lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

アメフト・紙飛行機・ペットボトル、サーブにおける外旋・内旋、回外・回内の運動連鎖イメージ (テニス)

今回もサーブで必要となる外旋・内旋/回外・回内の運動連鎖を3Dイメージを用いて考えてみたいと思います。

日本ではあまりピンと来ませんが、アメリカではサーブにおける腕の使い方を説明する際、アメフト(アメリカンフットボール)のスローイングを例して上げることも多いようです。サーブにおける腕の使い方としてはボールを投げるピッチング動作がよく例として上がりますし私も体の使い方としてはほぼ同じ動きだと考えますが、それでもサーブの動作としてこれから学ぶ初心者の方などに説明する際はアメフトのスローイングの方がよいと思っています。

理由は「過度に回外・回内を使わない外旋・内旋の動き中心で構成される」点です。

サーブの動作としては外旋・内旋、回外・回内の全てが自然と連携した運動連鎖の中でリラックスしてスイングすることが重要なのですが、薄いグリップでサーブを打ちはじめる際、テイクバックからインパクトに向けてラケット面をうまくボールに向けられず、思った方向にボールが飛ばせないということが起きます。

初心者の方に多い厚めのグリップでは振り始めからインパクト面がボール方向に向いており当て易いのですが、ラケットヘッドを大きく動かせずスイングスピードが上げられないことで、サーブスピードも上がらずしっかりと回転をかけることができません。回転がかからないサーブは確率も上がらず速い段階でサーブに限界を迎えることになります。このためサーブ上達には薄いグリップがよいと言われる訳です。


話を戻しますが、薄いグリップでテイクバックからスイングしていくとラケットは小指側のフレームからボールに向かうのでインパクトまでの間に面を90度近く回転させてボールに当てる必要があります。この動作がよく言われる「回内(プロネーション)」です。

よくプロネーションでサーブを強くするなどと言われますが、プロネーション自体はラケット面を向ける効果だけでそれだけを意識してもスイングスピードは全く上がりません。

因みに回外動作・回内動作は手首が回っているように思いがちですが、実際は、前腕(肘と手首の間)にある橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という2本の骨が立体的にねじれることで起きます。右利きなら左手で手首を固定すれば手が回転しないことで分かります。だから「プロネーションのために手首を積極的に使う、手首を回す」というイメージも正しくない と思います。(あくまで腕を振る動きの中で肘から先の"前腕"全体がねじれているだけです。)


サーブはこの回内(プロネーション)も含めた外旋・内旋/回外・回内の運動連鎖を用いて打つわけですが、サービス練習を初めて間もない方にそう説明しても全く理解できないと思います。

そこで腕の動き方をイメージする練習として「アメフトのスローイング」が適しているという流れになります。

アメフトのスローイングイメージ

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※アメフトのボールの3Dイメージがないのでラグビーボールで作ってます。

アメフトのスローイングでは、外旋・内旋/回外・回内の運動連鎖の前提になる「脇と上腕が90度、上腕と前腕(肘)が90度、上腕と胸が180度以上の角度を付けた状態」でお盆を手に乗せたような小指側から目標に向かい親指側がまっすぐ後ろからついてく形でスイングします。楕円形のボールの尖った方から目標に向けて投げる都合上、手投げ始めからリリースし終えるまで首の角度が変わったり、腕が回転してしまったりするまっすぐ飛ばせません。

この手首の形を見るとサーブのスイングをする際の振り始めの形と同じです。

アメフトのスローイング
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サーブのスイング
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この外旋・内旋の動きに、回外・回内の動作を加えた一連の運動連鎖を最初からイメージするのは難しいです。このため、腕を回転させずに手首の角度を維持するアメフトのスローイングでイメージを掴むことが有効と言えます。また、ボールを投げる動作では人は自然と投げる際に回外・回内の動作を加えてしまうため、導入部分としてはよりシンプルな動作となるアメフトのスローイングの方がが向いています。(ボールを持つ手首と指の角度もラケットを持つ手と違いますからね。)

でも、日本だとアメフトのボールをしっかりと投げたことがある人も多くはないですよね。そこで同じような動きの動作はないかと考えました。

その一つが紙飛行機を飛ばす動作です。

紙飛行機を飛ばすイメージ

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子供の頃紙飛行機を飛ばしたことがある人は大勢いると思います。意識しませんが、紙飛行機をしっかり飛ばそうと思うと自然に「脇と上腕が90度、上腕と前腕(肘)が90度、上腕と胸が180度以上の角度を付けた状態」を作り、外旋・内旋の動きで腕を振ります。

ボールを投げる動作も同じですがこれらの動作は人が本来持つ基本動作で特に改めて教わらなくてもできるもので、それらがテニスでも使われるとい理解できれば応用ができます。その延長線上にあるのがサーブで、基本さえ理解できれば誰でもしっかりとしたサーブが打てるということです。

もう1つ例を上げます。

私がよくやるイメージトレーニングで、100ml未満の少しだけ水の入った500mlのペットボトルを親指と人差し指を輪にして持ち、リラックスして軽く、水の重みを感じながら振ってみるものです。

ペットボトルを振るイメージ

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飲み終わった空のペットボトルでよくやりますが、最初は少しだけ水が入ってる方が感覚が分かりやすいと思います。(水が多いと重量で手首を痛めます。)

要領はアメフトのスローイングや紙飛行機を飛ばすのと同じですが、水が入っている分、遠心力でペットボトルが前に進もうとするため振り切った最後の方で自然と手首が返る回内が起こります。これがよい点です。

考えてみれば、サーブではラケットとボールが接触するインパクト時点でラケット面が向いてる方向にボールは飛んできます。事前の回外動作によって小指側のフレームからボールに向かうラケットを回内によってインパクト面をボールに向けると書きましたが、よく言われる「意図的な回内(プロネーション)」はインパクト面を不安定にします。(不自然に無理やり面を回転させるのだから当然ですね。)

基本としてフラット系のサーブ(回転をかけないサーブは意味がない) を打つことを考えれば、回内動作でボールを飛ばす方向にインパクト面を向けてボールと接触するインパクトを迎えた後に一呼吸置いて更なる回転があるべきです。振り始めから180度、休みなくラケットが回転する間に正確にラケット面を作りボールに当てるのは困難です。これが「薄いグリップで打とうとすると、またはプロネーションを使うとするとインパクトでラケット面がどこを向いてるか分からない理由の一つ」だと思います。

上のペットボトルトレーニングで分かるように水の重みで最後の最後に手首は返り、それまではアメフトのスローイングのように小指側からずっと進んでいきます。この最後に手首が返るというのが、フラット系のサーブにおいてインパクト後にラケット面が回転する(インパクトまで面を維持する)というイメージと同じで、自然な正しい体の使い方であれば回内は意図的に起こさなくても自然に起きるということです。

なお、回転系のサーブを打つ際はインパクト後ではなく、もう少し速い段階で面を返ることになります。これはよりラケットヘッド側を走らせてヘッドスピードを回転に変換するためですが、スイング自体は同じプロネーションのタイミングが速いか遅いだけです。ここでも意図的な操作はNGです。