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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

ウィリアムズ姉妹のサーブの違い (テニス)

ウィリアムズ姉妹と言えば、ふたりともサーブが武器で男子プロ顔負けのスピードを出していますが、お姉さんのヴィーナス選手が年齢が約2歳上とは言え、二人を比較した際、妹のセリーナ選手の方がスピードや威力がある印象だと思います。この傾向はセリーナ選手がデビューし2人でWTAツアーを廻るようになって以降は続いている気がします。筋力はセリーナ選手の方がありそうですが身長はヴィーナス選手の方が10cm高くこの差はどの辺りから起きているのかなと思いフォームを見比べてみました。(大きく速度が違うわけではないのでごく僅かの違いでしょうが。)

素人目に思うのが、ヴィーナス選手は高い打点でボールを打とうという意識が随所に見えることです。トスも高いし、振り上げた腕の位置も高く取ろうという意図が見えます。 

逆にセリーナ選手はトスもそれほど高くなくどちらかと言えばクイック気味、肩や腕を持ち上げて打点を高く取ろうという感じではありません。 

ただ、正直、この違いがそのままサービスの差に出ていると思います。


ビーナス選手のサーブ

youtu.be

ビーナス選手はインパクト前後で、体の軸を傾けてまで右肩を上げ左肩を下げる(右肩と左肩が地面と垂直近くまで)形を取ります。

打点を高くする意図を感じますが、野球のピッチャーがボールを投げる際、極端に体の軸を傾けて投げることがないように、このことで体の軸回転(肩を回す)を使って腕を振ることが難しくなり肩の上を背中側から胸側に腕が動くような動きになります。


ダルビッシュ投手のピッチングフォーム


また、打点を高く取る意識から、インパクト付近で「肩と腕が一直線」になっていて、且つ「肩より前ではなく頭の上」でボールを捉えています。

この「左肩を下げる代わりに右肩を上げる。インパクトで肩と腕が一直線にする」というのは打点を高くとるためにサーブの指導で時々聞く形ですが、優先すべきは「体の軸に対して肩を回して腕を振る動作」の方です。それができている上で、打ちやすさから、多少軸を傾けたり右肩を上げるのはありですが、右肩側を高く上げることを優先すると結果肩の回転が機能しづらくなるはずです。


一般の人なら尚更で「打点を高く取ってもサーブの確率は変わりません」。無理に打点を高く取ろうとして体がうまく使えずスイングスピードやボールに伝わる力が落ちてしまうのはとてももったいないです。


セリーナ選手のサーブ

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セリーナ選手の方はインパクト前後で体の軸が傾くことはなく、ジャンプした位置から着地する位置まで軸は地面と垂直に近く立てたままです。(片足で軽く一歩ステップインしたような姿勢)

腕が一直線に伸びていますが、この写真のセリーナ選手が「インパクトした後」な点を認識する必要があります。上のヴィーナス選手はトスが落ちてくる途中の「インパクト前」という違いがあります。

野球のピッチャーの腕が一直線に伸びるのはボールを離した後だという事で分かるように、トロフィーポーズから保ってきた肘の角度はインパクトを迎えるまでは伸ばしてはいけません。肘が伸びるラケット軌道の頂点より手前ででないと「ボールに回転をかける」ことも「ラケットを加速させる」こともできません。つまり、インパクト前に肘(腕)が伸びてしまうのはかなりマイナスです。

セリーナ選手も左肩を下げて右肩を上げる動作は見られますが、軸はキープしているため両肩が不自然に角度を付けた形にはなりません。ピッチャーの投球フォームに近い軸と腕の位置関係だと思います。 (無理がないフォーム、自然に見えるフォーム)

これらの違いは、ヴィーナス選手が「高い打点で打ちたい」という意識に対して、セリーナ選手は「できるだけリラックスして "楽に" 打ち続けたい」という意識があるのではないかと思います。結果、セリーナ選手の打ち方の方が「無理がなく自然な体の使い方ができ結果的にスイングスピードが出やすい」と想像します。

高さはリターン側に心理的圧迫を与える武器ではありますが、身長が10cm低くてもスイングスピードを上げてボールスピードや回転量を増やした方が意味があるという例になるのかなと思います。

セリーナ選手の方が筋力があるという点はもちろん関連するでしょうが、ヴィーナス選手の打ち方では同等の筋力があってもサーブのキレ(スピード以外の回転力や弾み方)は同等にはならないのではないでしょうか。

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