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lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

自分のテニスを言葉で説明できる意味 (テニス)

テニス

個人的に、テニスの上達に役立つと思う事柄として「自分のテニスを言葉で説明できるようになること」があります。

「自分のテニスを説明できますか?」と聞かれて「出来るよ」と答えられる方は、案外こんな説明になるんじゃないでしょうか? (言葉間の関連性はここでは置いておきます)

「テイクバックで横向き」
「オープンスタンス」
「脱力が大事」
「ラケットを強く握らない」
「体をねじって」
「重い物を押すように」
「ゴムが引っ張られるように」
「弓を引くように」
「最後までボールをしっかり見る」


それぞれテニスの「コツ」等でよく聞く表現ですが、言葉自体にそれほど意味はありません説明するのは「ボールを打つ方法」であり、自分が注意しているポイントでは無いからです。車を運転する方法を説明するのに、ハンドルは強く握らないとか、発信する時はミラー等で前後確認する等は意味合いが異なるのと同じです。

中には「抽象的、イメージ的な表現」もありますし、「印象的なキーワード」だと思って参考にしても、何故それを行うか自分では説明できない という事柄もないでしょうか?

自分がテニス経験のない初心者で経験者の方にフォアハンドの打ち方を教わるとします。説明を受ける中で、知識がない事から「何故この握り方なのか」、「なぜ横向きになるのか」、「何故ラケットを強く握ってはいけないのか」と疑問に思わないでしょうか? 質問しても教えている経験者の方からは「決まりだからとにかくやってみて」と言われるかもしれません。ボールの打ち方を説明しているように見えて「相手には全く説明できていない」訳です。

自分の感覚を誰かに説明する際、抽象的表現を用いる事はよくあります。相手もイメージしやすい半面、自分と相手のイメージが同じという保証もありません。相手に理解してもらう、同じ認識を持ちやすくするには、共通理解を得やすい具体的な情報や表現を用いるべきです。( "雲のような"といっても思い浮かべる雲は様々です。)

キーワードにある「ボールをしっかり見る」のはなぜでしょう? ボールにラケットを当てやすくするため?

ラケットとボールが接している時間は0.004秒、人が目で何かを見て反応できる時間は短い人で0.2秒と言われています。つまり目前に近づいたボールを目で追いながらラケットを操作して当てる事は無理です。現に、打点のかなり手前(30cmとか)からボールを目で追っていないプロ選手も大勢います。逆に最後まで見る選手は少数派です。

 

もちろん、テニスを始めて間もない人のように、もっと早い時点でボールを見るのをやめて、相手に視線を向けてしまうようではボールにラケットを当てるのは難しいかもしれません。その矯正の意味で「ボールをしっかり見る」という指導はありです。

また、「ボールをしっかり見る」には、体の軸や頭がボールを打ち終わるまでブレないようにするという意味もある気がします。頭や目線がブレるとボールにも当たりにくくなるし、フォームが乱れてボールに伝わる力が弱くなってしまいます。「ボールをしっかり見る」のは予防の意味もある訳です。

 
テニスは、「飛んでくるボールを予測し、打つ場所付近に移動し、ラケットという道具を使って、自分が打ちたい球種を狙ったコースに打ち返す」。これを繰り返す複雑な動きを要求されるスポーツです。でも、テニスは特別ではなく、走る、打つ等の基本的な体の使い方は日常生活や他スポーツと共通します。初心者からテニスを始めると「テニス専用の魔法(?)のキーワード」をたくさん見聞きするため、それらに気と取られ日常行えている動作ができなくなる事が多々あります。300g程度の棒状の物を手に持ったまま、ある位置に向かって滑らかに近づく事は殆どの人ができます。ただ、「飛んでくるボールに合わせて」「そのボールを打つ返す準備」が加わると途端にぎこちなくなります。「コツ」や「キーワード」、「指摘された点を注意」してこのギャップを埋めようとしますが、教わったことを注意しながらボールを打っても体は上手く動きません。日常行っている行動はほぼ無意識なので、テニスでも動作はできるだけシンプルにすべきであり、シンプルな動作は無駄がなくなりミスも減ります。

「自分のテニスを言葉で誰かにきちんと説明できる」というのは「コツをいくつ知っているか」ではなく、「簡単に理解できる基本的な体の使い方」を理解していて、「シンプルにわかりやすく説明できる方法」を自身で精査できているという事だと思っています。

テレビでプロスポーツ選手のインタビューを見る機会も多いですが、自分の技術を説明する際、多分に感覚的表現 (○○するイメージで。○○する感覚で) を用います。インタビューでは問題ないでしょうが、仮にジュニアや一般の方に指導する機会であれば、もっと具体的で理解できる表現も持つるべきだろうと感じます。(偉大な選手 = 偉大なコーチではないのはこの辺りでしょうか。)

「自分で素振り練習等をする際、誰かに説明するつもりで自分のテニスを分析し言葉で解説してみる。」そんな事をやってみると知識の整理になり、新たな発見もあるかもしれません。