lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

個人的 片手バックハンドの感覚をつかむ練習とか (テニス)

以前、バックハンドは片手と両手どちらがいいという事について書きました。

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結論としては、片手の方がはるかに習得が難しく時間もかかる。教えられる人も見本も周りにいない。(コーチも両手を教えるノウハウの方が多い) 両手は自分でも試行錯誤できても片手はその入リ口(0から1に上がる)を超えることすら多くができない。双方の技術的な難しさの差以上に環境が整わないのが習得を難しくしていると書きました。

でも、私は片手バックに10年以上取り組んでいます。特に練習はしていませんが両手でも打てますし両手にしない理由も特にありません。最初に片手で始めた理由が好きな選手に憧れてだったのでその憧れが今も続いている感じです。

巷には片手バックの基本やコツのようなものが存在しますが、雑誌等の記載されるものを見ると私が最初にテニスをやった20年前とあまり変わらない気がしています。「横向きキープ」「体を開かないように左手は後方にしっかり残す」「肩甲骨を広げるようにスイング」など。でも、フォアハンドはこの20年間で大きく変わりましたし、片手バックのプロ選手を見ても打ち方はだいぶ変わってきているように感じます。その辺りは、片手バック自体は進化しているけれど「その打ち方や体の使い方をまとめて人に伝える過程」が進んでいないのかなとも思います。両手バックも同様な気もしますがユーザー数が多い分、片手バックのよりも現場レベルではマシなのかもしれません。

そこで、完全に個人的な考えながら、片手バックの最初の難関である「体の使い方」と「ボールを打つ感覚の掴み方」(上で書いた0から1の部分)はこういう方法がいいんじゃないかと思うことを少し考えてみようと思いました。と言っても、打ち方やコツではありません。ラケットをどう振るのがいいだろうかといったごく基本的な考え方です。


1)体の使い方
私は両手バックを全く習ったことはありませんが、両手も片手も体の使い方の基本部分は同じだろうと思ってます。両手バックは非利き手(仮に左手)のフォアハンドで打つ感覚と言われますが、テイバックから打点方向に導くのは「右手による引き」でそこは片手バックと共通すると思うからです。そこからインパクト直前にスイングの手動が「右手から左手へのスイッチ(切り替え)」が起こり、それ以降は「左手のフォアハンド」という感じでしょうか。

動画: Essential Tennis.comさんの両手バックハンド  パワーの秘密

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片手バックを説明するのに他のスポーツを例に上げるのは変かもしれませんが、手に棒状のものを持ってスイングしボールを打つという意味でゴルフのスイング、野球のバッティングにおける体の使い方を参考にしています。(両手打ちにも参考になります)

動画: ゴルフのスイング

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ゴルフでスイングの感覚を説明する際よく例で上がるのがこの「水平スイング」です。地面のボールを打つにあたり、直立姿勢のまま腕だけ下げてしまうと腕だけで打つことになります。体を捻る回転を使って打つには、この水平スイングの振り方を維持したまま腰から上の上半身を前傾させます。前傾させても上半身を軸とした回転でクラブを振れば軸の角度が変わっただけで水平スイングと同じ要領で力強く振れるという訳です。スイング中にクラブシャフトはしなるためテニスとはグリップの作り方やラケット面の向け方が異なりますが、体をひねったテイクバックから左手主導でクラブを引き始め、体の正面以降は両手の役割をスイッチし右手主導でヘッドを持ち上げていく体の使い方はテニスと共通します。(水平スイングは両手バックに近いと言えるかも。)

また、スイングの振り始めで腕を巻きつけるようにしてグリップを体に近く寄せ、インパクトでは体から遠くなっていくのはクラブを加速させるための基本的要素でこれは片手バックに共通します。(回転軸から近いほど移動距離が短いので加速させやすい。逆に回転軸から遠くなると移動距離が長くなる分、運動エネルギーが高くなる。)

体の使い方としては、水平スイングでクラブを振って戻す、振って戻すとブーン、ブーン左右に素振りするイメージしてもらうと強く振っても体の軸がブレないのがわかると思います。ゴルフはテニスより小さいボールを当たる面積の小さいクラブで打つので、スイング中に体の軸がブレたり頭が動いたりするだけで正確に当たりません。軸がブレないことはテニスでも大事です。


