lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

注目している選手 ディエゴ・シュワルツマン (テニス)

ディエゴ・シュワルツマン選手

ここ数年でよく目が行く選手のひとりがアルゼンチンのディエゴ・シュワルツマン選手です。

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2017年11月8日現在でATPシングルス26位。2014年に100位内になり、今年になって50位を切ってきています。

とは言ってもATPツアーではベスト8がせいぜいで、TVに試合の模様が映ったりする機会はほぼなく日本では一般的な知名度はないかもしれませんね。

最近TOP10入りしてきたゴファン選手もプレイに目が行く選手の一人でした。 

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シュワルツマン選手の目立つ点

簡単に言えば『諦めない相手に挑んでいくテニス』でしょうか。

身長は公式で170cm。TOP100選手ではずば抜けて小さいはずです。(写真のティエム選手は185cm)

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でも、試合を見ていると、読みがよく動きも速いので一方的に攻め込まれるということがなくしっかりと試合を作っていくタイプです。アルゼンチン出身ということもあるのか、ストロークもしっかりとしているし粘り強さもあります。苦し紛れに一発を狙う、強打を打とうとするといったことはありません。体格差から上位選手には強打で攻められることも多いですが、駆け引きをしつつ一歩も引かない試合展開をする印象です。

また、今年の試合の模様を見ると、フェデラー選手ばりに後ろに下がらない速いテンポで返球する形になってきているようで、以前のやや後ろ目でボールを引きつけてがっつり打っていただけの時よりもボールの威力が上がっている印象です。クレーで育った選手は下がった位置から打つストロークがベースにあるのでしょうがそれだけでは今の上位選手に勝つのは難しいはずです。

それ以外にもドロップショットを使ったり、タイミングやリズムに変化を加えたり、以前から器用さや想像性もあります。

うまく言えませんが『今どきの上位選手がやろうとしているテニスの流れに乗ろうとしている』結果が今年ランキング上昇に繋がっているのかもしれません。

最初に見たのは2014年のフレンチオープン

私がシュワルツマン選手を知ったきっかけはフェデラー選手との対戦です。名前が特徴的ですが、小柄な選手がフェデラー選手とがっつり組み合っている映像をYouTubdeで見ました。

2014年の全仏4回戦です。フェデラー選手の試合ですが4回戦だったのでWOWOW等のTV放送はされなかった気がします。スコア上も6-3 6-4 6-4で接戦でした。

シュワルツマン選手はアルゼンチンの選手でクレーは元々得意だろうと思いますし、フェデラーはクレーは得意ではわけで4回戦では調子を上げている途中でしょうが、それらを踏まえてもいいスコアです。

その時の試合の印象が良かったのでしょう。試合後にシュワルツマン選手に声をかけるフェデラー選手の表情にそれが現れている気がします。相手が若手の選手でもこういった声のかけ方をするのは珍しいと思います。

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その後も何度かフェデラー選手と対戦しており、そのたびに内容のいい試合を繰り広げていて、今年も上海で対戦をしました。

試合後のフェデラー選手を見ればシュワルツマン選手に特別にいい印象を持っているのは一目瞭然ですよね。

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フェデラー選手はスイス出身なのでドイツ語とフランス語が母国語の選手に仲がよい人が多いです。当てはまる選手としてはハース選手、ペール選手などですが、ズベレル選手と練習したり、以前はツォンガ選手をエキジビジョンの対戦相手に招待したりしていました。これ以外だとアメリカのマーディ・フィッシュ選手とも練習をしたりしていて仲がいいように思えます。

シュワルツマン選手が練習相手をしたりしている訳ではないですが、スペイン語圏の選手と普通以上に親しげにしているのは珍しいと思います。

シュワルツマン選手の練習風景

同じアルゼンチンのデルポトロ選手との練習風景の動画がありました。 

2017年USオープンでのインタビュー

インタビューに答えている様子もきちんと受け答えをしていて印象がいいですね。

TOP10に入るかと言われると分かりませんが上位選手との対戦で今後もいい試合を見せてくれる注目選手だと思います。怪我等がなければこのままTOP30以内に定着するのではないでしょうか。

