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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

スティーブ・ジョブズ 2015 (映画)

映画

映画「スティーブ・ジョブズ」がAmazonビデオで配信されていたので見ました。

https://www.uphe.com/sites/default/files/styles/scale__344w_/public/2016/02/SteveJobs_PosterArt-Awards.jpg?itok=Fvk-Rxpz

www.imdb.com


感想は、実によかったです。

同名の映画は2013年のものがありますが、あちらはジョブズがウォズとアップルコンピュータを立ち上げるまで、ジョブズがアップルを追われる時、ジョブズがアップルに復帰した後が時系列的に描かれています。

一方、こちらは、Macintoshの発表会、NeXTの発表会、iMacの発表会のリハーサル会場が舞台になっていて、会場に関係者が現れ、ジョブズと話す中で過去の出来事が思い出のように挿入される構成になっています。

ジョブズの生涯を描く伝記的映画という意味では2013年の作品の作りの方が正しいのでしょうが、これまで記事や小説等でさんざん読んでいて目新しさもないし、劇的な人生も各年代にフォーカスしてしまうと出来事を示すのが精一杯でそこにストーリー性を加えるのは上映時間からすれば難しいのは当然です。結果見ていて退屈に感じます。

2015年の作品の方は言わばシチュエーションコメディや舞台のようなもので、ジョブズが部下や仲間に散々ひどい言いようをする中で、周囲とやり取りや単なる傲慢さではなくジョブズらしさを表そうとしているし、年代を経て3つの発表会毎にジョブズが徐々に変化しているのも感じます。途中差し込まれる年代毎の主な出来事も短く印象的に挿入してあるのでダラダラと出来事を追っている印象も全くありません。

ジョブズの娘さんであるLISAとのやりとりが各会場毎に行われますが当初自身が父親であるということを拒んでいてジョブズが父親らしくはないが彼なりの傲慢さの中で父親としての役割を果たそうとしている姿がとてもステキです。

iMacの発表会前にLISAと喧嘩になり、二人の話がまとまらない感じで会場を後にしようとするLISAにジョブズがかける言葉が印象的でした。一つはMacintoshの発表会の時は否定していたがやはりアップルLisaは彼女の名前を付けたということですが、もう一つの言葉がよかった。LISAはNeXTの発表会の時から使っているカセットタイプのウォークマンを大学生になったiMacの発表会の時も肩からかけているのですが、それを見たジョブズが「そのウォークマンは以前から気になってた。代わりにポケットに1,000曲入るようにしてやる」と言います。iPodを作るきっかけは娘であるLISAに父親としてプレゼントしたいという事だったという訳です。実際は違うのかもしれませんが1,000曲を持ち歩けるようにするというアイデアは本当でしょうからいい設定だと思いました。

最初から最後までジョブズが怒ってばかりですが、対立したり喧嘩したりな周囲の人達も最終的にはジョブズの事を認めている形でそのやりとりがジョブズの人生を説明、表現するのに役立っています。LISAのお母さんとは和解しないのでNeXTの発表会には登場しませんし、他にもジョブズの策略でアップルを追われた人など大勢居るでしょうがそういう人は出てこないです。(お話が混乱するだけですからね。)

スティーブ・ジョブズに魅力を感じていた人、小説を読んだ人も映画で見るならこの作品はいいと思います。Macintosh、NeXTやアップルで開発した色々な製品や技術があり、IT業界の難しい技術や用語はセリフとしては出てくるものの、有りがちに分かりやすい形で表現しようとはせず完全に小道具扱いです。セリフの中で自然と内容に触れられるので知識や製品に詳しくなくても一映画として楽しめるようになっているのもよい作り方だと思います。

私は通ってた大学の情報処理センターにあった「NeXT ワークステーション」を初めた見た時の「美しさ」が忘れられません。真っ黒な筐体とディスプレイ、キーボード、マウスのデザインとあのロゴ、ディスプレイにディスプレイポストスクリプトで表示されるアイコン類、全てがクールで美しかったです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/27/NeXTcube.jpg/1024px-NeXTcube.jpg https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/0a/NeXTstation.jpg http://i.gzn.jp/img/2006/04/03/nextstep/nextstep.png

 

youtu.be

ジョブズをカリスマ化、神格化する気持ちはありませんが、コンピュータを開発したと言われるアラン・チューリング同様、ジョブズが居なければ間違いなくパソコンやスマートフォンは今の形では存在しなかっただろうと思っています。