動画: 野球のスイング

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レッドソックスの4番、オルティーズ選手のスイングです。オルティーズ選手は振り始めからフォロースルーまで体の軸がブレない回転型のスイングです。(イチロー選手は軸が前に動いていくタイプ)  現代のMLBの4番はこの回転型が中心で、多くのホームランも打ち、且つ打率もトップレベルに高いです。理由は軸がブレないことでボールを正確に捉えることができ、回転型のスイングの方がスイングスピードが上がるから。体の後方に軸がありスイングが速いのでぎりぎりまでボールを引きつけて打てる利点もあると聞きました。

スイングで言えば、ゴルフ同様、右手主導でバットを引き、ヘッドが返る前に左手の役割をスイッチしていきます。振り始めで腕を曲げ、グリップが体に近い所から、打点まで伸びていくのもゴルフと同様です。バットは重いのでヘッド側を立てて構えないと楽に構えられませんし、体に近い所から腕の曲げ伸ばしで振り始めないとうまく加速させることができません。

後、野球のバッティングで注目する所は「スイング時の両足のスタンス」です。構えでは両足は並行に揃えることが多いですが、そのままではスイングする際に腰を回転させて体を正面に向けるのことが難しいため、スイングする際に右足を左足より少しだけ後方にズラした位置にステップして腰が回る分(腰1個分)のスペースを作ります。腰の回転に合わせて右ヒザとつま先はピッチャー方向を向きます

ピッチャーも同様ですね。横向きからホームベース方向を向く際、非利き手側の足は利き手がの足の延長線上ではなく、腰の幅分ズラして付き、ヒザと足先はホームベース方向に向きます。

オルティーズ選手はフォロースルーで左手を離しますが、仮に右手一本でもっと軽く短いバットを振ると考えれば、右足のスタンスや下半身の使い方、下半身に対し上半身が正面を向く形など、ワウリンカ選手の片手バックの体の使い方に似ていると思います。

バッティングもインパクト直前に右手から左手への切り替えがあり、左手のサポートがある分、体を回転させて右肩側を開いていけますが、片手バックは右肩を軸のみでラケット振るため、右肩を開きを押えないとラケットが打点からどんどんズレていくことになります。これが「スイング中に横向きキープ」と言われる理由です。ただ、バッティング同様に「ラケットを振るのに合わせて自然と腰は正面を向けていった方がスイングを加速させやすい」ため、それと右肩の開きを我慢する動きと連動させる感じかなと思います。ただし、腰を向けていく動作などを意識して行うと動きが不自然になります。この後書くラケットが遠心力を交えて動いていくのを邪魔しないようスイングできれば感覚がつかめるかなと思います。


2)ラケットの持ち方
グリップの厚さなどではありません。フォアハンドでも言われる「脱力」のことです。「脱力」とは力を抜くというより「力が入っているとラケットを加速される体の使い方がうまくラケットに伝わらない。腕の操作でラケットをボールに当てようとすると毎回スイングがブレて正確にボールに当たらない」ためです。ピッチャーがボールを投げる際、ボールは飛んでいってしまわない程度に軽く握りますし腕に力を込めて振ったりもしません。軽く投げるとスピードも出るしコントロール性も損なわれないからです。

片手バックにおいて「脱力」してスイングする意味も同じだと思います。片手バックはスイングスピードの速さが特徴です。両手バックは速いボールにも打ち負けにくいですが自分から打っていく際のスイングスピードが上げにくいです。片手バックでスイングスピードを上がられないならボールスピードも上がらず回転もかけられないためボールが安定しません。つまり「脱力」とは片手バックの大事な要素になっています。「体の使い方ができていない」「脱力ができていない」いずれもスイングスピード向上にはマイナスになります。

ただ、片手バックで(フォアもですが)脱力してスイングする方法はなかなか教わらないので導入時の感覚が分からないと思います。私がよい練習だと思うのが「3本の指でのスイング」です。

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以前も紹介させていただきましたが、みんラボさんの動画で解説されていた「親指、中指、薬指の3本で輪を作り、ラケットをその輪にひかけるようにしてスイングする」方法です。これを片手バックでやってみます。

ラケットを握らないので、ラケットヘッドを立て上体をひねるのに合わせて肘を曲げるようにしてテイバックし、ラケットは体に近い所から振り始めます。ラケットをスイングするというよりまずはラケットの重みとヘッド側にかかる遠心力を感じながら振ってみることが大事です。野球のバットを右手一本で短く持って振るイメージで腕には力を入れず、「ブーン、ブーン」と大きくゆっくり振ってみると言えばイメージが湧くでしょうか。

