lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

自分に合うラケット、ガットを知りたい? (テニス)

テニスで頻繁に聞く質問が「自分に合うラケット(ガット)を知りたい」で、例えば「自分はベースライン付近で強く打ち合うタイプでスピンをたくさんかけるより速いタイミングでストロークを打ち合い、カウンター等でポイントを取ったりするのが好きです。どんなラケットがいいですか?」といった内容です。

永遠と繰り返される質問ですが個人的には「プロ選手が使っているラケットは何ですか?」「選手と同じ道具が使いたいのですが」と並ぶ意味のない質問だと思います。

少し極端かもしれませんが、全くの初心者の方とテニス上級者はあまりラケットやガットにはこだわらないと思います。(正確には後者はこれと決めたものしか使わない) また使えるなら何でもいいですという人もいますね。一方、ラケットがガットをあれこれ変える人は技術的に課題がある人が多いと思います。「道具を変えれば自分の打つボールはもっと良くなるはずだ」ということですが、正直、道具を変えるより技術を上げる方が何十倍も効果があります。でもそう言っても理解されないのも分かっています。彼らは言います。「そういうことじゃないんだよ」と。聞きたいのは自分が満足する回答や情報だけです。そのためこの不毛なやりとりだからこの質問が永遠になくならないのでしょう。

今回はテニスの道具について考えます。

まず、市販のラケットですが、製品によってものすごく違いがあるように感じますが、大前提として「全てのラケットが誰でも使える幅の中で設計」されているはずです。「初心者用」「上級者用」という言い方はお店や雑誌が勝手に特徴付けしているだけでどのメーカーはこういった言葉をまず使いません。(特に「初心者用」)

昔のような400g以上あるラケット、ストローク特化でボレーは全然コントロールできない、ボレーは最高だけどストロークやサーブが全然飛ばないといったラケットを作っても誰も買いませんからね。全ての市販のラケットは「不特定多数が使える最大公約数の仕様の幅の中」でしか作られていないはずです。

これは本当に重要なことで「全てのラケットが初心者から上級者、年齢、性別、プレイスタイル含め、誰でも使えるようにできている」ということです。

個人的に「あなたはテニスを初めて間もないからこのラケットは無理だよ」と言い切ってしまう人のアドバイスは信頼しづらいです。

時速300km/h以上出せる高級車やサーキットで走るような車は誰でも運転できるわけではないでしょうが、市販のラケットは自動車販売店で売られている車と同じです。軽自動車から大型車まで誰でも運転できる設計ですし、好みや目的に応じて選ぶと思います。20代男性なら絶対この車だなんてことはないし、親にもらった車に乗り始めて最初は嫌だったけど乗ってるうちに慣れちゃってこれじゃなきゃダメって感じになった。こんなことはよくあると思います。

ラケットもガットも最初から使いやすいということはあんまりなくて、最初はどこかしら使いづらい所があっても、人間の調整能力である「慣れ」で2週間も打っていれば違いに慣れてしまいます。逆に、慣れる事を考えず少し使ってみては「なんか違う」「これも違う」とつぎつぎ変えてしまう人はいつまで経っても自分に合う道具には巡り会えないし、最初に「これはいい」と思ったラケットでも使い続けていると最初の感覚は薄れ、たまたまミスが続いたり調子を落としてしまったりすると「道具があっていないからでは?」「道具を変えたのがよくなかったのでは?」と自分以外のものに原因を求めてしまいます。『道具を頻繁に変える人は道具への愛着も生まれず道具を信頼することができなくなる』これが道具を頻繁に変える方に特有の傾向ではないでしょうか。


また、ある程度の幅で設計されていて誰にでも使えるということは、どれを使っても極端には変わらないということです。(プロが使う専用に設計開発された道具とは違います。) 因みに、道具を変えてもスピンの回転量は5%も増えないと思いますが、技術を上げれば20%上げることも可能です。だから道具を変えてあれこれ時間を費やしている間に練習するなどして技術を上げるべきです。


そもそも毎年「スピンがかかるラケット」「スピンがかかるガット」の新製品が発売されるのにある特定の製品だけ売れて他は全く売れなくなったなんて話は全く聞きませんね。プロが使ってるラケットが気になる、人が使ってるラケットが良さそう、すごくスピンがかかるって聞いた、そんな理由で道具を変えても「同じガット、同じテンションで張ってある同じラケットをAさんとBさんが同時に打って二人の球威や球筋が同じというということはない」のは誰でも分かります
。逆に弘法は筆を選ばずでプロ選手ならどんなラケットでも関係なく同じように打ち比べて見せると思います。結局は個人の技量以上のものは結果には出ないということです。


テニスを続けていると自分なりの道具の傾向 (ラケット重量、バランス、打感(硬い、柔らかい)、持ちやすい、振りやすい、握った感じがいい等々)が出てきますがそれは絶対ではなくあくまで使っている時点での感覚です。新しいラケットやガットを探す際に全く同じじゃなきゃダメだと考えるのは適当ではありません。使ってみて違いがあっても案外簡単に慣れてしまうものです。大事なのは「自分が使いやすいかどうか」です。

個人的にラケットを選ぶ基準として一番いいのは案外「デザインが好き」や「持った感じがしっくりくる」といった辺りかなと思います。「好きな選手が使っているモデル」というのも愛着が湧くなら悪くありません。(使うのが難しいとかはまた別の問題)「気に入っている」ということが道具を信頼して使える前提条件です。ガットも自分の技量を十分に出せる使いやすいものであればどれでもいいです。道具に自分の技量以上のものを期待してもしようがなくマイナスにならないことが大事です。新しい道具を試す際は打感や扱いやすさの違いを楽しむ感じです。最初から自分にぴったりなんてことはまず無いし、道具はすぐに慣れてしまう程度の幅でしか作られていないですからね。


follow us in feedly