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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

厚い、薄いとは違うグリップの話 (テニス)

ラケットを握るグリップの厚さ

以前に「グリップは厚い方がいいのか」ということについて考えました。

 

lond.hateblo.jp


複数のトップ選手のグリップを比べてみると、グリップと腕の形(ストレートアーム、ダブルベント)に関連性があるという感じでした。

今回はこのグリップについてもう少し考えてみたいと思います。

 

「グリップの厚さ」とは違うグリップの表現方法

一般にテニスのグリップというと「グリップが薄い」「グリップが厚い」という表現をします。(コンチネンタルグリップ ~ ウエスタングリップなど)

http://www.howtoplaytennisvideos.com/wp-content/uploads/2013/07/tennis-grips-hand-guide.jpg


ただ、海外には手の中でラケットが接する角度により「ハンマーグリップ」「ピストルグリップ(ガングリップ)」という表し方もあります。

http://i47.tinypic.com/6nsbae.jpg


「ハンマーグリップ」
という名称は聞いたことがあるかもしれませんし「ピストルグリップ」というと人差し指を伸ばしてグリップにかけるような握り方の事を言うと思われるかもしれません。

いずれにしても手の中でラケットが接する角度については日本ではあまり話題に上がりませんね。グリップというと「厚い」「薄い」の話ばかりですが、この角度の話も重要な要素だろうと思います。

 

ハンマーグリップ

まず、ハンマーグリップについて見ていきます。

ウエスタングリップ以上にグリップが厚い選手は力が入る打点が前(ネット方向)に寄るので、体の前にあるラケットを後ろから腕で支える形のインパクトになりやすく、その際、ピストルグリップで握るには手首をかなり背屈(甲側に倒す)させないとラケット面をボールを打つ方向に維持できないので、自然とハンマーグリップ寄りの握り方になります。

フェレール選手

ハンマーグリップでラケット面を後ろから支える形になると、打点が前にある分、それ以上前には動かせないので、インパクト以降はその位置から右手のプロネーション(回内)と肘の内旋でラケットヘッド側を上に引き起こす動作が中心になります。(ラケット軌道で言うとボールにまっすぐ近づいていってインパクト前後で急激に上に持ち上げられる)

つまり、スイング時の手首の可動(背屈、掌屈)を積極的に使って打つ打ち方にはならないということです。(打ち方的にできないし、手首を動かさない打ち方の方が安定して打てる。手首が固定に近いということ。)

フェレール選手のストローク

youtu.be

フェレール選手もインパクト後はラケットヘッドを上方向に大きく引き上げていますね。この動きは昔よく言われた「肘の内旋を使う腕を巻き込むようなワイパースイング」にプロネーションの動作を加えた感じです。

 

ピストルグリップ

では、ピストルグリップで打つ場合はどうなるかというと、代表例で言えば、フェデラー選手やナダル選手らが当てはまると思います。

以前確認したようにフェデラー選手のグリップは薄めですし、ナダル選手もイメージ程グリップは厚くありません。(ジョコビット選手の方が厚い位です。)

ナダル選手のグリップ

この写真でもラケット面の向きを見ると、ウエスタングリップ(ラケットの真後ろから握る)よりも手首が若干上側にあるのが分かると思います。つまりウエスタングリップよりも握りが薄いということです。

グリップが厚くなく且つピストルグリップで握る選手の特徴としては、テイバックからフォロースルーまで手首の稼働を大きく使い、ラケットのヘッド側をより大きく動かすフォームだと思います。

フェデラー選手のフォアハンド

youtu.be

ナダル選手のフォアハンド

youtu.be


フェデラー選手もナダル選手もテイクバックからラケットを振り始める際、手首が甲側に倒れ、ラケットヘッド側がギュンと角度が付くのが分かると思います。

これは意図的に行っているわけではなく、脱力により手首や腕に力みがないので、振り始めで体の捻れが戻る際、グリップ側から引かれたラケットが「その場に留まろうとする慣性の法則」により手首が背屈し自然と角度が付くものです。

また、厚いグリップよりも力の入る打点が体寄りになるので、後ろからラケットを支えるというよりも、遅れてついてきたラケットヘッド側が手首(グリップ側)を追い越してさらに前に進んでいく(これも「動き続けようとする慣性の法則」)ことを手首の柔軟な稼働で邪魔しないことで、ラケットヘッドは更に前に進んでいき、(体)肩を中心とした円軌道の中でボールに力が伝わっていく形だと思います。

 

ハンマーグリップとピストルグリップの違い

ハンマーグリップが「前に押す力 + 引き起こす力」で打つとすれば、ピストルグリップは「振り始めからフォロースルーまでのラケットヘッドのトータルの動き」で打つ感じです。

ピストルグリップは打点が手前になる薄いグリップに向いているということで、昔で言えばコンチネンタルグリップ (ボレーのグリップもピストルグリップの方がラケットを操作しやすい) で使われていたと考えますが、ボールの打ち方の進化により、手首の可動域を積極的に使う「脱力」タイプのスイングで活きている感じです。

脱力で手首の可動域を大きく使う(ラケットヘッドを積極的に動かす)打ち方は、インパクトでラケット面を安定して作るのが難しいため、ハンマーグリップ型の打ち方の方がボールを打つ際に安定させられ打ちやすいと思います。

フェレール選手は特徴的な例ですが、ジョコビッチ選手はグリップが厚いながら両者の中間(ややハンマーグリップ寄りのスイング)という感じですし、マレー選手はフォアハンドハンドはほぼハンマーグリップですが、肘をうまく使ってラケットを引き起こすスピードを稼ぎ、ボールスピードを上げています。

ジョコビッチ選手のグリップ

 マレー選手のグリップ

それぞれ比較してきましたが、ありがちな「どちらがいいという話ではない」です。(現に各選手とも違いますからね)  

 

まとめ: グリップを特定の形に当てはめる、それが正しい正しくないと決める意味がない

単にグリップが厚い、薄いという違いだけでなく手のひらの中でのラケットの角度についても注意を払うべきで、それにより自分に向いているスイングの仕方や体の使い方が見えてくるということだろうと思います。また、厚いグリップでサーブやボレーを打つこともないでしょうから、これらとストロークで手の中の角度が違うということは普通にありえますね。ラケットの握り方はひとそれぞれで、よくない握り方があるのは事実でしょうが、同じセミウエスタングリップといっても握り方は実際ひとそれぞれ、人と自分の握り方が同じか、自分のグリップはセミウエスタングリップで合っているのか? (間違っていると嫌だ) と考えることに意味はないと思います。

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