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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

現代的なフォアハンドはグリップが厚いのか? (テニス)

現代的なと書きましたが、要は「ボールにスピードやスピンを伝えるのに厚いグリップが必須か?」ということです。


私が初めてテニスをやった20年前はトップスピンのストロークが一般の人にも流行りだした頃で、ラケットやガットの進化もあり、テニスをやる多くの人が「ただただスピンをかける」ことに夢中になっていました。(何かにひたすら回転をかけて喜ぶ子どもようでした。)

「ワイパースイング」が特徴的だったアランチャ・サンチェス・ビカリオ選手


それまでの打ち方はウッドラケットから始まるコンチネンタルやイースタン等の薄いグリップでボールを押し出すように打っていたので、スピンを打つためにはどうすればいいかという話の中でグリップは厚い方がボールに力を伝えやすい、スピンもかけやすいという話が「常識」とされました。

そこから時代が流れて、テニスにおいても「運動学などの学問的に研究する取り組み」が進み、フォアハンドを打つ際の体の使い方がが様々見直されてきました。道具についても、現在のラケットの基準ともなっているピュアドライブが発売されたのが1994年(国内発売が1999年)、ポリガットが一般化したのもここ15年程だと思います。

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「現代的なフォアハンド」と言われるのは、正面を向いた構えの姿勢から、スタンスは変えず上体だけを捻った状態がテイバックの位置(オープンスタンス)、体や腕に力を入れずリラックスした状態のまま、状態の捻りを戻し体を正面に向けるのに合わせてラケットを引き、体や腕に追従したラケットが加速しボールを捉えるといったものです。

厚いグリップがスピンに向いていると言われたのは約20年前です。その頃は、運動学的の研究に基づくアプローチはまだ一般的ではなく、打ち方は従来通りでグリップだけを厚くしてみたり、プロが打っているフォームをそのまま「マネしていた」ような状態でした。

テニスを教わる際はまず「横向きのテイバック」からボールを押し出すように打つよう教わります。

昔と違いグリップはセミウエスタンが基準とも言われますが「基本的な教え方は20年以上前から変わらない」気がします。もちろん初めて間もない段階からスピンをかけるよう指導され「横向きのテイバックからやや厚いグリップでスピンをかけて打つ」打ち方が標準となっていますが、自身で上達するにつれ、より力が入りやすいから、もしくは周りから厚いグリップの方がいいという話を聞いて、より厚いグリップに変えていく感じでしょうか。つまり殆どの人が「横向きのテイバックで教わりグリップを厚くしていっている」流れで、それは現代的と言われる打ち方は違います。(つまり教わる機会がない。)

例にあげてもわかりづらいかもしれませんが、ジョコビッチ選手、マレー選手のグリップはかなり厚いです。(ウエスタン位でしょうか) 一方、フェデラー選手、デルポトロ選手、ディミトロフ選手のグリップはかなり薄いです。スピンの代名詞のように言われるナダル選手はウエスタン相当のグリップですらなくフェデラー選手達よりもやや厚いセミウエスタン位です。

これらのことが何を表しているかと言うと「グリップの違いがボールの威力やスピン量に反映される訳ではない」ということです。

グリップの違いで生じるのは「打点位置の前後差」です。

薄いグリップから厚いグリップに変わる程、ボールを打ち出す角度に対しラケット面をボールの真後ろから90度に当てられる位置(インパクト位置)が前に移動していきます。

グリップの違いで打点の位置が変わることを「力が入りやすい位置」と表現しますが、力の入れやすさは個人差(筋力差や感覚)があるため、個人的にはこの「打ち出し角度(仮に地面と水平)に対し90度でラケット面を当てられる」位置を基準にした方が分かりやすいと思います。(前後すれば自然と面が下をむく or 上を向く)

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グリップが薄い程打点は手前、厚い程前に移動しますがグリップの厚さが変わったからといってボールを打つ際の体の使い方が変わるわけではないということです。考えてみてほしいのが、コンチネンタルを0としてウエスタンを100とするなら、0から100の間のどの厚さから打ち方、体の使い方が変わるでしょうか。そんな境目ははありませんね。また、一様にセミウエスタンと呼んでいるグリップでも実際は人によって握り方は様々で便宜上呼称を付け読んでいるだけです。日本人は教わる項目がきちんと決まっていないと不満に感じるますが、グリップを数種類に当てはめてしまうマイナス面は大きいです。(フラット、スライス、スピンとサーブを分けるのも同様)


「従来からの横向きのテイバックで打つ打ち方と、現代的と言われるオープン系のスタンスから体を捻って打つ打ち方はそれぞれ違う打ち方である」これは事実です。ただ、これらの打ち方とグリップの厚さは連動しません。

現に横向きテイバックで多くの人が打ちますが、少数派ながらコンチネンタルやイースタンの人も居れば、ウエスタンよりも厚いグリップで打つ人もいます。両者で打ち方が全然違うと思うかもしれませんがインパクトの位置が違うことで打ち方を調整をしてるだけだと感じます。

逆に現代的なフォアハンドでも、ジョコビッチ選手のような厚いグリップで打つことも、フェデラー選手のように薄いグリップで打つこともできます。上記と同様に、インパクトの位置が異なることで、ラケットの使い方や振り抜き方にそれぞれ工夫が必要となります。フェデラー選手はテイバックからインパクトまでのラケットヘッドの動きを大事にしてボールにスピードと回転をかけていますし、ジョコビッチ選手はインパクトでボールに力を伝えることを重視したような打ち方と言える気がします。以前にも書きましたが打ち方としては後者の方がやりやすいです。因みに男子プロ選手でも全てが体を捻って打つ打ち方をしている訳ではなく、我々同様横向きのテイバックからボールを打つ選手も大勢います。前述のデルポトロ選手はそのように感じます。

今のグリップがしっくりこない、力が入りにくいと感じるから感覚面からグリップを厚くしてみようとチャレンジするのは構わないと思います。ただ、厚いグリップの方がボールに威力が出る、回転がかかるというのはかなり誤解があると思います。

ひとつオススメするのは「フォアハンドをコンチネンタル、或いはもっと薄いグリップで握り、そのグリップでボールを打ち、またトップスピンをかけてみること」です。薄いグリップでフォアハンドスライスを打つ人は稀に居ますがトップスピンを打ってみようと思う人は殆どいませんね。色んなグリップで色んな球種を打ってみる事で、各グリップに適した打点とボールを打つ方法を再認識することができ、スピン=厚いグリップという思い込みから解放される気がします。

また、ボールに威力が足りない、もっとスピードが出るはずと考えるAさんが行うべきは「グリップを厚くすること」ではなく「体の使い方を見直すこと」です。明らかに効果があると思います。前述の通り人から教わりテニスを始めた人の殆どが横向き型のテイバックを取ります。男子プロのような現代的なフォアハンドを打てるようになりたければ、そもそもの体の使い方が違うことを認識し、今の打ち方をどう変えるかではなく、一から両者の近いを踏まえて学ぶべきだろうと思います。

 

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