27.5インチ(69.85cm) x 3.14 - 27インチ(68.58) x 3.14 =  3.9878cm    となります。

ラケットがグリップ側を軸にグルッと1回転しても "4cm弱" の違いしかありません。

テイクバックからインパクトまでを円の角度で言えば1/4といった所なので違いは約1cm弱 (0.99695cm)となります。すごく適当ですがその移動に要する時間をどちらも0.1秒だとすれば、

「速さ = 距離 ÷ 時間」から、27インチと27.5インチのラケット先端の速度差は、

1cm x 0.1秒 x 36,000 = 3,600cm/h (時速 0.036km) といった所です。

もう誤差としか言えない位の違いしかないですね。

 

以前に "ラケット面のサイズが違うとどの程度の差が生じるのか" を数字で確認した事がありました。

lond.hateblo.jp


その際と結論的には同じですが、0.5インチの長さの違いに実質的な意味での効果はなく、

1) 昔のプリンスグラファイト辺りの「長尺 = パワーが出る」というイメージを "長くテニスやっている人達" を中心に未だに引きずっている。

2)メーカーは積極的にうたわないが、"初心者用、上級者用" といったうたい文句と同じく、雑誌レビューや販売店などの宣伝における "キーワード" として使われている。

3)バボラのように同じラケットで27インチ版、27.5インチ版と併売するケースがなく、27.25インチ、27.5インチといった設定がされたラケット自体がパワーがある、もしくはトップヘビーで遠心力を感じやすいため、そういった感想を持ちやすい。

などが "長尺ラケットに対するイメージ" を作っている要因かなと思っています。

なお、最後のラケットバランスについてですが、手に持つラケットの重心位置がどの部分にあるかということで、これは回転半径の話と同じく半径が長くなり中心軸から遠くなるほど加速させるのに大きなパワーが必要だが加速してしまえば大きな運動エネルギーを発生するということになると思います。ただし「遠心力は加速には関係ない」との認識は必要です。(加速させているのは誰でもない自分自身) 

ただし、今回の長尺ラケットの話と同じで、重心が1cm、2cmヘッド側に動いただけで「ヘッドが走る」「パワーが増す」(つまりスイング速度が上がる) といった変化が生まれるとは思えません。

これらも多分に "人が感じる感覚面の話" で、 "物理的な効果" より "人がどう感じるか""扱いやすい or 扱いにくい" といった点だと考えれば理解はできます。