他にもランキングが上がってきている選手はたくさん居ますが試合を見ていて面白いという点では注目していい選手だと思います。

 

2017年 ブライアン兄弟のラケットの変化 (テニス)

ブライアン兄弟のラケット

男子ダブルスのレジェンドと言えるアメリカのブライアンブラザース (ブライアン兄弟)ですが、ずっとプリンスのラケットを使ってきていました。

昨年2016年にはブライアン兄弟モデルとして金色(ゴールド)に塗装されたラケットが発売され、その塗装のラケットを今年度もずっと使ってきていました。

ラケットの変化

今年2017年、2人のラケットに現れた変化としては、3月のインディアンウェルズ辺りから赤い丸のステンシルが入ったことです。

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これはストリングメーカーであるSolinco (ソリンコ)のマークです。 

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また、ウィンブルドンまではプリンスの「P」のステンシルが入っていたのですが、USオープンシーズンのハードコートの大会に入ると、ガットにあるのはソリンコの赤丸だけになりました。

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また、USオープン本番からはお兄さんのマイク・ブライアン選手のラケットはウィルソンのウルトラに変わりました。弟さんのボブ・ブライアン選手は引き続きプリンスの金色ラケットを使用しています。(ラケットフェイスの形状から中身はウィルソンということでもなさそうです。)

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二人が着用しているIZODもアメリカの衣料ブランドのようですし、ソリンコもウィルソンもアメリカのメーカーなのでそういう関係もあるのかなぁとも思います。

今のプリンスは契約選手がどうこうという状況ではないのかもしれませんが、デ杯のアメリカ代表だったりするブライアン兄弟がプリンスのラケットを使っていたのは見ていて違和感があったのも事実です。

ブライアン兄弟はデ杯代表の引退を発表していますし、最近はダブルスでも決勝まで残れないことが多くなっています。キャリアとしては終わりに近づいている感じなので用具契約もある程度自由にやろうよという感じなのかもしれません。

「ブライアン兄弟がデビスカップからの引退を表明」|「ITF/その他ツアー」のニュース|THE TENNIS DAILY/テニスデイリー

男子ダブルスは技術や連携より戦術やパワーで押し切るペアも多いのでブライアン兄弟のような花のあるスタイルは見ていて楽しいですけどね。

2017年11月13日追記

ATPツアーファイナルズを見てみると2人ともプリンスのラケットを使っていますね。

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大事な大会だし、結果を目指すためには使い慣れたラケットで行こうという判断なのかもしれません。また、ウィルソンを使ってたのは 一時的なものだった可能性もありますね。因みに試合で使用しているラケットバッグはソリンコのものでした。

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ロジャー・フェデラー サインボール ウィンブルドン 2015 (テニス)

ロジャー・フェデラー選手のサイングッズ

海外のテニス通販サイトTennis warehouseでは「Roger Federer Foundation(ロジャー・フェデラー基金)」のグッズを販売しています。

TW RFederer Foundation page

 

Roger Federer Foundationは恵まれない子どもたちの利益と青少年のスポーツ促進という2つの目的のために設立されたものでフェデラー選手はユニセフ大使としての活動もされていますね。

Roger Federer Foundation

Roger Federer Foundation

フェデラー選手に限らず支援のための基金を設立している著名テニス選手は多いです。(アガシさん、ロディックさん等)

基金以外にも自身のテニスアカデミーを運営してジュニア育成に寄与している選手もいますね。(最近だとナダル選手のアカデミー)

 

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サインボール ウィンブルドン 2015 

販売されているRF Foundationのグッズはおなじみの「RF」のロゴが入ったウェアやキャップ、カレンダーの他、サイン入りのグッズも販売されています。

今回は、サイン入りのテニスボールを購入してみました。 

Roger Federer Autographed ball

ウィンブルドン2015の公式球にフェデラー選手がサインしたものです。

ボールにはRoger Federer Foundationの証明書 (証明自体はTenniswarehouse EU) が同梱されており、2015年のボールなので既に空気が抜けて少し小さくなっている感じです。