グリップを強く握らず遠心力を感じながら振ると「ラケットの軌道が安定して」振ることができます。これに、ゴルフやバッティングの例のようにうまく体の回転を加えていけば「スイング軌道は安定したままスイングスピードをどんどんあげる」ことが出来ます。

「遠心力はスイング軌道を安定させる役割ですがスイング加速には貢献しない」ので、「スイングを加速させる体の使い方」を加えて安定に加速を加えていくわけです。


途中何度か触れた「ラケットを振り始める際の腕の曲げ伸ばし」ですが、片手バックは「刀を抜くイメージだ」と言われたりします。ただ殆どの人(もちろん説明している人も)は刀を抜いたことがないでしょうから、代わりにフリスビー(フライングディスク)をバックハンドで投げる動作を例に上げます。

動画: フライングディスクを投げるデモンストレーション

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競技者の例なのでフォームがダイナミックですが、投げたことがある人なら体の近い所から肘の曲げ伸ばしで手を体から離していき加速させるイメージができるかなと思います。ディスクを離す位置は曲げた肘が伸びるあたりで、これが腕の最大加速の位置、つまりテニスでいうインパクトの位置と言えます。

個人的には振り始めからの加速はこういう腕の使い方がよいと思っています。スタンスと上体を横向きにキープしたままでは結局「腕の振り中心」になりますし、テイクバックで上体を捻っても腕の曲げ伸ばしもうまく使わないとラケットを加速させることが難しいです。体に近い所から遠い所(打点)に腕の曲げ伸ばしを使うと楽に振れるしラケットを加速させやすいと思います。従来型の片手バックハンドは振り始めで肘は伸びている感じで積極的に曲げ伸ばしは使わない印象です。最初からラケットを自然と加速させていけば体も自然とそれをフォローする方向で機能すると思います。腕を強く振る意識中心に加速させるよりも楽だし安定感があります。

フェデラー選手の片手バックハンド

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片手バックも選手によってフォームが違いますが、フェデラー選手はラケットを立てたテイクバックから、左手の誘導により体に近い位置までラケットを引き付け(インパクト面バックフェンスを向くほど)、曲げた肘を伸ばすことをきっかけにラケットを加速させていくフォームです。

ワウリンカ選手の片手バックハンド

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ワウリンカ選手も振り始めでラケットを体に近づけ、曲げた腕を伸ばすことを振り始めのラケット加速のきっかけにしていますが、フェデラー選手との違いは、野球のバッティングのように体の軸に対し右腰を回転させることを振り始めを誘導している点です。このためフェデラー選手よりもスイングがダイナミックになっています。

なお、スイング開始の際に肘を曲げてラケットを体に近づける動作はあくまで曲げた肘を伸ばすための準備動作ですので、引き付けることに意識を起きすぎると窮屈なスイングになります。

ディミトロフ選手の片手バックハンド

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ディミトロフ選手も振り始めでラケットを体に近づける打ち方なのですが、左手でぎゅっと瞬間的に引き付けるため、振り始めのフォームが窮屈に見えその影響かフォロースルーはすごく大きく取ります。ただ、肩を軸とした回転で打つことを考えると「テイクバックからの体の左側(後方)の動き」「インパクト前後以降から体の右側の動き」はバランスが取れていた方が安定感があると思っています。ディミトロフ選手は上2選手と比べると、ボールの軌道が安定させるのにかなり気を使ってスイングしている感じを受けます。要は少しバランスが悪く見えます。


まとめ:
簡単にと思いましたが色々書いていたら分かりづらくなったかもしれません。ポイントとしては「ラケットを強く握らず遠心力を感じる位に軽くゆっくり大きなスイングを繰り返し行うこと」で右肩を中心とした安定したスイングを確認し、これに「右足のスタンスと体の回転をスイングに追従させてラケットスピードを上げてやる」動きを足す。また、振り始めで「体に近い位置から肘の曲げ伸ばしで最初の加速を得る」動きを連携できるようになると、片手バックで安定したスイングとラケットを加速させる体の使い方の基本的な部分が感じられるのかなと思います。

まずは強く握らない状態(3本のグリップ)で右手一本でラケットを軽く大きく振ってみる練習が一番だと思います。

繰り返しになりますが、片手バックの基本として言われていることとはだいぶ違うので、その点は踏まえて「片手でラケットをしっかりと振る感覚を確認する」ための補助的なもの(素振り練習)と考えていただくといいのかなと思っています。