lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

イバノビッチの現状について思うこと (テニス)

イバノビッチが順調にランキングを上げているのは以前に比べて安定感が増しているから当然だが、以前と違うという点で良い面と悪い面があると思う。

 

まず、イバノビッチは試合毎の好不調の波が激しい。以前の(全仏優勝前後の)彼女は若く、怖いものなしにどんどんプレイをしていく選手だったが、不調の時期を経て、彼女のプレイの中には常に不安がつきまとっている印象を持つ。試合中、ナイスプレイ、ナイスショットが出るたびに彼女は握りこぶしを握り、ハイデ(カモン)と声を出し、気持ちを奮い立たせる。そうしないと強い気持ちが続かないのだろうと思う。ミスショットをした際、明らかに落胆した顔を見せ下をむいたりすることが多い。

トップ付近の選手のように一方的なスコア(ダブルベーグル等)で先行することは少なく、ブレークが幾つか発生するとても微妙なバランスの上に試合を進めていく。ナイスプレイが続かず、ミスが続くと勢いがつかずあっさりと負けてしまうことも多い。

前述の通り、以前の彼女は躍動的で攻撃的、得意のフォアをどんどん打っていく選手だった。今の彼女は繋ぎのボールの技術(バックハンドのスライスや繋ぎのフォア)が向上し、フォアの強打に頼る試合は全くなくなり、調子が上がらなくても、接戦で粘って付いてく強さも身につけている。ただ、それは不調でも結果を残すテクニックや戦術的なもので、トップの選手には余り必要としない (調子の上がらない選手なりの生き残り技術)だと思う。繋ぎのボールもそれ程技術はなく、合わせるように打つケースも多いので効果的なボールにはなっていない。

彼女はしっかりボールを打つ技術を持っているが、ミスをする場合は上手く体を使えてない場合が多い。ボールにも追いついており、一見変わらないように打っているように見えるが、若干近かったり、ステップが合わなかったり、体が伸びきったり、微妙な違いでミスが生じることが多い。そういう微妙なところが気持ちが乗っていけない、また、自分に自信がでない原因になっているような気がする。

彼女は以前に比べればかなりほっそりとした体型になっているが、それが良いのか悪いのかは分からない。ウォズニアッキのように筋力はそのままに体がしまった印象ではないのでフットワークがよくなった感じもしないし、体のキレが増した印象もない。案外女性特有の痩せたいということからなのかもしれない。(モデル的な仕事もあるし。)

彼女のサーブは長年改善しない。打つ度にトスの位置が違うし、意図的かもしれないが、かなり前方に上げてスライスサーブを打つことも多い。ただ、シャラポワやリシツキのようにダブルフォルトすることはあまりない。サーブについても調子が上がらないなりに試合を作っていく技術を身につけてきていると言える。

 

彼女は結構頻繁にコーチを変えているが、彼女のキャリアも後半に入っている現状、実績のあるコーチを付けてもう一花咲かせてくれるといいと思う。リーナ(以前はエナン)のコーチだったロドリゲス氏でもいいし、ダベンポートやエナンをコーチに付けるのも彼女にはプラスになるような気がする。(上位選手含め、女性のプロテニスプレイヤーは日常的な信頼関係とか、母国語が同じとか、テニス以外の要素でコーチを決める人が多いようだ。)

彼女に必要なものは自信を持つことだと思う。マイケル・チャンが錦織のコーチについてすぐ言ったように、自分は誰にでも勝てる、それだけの力があると自分を信じられることだ。イバノビッチにはそういう気持ちを強く持たせてくれる、実績と説得力のあるコーチが必要だと思う。

 

アナ・イバノビッチ公式サイト(anaivanovic.com)