値段は日本円で2万円程(TWEUで168ユーロ)でした。

サイトではボール以外にもサイン入りのウェアやシューズも販売されていますが、15万円位の値段の商品もあります。商品は時期により随時変わっていくのでサイン入りの2017年のウェアが欲しいとなるとその時に買うしかない感じですね。

因みにサイングッズの"サイン"は間違いではないのですが、著名人がサインするのは英語では"Autograph"と言うようです。(Autographed ball)

我々が書類の署名欄に名前をかくのはSignatureですね。

国枝慎吾選手のサインボールと並べてみる

手元にある国枝慎吾選手のサインボールと並べてみました。

フェデラー選手と国枝慎吾選手のサインボール

このサインボールはダンロップさんのプレゼント企画でいただいたものです。なんとなくテニス界の現役レジェンド選手のサインボールが並ぶ形になりました。

個人的にはこれにピート・サンプラス選手のサインボールが並べば大満足なのですが機会はあるでしょうか。。

テニス選手のサインボールの価値は?

「テニス選手のサイン入りのグッズが手元にあるんだけどいくら位の価値があるの?」という質問を見かけますね。

これについては「テニス選手のサインはほぼ値段が付かない」と言っていいはずです。

サインに価値がないという意味ではありません。テニス選手は毎日何十人という人にサインをしています。試合の後に観客にサインをする様子はテレビで見かけますが、試合前の練習後にもサインに応じますし、世界中を転戦する選手は訪れた地方で必ずツアー主催や現地関係団体のイベントに出席するのでそういった場でもサインをする機会は多いです。(先日、フェデラー選手が来日した際、150枚サインしてもらったけどWilson本社が回収してしまったという話がありましたね。これは経緯を端折ってるのだと思いますけど。)

そのサイングッズが本物か、誰のサインなのかという真贋以前に有名テニス選手のサインは世の中に溢れてしまっており、入手も比較的難しくない状態にあるのです。

日本のテニスは自分でやるもの。観戦し応援する文化は育っていない

でも、野球やサッカーなどに比べ、日本ではテニス選手のサイングッズはあまり目にしませんね。

その理由は、『日本においてテニスはマイナースポーツ』だからです。

テニスを年1回以上やる方は350万人位いるそうですが、試合会場に行って応援する、有料の衛星放送に契約して熱心に観戦する方はかなり限られます。日本においてテニスは手軽にやれる状況にある身近なスポーツだけど、試合を観戦したり選手を応援する対象としてのスポーツとしては文化がそだっていませんね。ここ5年程の錦織選手ブームでテニスに関心を持つ人は増えましたがアイコンとしての"錦織ブーム"であり本質的な"テニスブーム"ではないのはよく言われる点です。

楽天ジャパンオープンを観戦される方の多くは錦織選手以外はTOP10の著名選手でもご存じなかったり、錦織選手の試合をテレビで見るという方でも「ここに錦織選手のサインボールがあります。いくらなら出せますか?」という問いには案外 "2,000円位??" という感じだろうと思います。

Roger Federer Foundationへの寄付として

試合会場で気軽にサインしてもらえる位の状況なので、フェデラー選手のサインボールでも2万円 (+送料や税) 出して手に入れるというのは『かなり変わった人』と思われるかもしれません。でも、この金額はサインボールの価値ではなくRoger Federer Foundationへの寄付で特別高いということはないかなと思います。

日本に居る限りフェデラー選手を直接見る機会もほぼ無いですし、公式にサインを入手できる手段も皆無といっていいでしょう。興味のある方はRoger Federer Foundationのグッズ販売を利用してはどうかと思います。Tenniswarehouseを通じての購入なので敷居は高くない気がします。(FedExでドイツから1週間程で届きます。)

また、グッズの購入以外にも直接基金への寄付もできるようです。

http://www.rogerfedererfoundation.org/en/get-involved/donation/

 

ラケットへのこだわり オリジナルカラーのProStaff 6.0 85インチを買ってみる (テニス)

