lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

ATP 上海マスターズ 準決勝 ジョコビッチvsマレー (テニス)

結果からいくと6-1、6-3でジョコビッチ選手が圧勝だった訳ですが、明らかにマレー選手の様子がおかしかったですね。

最初のサービスゲーム、妙に力んでいる様子で硬さが目立ち、いきなり落としてしまいますが、第一セットは、サーブのトス、フォーム、リズム、全てがバラバラな感じでした。解説によると普段とサービスで狙うコースが違うようだという事でしたが、それ以前にいつものマレー選手のサーブのリズムではないのは見ていても分かる位でした。

序盤なのにマレー選手がブツブツ独り言をいい出します。これはマレー選手の癖ですが、調子が悪いとブツブツいい始めます。序盤からやるのはかなり珍しいですがそれ位調子が悪いということだと思いました。


マレー選手は、ジョコビッチ選手に比べると動きはそこまでスムーズではなく、常に正確に打つポジションに入れる感じではない(割りと左右に動きながらとか、シンプルな動きで打つ方が好きというか)と思うのですが、この試合では、前で打とう、前で打とうという取組みが逆にポジションの悪さにつながっていると言うか、前か後ろかという単純な位置取りにより体勢十分でない状態でのストロークがミスにつながっているように思いました。(後述のジョコビッチ選手のストロークのコントロールにもハマってしまった感があります。)


マレー選手はもともと色白ですが、気のせいか、この試合は顔色が普段よりも白いような気がしました。2セット目以降は少し動きが戻った感じではありましたが、もしかすると体調が悪かったのかなという気もします。

第二セットはストロークも力強さが増しましたが、これは調子が戻ったというより、作戦によるものだと思います。ジョコビッチ選手のペースで展開を進めさせないよう、ラリーをコントールしだした事により、ジョコビッチ選手のストロークコントロールが単調になり、ポジションの問題がないので、マレー選手が有利に展開できたという感じでしょうか。ただ、これも第一セットを取ったジョコビッチ選手の余裕というか、少しペースを落とした感があったのでそれもあると思います。マレー選手と打ち合う中で再びジリジリと相手を追い詰めていくジョコビッチ選手でした。



一方のジョコビッチ選手ですが、試合序盤からいつも通りに落ち着いた試合運びで、調子は普通にいい感じでした。見ていて注目した点は、1)1stサーブをしっかり入れている事、2)ストロークの球質を常に変える事、3)2ndサーブへのアタック、4)アプローチ&ネット、このあたりでしょうか。

1は当然ですね。今年フォームをクイック気味に変えてタイミングが取りづらい上にあまりサーブが乱れる試合がないジョコビッチ選手なので1stが入るという事は自分の思うように試合を展開する彼のパターンになりやすいということですね。

2ですが、最近はベースラインから下がらない、チャンスがあれば前に入るというポジションを取る選手がとても多いので、深いストロークを打つ事が求められる所ですが、常に深い位置を狙うのではアウトする危険性が高まります。そこで、ストロークの打ち合いでも、あまり深い所を狙わず、やや浅めに入れて相手のポジションを前に出させて、1本深いボールを入れる、そうすれば前にポジションを取っている相手は急には下がれず詰まってネットにかけたり、あさっての方向に打ってしまったりということが起こります。しかも深いボールを打つのも強打で深くという事だけでなく、やや高さのあるゆっくりとしたボールも混ぜる事で相手に一本調子でストロークをさせないという狙いもあるように感じました。(マレー選手が強打で打ってくるのに対し、1球ずつボールの球質を変えていくジョコビッチ選手が印象的でした。) 1本スライスを打ってラリーのペースを落とすという戦術はありますが、1球毎にボールのスピードや長さをコントロールされた相手はやりづらいでしょう。

3は、フェデラー選手の「SABR」の衝撃以来、緩い2ndサーブを打ってくる相手に対し、ベースラインからかなりはいってリターンする選手が急増してます。(錦織戦のアンダーソン選手もそうでした。) この試合でもジョコビッチはたびたびマレー選手の2ndを前に入ってリターンしていました。マレー選手のサーブが不調だった事もあるでしょうが、普段より2ndサーブに威力がない所を見切っての作戦だと思います。2ndをなんとか入れようとしているマレー選手ですから、前に出たのリターンをされるとそれに対する動きが取れずかなり効果的でした。

4ですが、前後の試合を見ていないのでわかりませんが、ジョコビッチ選手は10回以上はネットに出る動きを見せたと思います。ジョコビッチ選手はボレーが得意という訳ではないでしょうが、このあたりの動き、フェデラー選手の攻撃パターンを参考にしている感じがしました。ネットに出る判断、アプローチ等々、そつがなく、かなり高い確率でパターンがはまっていました。相手の状態によってはこういう戦術も取るという姿勢もフェデラー選手に通ずるものがあるように感じました。

ジョコビッチ選手のストローク位はとても深くラインぎりぎりにコントロールされたショットがいくつもありました。それに対しマレー選手は(1回も?)チャレンジしなかったと思うので、それだけしっかりコントロールできているということだと思います。(振り切ってライン際に落ちるフェデラー選手とは違って、コントロールショットでライン際に落とすのが印象的でした。)



マレー選手は十分強く、TOP10の彼より下位の選手とは少し実力差がある状態だとは思いますが、大会によっての調子の差が依然としてありますね。優勝もするけど、なかなか決勝とかまでは進めない。そんな感じです。腰の手術から復帰後、腰を気にする素振りは見せず、体も(見た目はあまり変わらないけど)かなり筋肉質な感じが強まって、ショットもかなり改良して、地味に強くなっているのですが、調子の並(試合中の顔の表情から体調面だと思うのですが)があるのが気になりますね。

いずれにせよ、どんな試合でも、安定して高いペースで実力を発揮できるジョコビッチ選手はスゴイですね。ジョコビッチ選手の試合はつまらないと言われるそうですが、かつてのNo.であるピート・サンプラス選手の試合も退屈だと言われたのでそれ位強いということなのでしょうね。

なお、試合内容と関係ないですが、マレー選手はこの大会、契約しているアンダーアーマーのテニスシューズを使用しています。プロトタイプをテスト中という話がネットに上がっていて、芝のシーズンでは試合でも使っていたりしたようですが、USオープンまでのハードコートシーズンはアディバリの去年のモデルを使用していたと思うのでので、今回使用しているのが製品版に近いのかもしれません。

http://i125.photobucket.com/albums/p46/soundreece/DSC_5273_zpskgzuhyrg.jpg http://www.10sballs.com/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/Murray-under-armour.png
http://www.tennisidentity.com/wp-content/uploads/2015/07/Clipboard01.jpg


ただ、サイドのデザインとかアディバリに似ているので、案外アディダスのOEMとかなのかもしれませんね。 (関係ないですが、マレー選手のAMのロゴ、ちょっとかっこ悪いですね。。ジョコビッチ選手の渦巻きみたいなマークも変わってますですけど。)


後、ジョコビッチ選手のユニフォームの左肩に中国名でしょうか、漢字のブランドが
追加されていましたね。USオープン後ですかね。中国での試合に合わせて契約という漢字でしょうか。


後、上海オープンを見ていて思うのは観戦マナーですね。いい悪いとかではなく、選手のミスでも「あー」という日本と同じような声(同時に歓声も多い)が出たり、選手がサービスに入っているのに「Go Andy」と声が続いたり、たびたび赤ちゃんの鳴き声が聞こえたりするは、日本と同じくテニス大会の観戦に慣れていない部分があるのかなぁと思いました。