lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

WTA ファイナルズ シンガポール ハレプ vs キーズ (テニス)

日本で放送されなかったようで直接見られなかったWTAツアーの最終戦「WTA Finals Singapore」ですが、YouTubeで幾つかの動画が見られます。

たまたま見たシモナ・ハレプ選手対マディソン・キーズ選手選ですが、両者の特徴が出た試合になってました。(ハレプ選手は好きな選手です。)

ランキング的にはハレプ選手が4位、キーズ選手が8位で大きな実力差は無いように見えますが、ハレプ選手が小柄でパワーがない分、キーズ選手のようなパワー系の選手との対戦するための手札を色々と持っています。

youtu.be


ダイジェストなので両者の良いショットが続き、拮抗した試合のように見えますが、実際のスコアは6-2、6-4と割とハレプ選手が優勢に進めた試合でした。

キーズ選手はパワフルなフォアハンドを打ち込んできますが、両者のプレイにおける大きな違いは、ハレプ選手が予め打ってくる場所を予測し、ボールを打った後、相手が打ってくる範囲を見越した位置 (左右だけでなく、ベースラインから予め下がって長い距離を走ってもギリギリ追いつける場所) からボールを追い始めるのに対して、キーズ選手は「あの場所にボールを打つ」という意識が強く、ボールを打ち終わってから次をどうするか考えていると感じさせる点です。

ボールを打つ前後でずっとベースライン付近に留まるキーズ選手に対して、ハレプ選手は山なりのボールを深く打ってキーズ選手をベースラインから下げさせる、もしくは下がらない(下がれない)場合は十分でない体制でたびたび打たせています。

これらの工夫は、パワーが大きくない小柄なハレプ選手が大柄でパワーのある選手と戦うにあたり自分の特性を活かすために考えた方法だろうと思います。彼女は足が速いというより予測がいい分速く動きさせるので左右のフットワークが他選手よりはるかに動けます。フットワークは足の速さより予測だというよい例だと思います。

且つ、多くの場合、諦めずにボールに触ろうとします。ハレプ選手は取りにいけると考えている範囲が非常に広いので、キーズ選手が決めに来たボールもギリギリでラケットで触られ序盤からプレッシャーを感じ続けていたと思います。中盤からは緩いボールながらキーズ選手側のコートに返球されるようになり、厳しく攻めなくてはと表情にも焦りが見られ、ミスも多くなっています。

試合途中のアンフォースエラー数を見てもキーズ選手はハレプ選手の3倍近い数字だったと記憶しています。元々ミスを構わず強打するタイプのキーズ選手ですから、精神的に追い込まれより厳しく打つと思わせれば更にミスも増えます。自分から取るポイントも相手のミスも同じ1ポイントですからエースの少ないハレプ選手には自分のペースに引き込みやすくなります。

ハレプ選手がFinalsの予選で勝ったのはこの1勝だけで、優勝したチブルコワ選手、ケルバー選手には勝てなかったのですが、勝ったのが若いパワー系のキーズ選手で、ベテランとカウンター系の2人は負けたというのがハレプ選手のテニスを象徴している気がします。(ランキングは高いですが、2年前の好調時より研究されている点も大きいですね。大きな武器がない分、小さい工夫で勝つしかないですから。)

強い決められるボールがなくても、自分からミスをせず相手にプレッシャーをかけてミスをさせる、ボールに追いつくには足の速さよりも予測により如何に速くスムーズに動き出せるか、どちらも我々の参考にできる事柄だと思いました。