ラケットはどれでもいいなと思うけどこだわりはある

私は使うラケットは正直なんでもいいと思っています。

メーカーは売るために製品に特徴づけをしますが10g重かろうが、10インチ面が大きかろうが、0.5インチ長かろうがボールを飛ばし、回転をかけるという基本性能に大差ないと思っているからですね。各社、製品を継続販売しており、性能が平均以下のラケットをメーカーが売るはずもないです。

ボールを飛ばし回転がかかるのはスイングによってラケットが得る運動エネルギーがボールとの接触でその一部がボールに伝わるからで、飛びに影響するのは面サイズではなくフレームの厚さと構造でしょう。フレームがしなる・歪む・たわむことで伝達ロスが生まれます。同じ100インチでも26mmと20mm以下のラケットがあり、後者は90インチ強のラケットと飛びは変わりません。ボールの重さは65~67gでそれが速度を持って飛んできます。ラケットを10g重くしたらボールに打ち負けなくなるというのはかなり疑問です。

ラケットのバリエーションはフレーム厚からくる飛びの違いを除けば、『打感』の味付けの違いであり、重さやバランスも含め1ヶ月も使えば慣れてしまう位の違いだと思います。

好きな選手が使ってるモデル、色が好き、メーカーが好き等、自分が気に入って使えるラケットを信じて使うのが一番です。しょっちゅうラケットやガットを変える方は慣れる間もなく第一印象だけ見ているようなもので、大きな性能差もないなら他が気になるのは買う動機が間違っている のだと思ってしまいます。

 

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Wilson Prostaff 6.0 85

私がテニスを始めた頃のNo.1はピート・サンプラスさんでした。

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その影響で暫くProStaff Limited 85という製品を使っていました。

当時はラケットの塗装技術も高くなく、白、青、赤、緑みたいなシンプルな色にラインが入っている位のものばかりでしたが、黒いラケットは少なかったように思います。色付きの方が一般受けするでしょうし、Princeグラファイトの緑同様、製品のイメージが強いので他社が敬遠していたのかもしれません。

最近、RFのネーミングで85インチが販売されましたが、どうやら塗装以外、以前からの仕様と全く変わらない、ある意味復刻版なようです。

www.tennisclassic.jp

オリジナルカラーも数回、復刻で販売されてきているので今後も機会はあるのではないかと思っており、少なくとも私はRF85はかっこ悪すぎて買う気にはなれません。(フェデラー選手の顔ロゴをつけるセンスが最悪ですね。。)

前回の復刻版は海外でも販売は終了している感じですが、新品で1本入手する機会があったので写真を載せてみたいと思います。

この復刻版の正式名称は『Wilson Prostaff 6.0』ですかね。復刻等のタイミングで製品名が微妙に変わっていますが85インチのモデルです。重量はガットを張っていない状態で340g程あります。

全体写真

Wilson Prostaff 6.0 85 全体

ラケットフェイス左右のPWSの出っ張りが特徴的ですが、Qみたいな左右不均等なラインの入り方も独特です。

Wilson Prostaff 6.0 85 スロート

Wilson Prostaff 6.0 85 PWS

他の多くのラケット同様、中国製です。光にかざしても見ると表面の黒い塗装もあちこちにムラがあります。いまどきのラケットのように機械で自動の焼付け塗装をしている感じでもないのでしょう。作業員さんがスプレーで塗っているのかも。

フレームの厚さ

Wilson Prostaff 6.0 85 フレーム厚

フレームは17mmです。市販のフレームが薄めなラケットでも20mm未満はないのでその薄さが分かります。

Wilson Prostaff 6.0 85 フレーム厚の比較

Wilson Prostaff 6.0 85 フレーム厚の比較 2

写真ではわかりづらいですが、フレーム厚が21.5mmのPro Staff97と比べるとこんな感じです。

ProStaff 6.0の方がグロメット幅が太いのは製造技術の進化だと思います。カーボン整形とその太さでも強度が保てるグロメットになったからとかでしょうか。

ラケットフェイスの大きさ

ラケットフェイスの違いはこんな感じです。

Wilson Prostaff 6.0 85 ラケット面 サイズ比較

Wilson Prostaff 6.0 85 ラケット面 サイズ比較 2

Wilson Prostaff 6.0 85 ラケット面 サイズ比較 3

97インチと85インチなのでProStaff6.0の方がフレーム周囲1個分位小さくなります。

でもその差は周囲で1.5cm位、ProStaff97の方が新しい分の改良で打ち損なってもカバーしてくる性能向上はあるでしょうが、扱いやすさ (難しさ?) は大差ないと思います。

