読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

サーブも体重移動で打つ? (テニス)

先日に引き続きサーブにおける「体重移動」を考えてみたいと思います。

前回はストロークにおいて「体重をボールにぶつけるように!」と抽象的イメージで語られる「体重移動」は、実際には「軸移動」「重心移動」の2つとして理解すべきで、基本と言われるスクエアスタンスなどの横向きテイクバックでは、体をネット方向に向けるため片方の足側へ軸移動が必要だが、オープンスタンスでは軸移動がなく、重心移動のみ行われると書きました。

lond.hateblo.jp

 

フェリチアーノ・ロペス選手のサービス練習動画

youtu.be


見て分かる通り、トスを上げて打ち終わるまでフェリチアーノ・ロペス選手の頭の位置がほぼ動いてないのが分かると思います。

練習だからかフェリチアーノ・ロペス選手が両足を揃えないプラットフォームスタンスで打っている (本来は足を揃えて打つ) こともありますが、ごく軽く打っているだけなのに軽く140km/h位は出ていそうなのは体の使い方が理にかなっているからです。ロペス選手の頭の位置が動かないのは、前方向への軸移動ではなくオープンスタンスでボールを打つのと同様に軸を中心とした回転運動(両肩を軸と90度の角度で回転させる)でサーブを打っているからです。

サーブというと腕を伸ばしてまっすぐ前方向に振るイメージが強いでしょうが、本来は右手と左手でバランスを取りつつ、肘の位置と角度を保ったまま、上体(両肩)を体の中心軸と90度方向に回転させながら腕を振るのが正しい体の使い方だと思います。

フェデラー選手のサーブ練習

youtu.be

序盤はヒザを曲げずジャンプしないで打っているので両肩がローテーションしているのがよく分かります。

マレー選手のサーブ

youtu.be

個人的に両肩のローテーションがレペス選手同様に顕著だと思うのがマレー選手です。身長が高いため打点も高いのですが無理に高く取るというより両肩をしっかり回転させながら打っています。マレー選手のスライスサーブ、スピンサーブは他選手よりよく曲がる軌道で飛んで行きますが、これは体がうまく使えてスイングスピードが速いためだと思います。

※何度か書いていますが、計算上、身長2mの人が無回転のサーブを打つならネット中央の最も低い部分のネット上「ボール1個分の空間」を必ず通さないといけません。つまり全てのサーブは回転をかける必要があり、一般の人がジャンプして「打点を高く」する意味はないです。サーブでジャンプするのはラケットを振り上げてボールに回転をかけるのを「補助する役割だけ」です。体をきちんと使ってラケットを振れない人が一生懸命ジャンプするのは頭(視線)がブレてボールを捉えにくくするだけです。

ダルビッシュ選手の投球フォーム

youtu.be

両手の動きでバランスを取る所、肩の回転や体の軸を保つイメージなどがサーブ動作とピッチングは共通しています。ボールを投げるまでに両肩が水平方向に回転していますね。

よくピッチャーも片足を上げてから足を付くまで「体重移動」していると言われますが、実際は左足をついて以降は上体も頭の位置もボールをリリースまではほぼ動きません。つまり、スクエアスタンスの横向きのテイバック同様に「腕を強く振るために体を左足側に寄せ、左足側に重心が移った時点で、左足側を軸に体を正面に向け腕を振っている」と言えると思います。移動した体重(重心)が左足より前に更に移ることはないし、左足に軸が移った時点で体重(重心)の移動は止まってしまうので体重移動がボールを飛ばすエネルギーに直接影響を与えることも考えにくいです。

ちなみに、キャッチャーは両膝をついた状態でセカンドまでボールを投げられますし、野手同士がキャッチボールをしている様子を見れば体(頭)の位置は動かさず腕の動きだけで投げている感じでも十分スピードがでます。

youtu.be


下半身から腕までを使って全身運動としてボールを投げる (ラケットでボールを打つ)ことは大事ですが、「腕の機能と腕をうまく動かす使い方を学ぶ」ことで、上半身だけまたは腕だけでも強く腕を振ることができるとということです。全身運動はそれらの各機能の組み合わせや連動です。正しく体の機能を使えているので仮に腕だけでボールを打ったとしてもそれはよく言われる「手打ち」とは全く別物だし、実際に目で見ても手打ちだとは感じないでしょう。

※手打ちについて
テニスにおいて「あの人は手打ちだ」と言うケースは非常に多いですが、実際にその人にアドバイスして修正させることは容易ではありません。皆で色々アドバイスしても改善しないことが殆どだろうと思います。人は事象と知識との結びつきを伴わない場合、目で見た内容をそのまま口にするので、「◯◯の角度が低い」「◯◯の際に肘が下がってる」と言うでしょう。角度を直させ、肘を上げさせますが、手打ちとなる原因を理解させているわけではないので直るはずもありません。「手打ち」が起きる理由の多くは「体の使い方が理解できていないこと」から起きると思っています。プロ選手がふいに腕の動きだけでボールを打った場合でも今のは「手打ちだ」と感じないのはそのためです。長くテニスをやっている人でも体の仕組みや正しい体の使い方を教わったことがない人、知識が不足している人は大勢居ます。逆にこれらの知識を持っていて説明、指導できる方がアドバイスをすれば簡単に改善されたりします。魔法のコーチングでもなんでもなく、人が皆持っている基本的な体の機能なだけですから。

 

まとめると「体重移動」は古くからある伝聞を盲目的に重視する日本におけるテニス指導の代表的なものなのかなと思います。道具やテニスが進化しても、昔からある指導方法や常識と言われている事柄を見直すことに積極的ではないということです。打つボールが軽くなるからと体重移動を強調される指導者もおられるでしょうが、プロ選手や競技者の方でもなければ、正しい体の使い方をすることで腕はしっかり振れるし、軸を保てれば スイングスピードは落ちません。錦織選手のようにジャンプして空中で打っても、上の例のように腕だけでボールを打たないといけないような場合でもです。

体重移動は特定の打ち方において発生する「軸移動」と「重心の移動」であり、旧来から言われる「体重をぶつけて打つ」ようなものではないはずです。軸を正しく保ち、正しい体を使い、体の各部を連携させながら打てれば、皆がフォアハンドやサーブをしっかりと強く回転をかけて打つことができます。強くボールが打てないのは筋力や体格の問題以前に体を正しく使って自分の力(能力)を十分発揮できていないケースが多いと想像します。

 

テニススピードマスター [ 石井弘樹 ]

価格:1,404円
(2016/12/8 02:53時点)
感想(1件)

follow us in feedly