lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

今年のブシャール選手 (テニス)

ブシャール選手がじりじりとランキングを落としてきてます。
今後のニュルンベルクと全仏の結果次第ではTOP10陥落も見えてきました。
昨年が好調だったということもあるけど、調子の変化に伴いプレイにも変化が見えてきてます。

ブシャール選手は昨年のウィンブルドン武漢でクビトバ選手に完全に攻略されて欠点が見えてきました。彼女はライジング中心に速いタイミングで打つストロークが武器の選手なので、ベースラインの中央辺りから左右に振るラインか、左右によっても自分が居る場所から打って行きたいタイプ。だから、強いストロークを持つ選手が先に左右に振ってブシャール選手を動かしてストロークを打つ体勢を作らせてもらえないと途端に攻撃の引き出しがなくなってしまいます。これがブシャール選手の弱点です。

それと試合途中で劣勢になってくると、ブシャール選手は明らかに顔に不安感を見せ、下を向く事が多いです。ゲーム差以上に、ポイント間でブシャール選手にこの仕草が出ると「あ、この試合やばいと思ってる」というのがよくわかります。

ブシャール選手は試合が劣勢だとより強打に走ります。彼女は攻撃的なストロークが武器ですから、序盤からライジング中心にベースライン付近、ベースラインの少し中から強気に打ってるくるのですが、自分が劣勢だと感じるとこのパターンに少し変化が出てきます。より強いウィナーで相手を押さえつけよう、自分の方が強いんだと見せようとする、自分に自信を感じさせるためか、とにかくそういうポイントを狙ってきます。ただ、ウィナー狙いのゲームプランというのは自分に有利にはまらないとポイントが続きません。やっぱり、1ポイント、1ポイント毎にどこに打って、どこに帰ってきて、次をどこで決めるという流れの中で自分に有利な攻め方を取っていかないと優勢にゲームを進めることができません。

チャールストンでのデービス戦もこのパターンでした。序盤はブシャール選手の方が攻め方も上手く、いつも通りの試合展開かに見えたのですが、このデービス選手も若手で現代的なプレイができる選手のようです。次第にコースを付かれるポイントが増え、ブシャール選手はゲームを失っていきます。

話は戻りますが、昨年終盤からブシャール選手はコーチも変え、プレイスタイルの見直しに注力していたと思います。(ライジングの強化、ストロークの強化など) ただ、個人的にはブシャール選手に必要なのは、過去、グランドスラム優勝、No.1に導いた経験ではなく、現代的なプレイスタイルでの戦術を彼女と作り上げられるコーチだと思います。他の若手女子選手とブシャール選手が異なる点はその点です。ブシャール選手はどちらかと言えば、戦術面よりプレイスタイルでランキングを上げてきた選手です。そういう意味で言えば、これまでの強打でのし上がってきた選手にも近いのかもしれません。(シンプルな強打ではなく、ライジングを使った速いテンポで打つ事で相手を押さえつける形ですが) 逆に、今、世界各国から出てきてる女子の若手選手は強打はもちろん、ミスをしない安定感もあり、かつ、どうやってボールを展開したらポイントが取りやすいかをジュニアの頃から身についている印象です。

ブシャール選手で心配なのはこの戦略面です。もちろん、精神面(グランドスラムの2週間をどう乗り切っていくのか)も大事で、もしかすると個別のグランドスラム大会では優勝する機会もあるかもしれませんが、私は来年以降の女子のTOP10は次第にハレプ選手を筆頭とする現代的なテニスをする若手選手が占めてくる(20代後半の選手は徐々にTOP10から陥落していく)ようになるのではないかと思っていますので、ブシャール選手は今のままでは個々の大会で上位に残っていくのがより難しくなるのではないかと思ってしまいます。

ハレプ選手が昨年程の調子ではない中、技術面の修正や、試合運びで2年目のジンクス的な部分に折り合いを付けてやっている反面、ブシャール選手は昨年後半からの自信のなさや不安感(昨年前半は自信に溢れてた)が拭い去れずにいる印象です。もしかすると、イバノビッチ選手のような経歴をたどる(イバノビッチ選手はNo.1になった事で自分を見失い、苦悩の中でランキングを下げたのでブシャール選手とは違いますが精神面という意味で) のではないかとも思ってます。

ブシャール選手のファンというわけではないのですが、才能ある選手にはがんばってほしいので、上手く乗り切ってほしいですね。