ただ、思うのは手や腕の操作でラケットをボールに当てようとするスイングの方だとラケットの重さの違いもあり、余計に当たりづらいと感じるはずです。私は315gの97と340gの6.0も交互に使っても違いは気になりません。

 

 

 

実際打ってみてどうなのか?

まず、ProStaff 97はそれ以前の90インチと比べると比較にならない位ボールが飛び、扱いやすくなっています。それら90インチのProStaffは85インチのオリジナルから展開していったものなので、97より85の方が遥かに近いです。ただ、90と85の間にも飛びや扱いやすさに差があります。

ProStaff 97と85インチのProStaff 6.0を比べてどうかと言われると表現するのが難しいのですが、97の方が扱い慣れているのでコートでボールを打っている場では安心感が持てます。ボールも飛びますからね。

ProStaff 6.0の方はというと97に比べてラケットがしなっているのがよく分かります。

Prostaff 97もしなりは感じるのですがボールを支えるフレームの頑丈さがあるので『多少』といった感じ、ProStaff 6.0の方はフレームの頑丈さがない分、スイングしボールを打つ中でシンプルに『しなってる』感じを受けます。

前述の通り、フレームが薄くラケットがしなる程、運動エネルギーの伝達にロスが生まれボールが飛ばなくなる訳なので、同じガットを同じテンションで97と6.0に張れば6.0の方が飛ばないと感じるのは当然だと思います。

普通に使えるのか?

速い回転のかかったボールを打ち合いたい方にはProStaff 6.0がどうか以前にボックス形状のラケットすら選択肢に入ってないでしょうから、私のようにスクールや仲間内で練習する範囲でどうかという前提ですね。

85インチというとおじさんの回顧主義や実際のテニスで役に立たないこだわりのように思われがちですが、私は市販のラケットは性別、レベル関係なく好きなラケットを使えばいいし、使って問題が起きるようなこともない (逆にラケットを変えたらかうまくなるようなこともない) と思っているので、ProStaff 6.0も製品特性を踏まえて使えば全否定される類の選択ではないと思っています。

ただ、ProStaff 97はボックス形状でもフレームのしっかりさがあるのでやや硬いのガットを張ってもバランスが悪くなったりしないと思うのですが、6.0の方はしなる・ぶれるの伝達ロスをカバーするためにはスイングスピードを上げて運動エネルギーを大きくする必要があり、それ故、柔らかいガットを緩く張るのは向いていないでしょうか。

今どきのスイングをスピードを上げて打つ打ち方にこういう(ラケット面の小さい)しなるラケットが好まれないのはそういう面もあるのでしょう。硬いガットは向かないので柔らかめのマルチかナチュラルをテンション高めでという感じだと思います。

緩く張ると球離れがスイングスピードに追いつかずなかなかボールが飛んでいかない、自分のイメージよりもボールが飛んでいくタイミングが遅い印象を受けるはずです。それを『球持ちがいいい』と表現したりしますが、ボレーしかいないならともかくストロークでそれでは困るでしょう。

ちなみにピート・サンプラス選手はナチュラルガットを60ポンド以上のテンションで張っていたそうです。

ちなみに、とりあえずProStaff 6.0にバボラのマルチを56ポンドで張ってみましたがそれでも40ポンド台で張っているProStaff97よりも球離れは遅いです。

重さについて

340gの重さを言われると思いますが、前述のように手や腕の操作でラケットを動かしボールに当てるようなスイングだと打っている間に疲れてしまうはずでその原因は『ラケットを握る握力』です。ラケットに働く慣性の力を利用してラケットを主体に加速させるようにスイングできれば重さは気になりません。

ボレーはほぼスイングを伴わないのでラケットの重さが手に感じやすいですが、それも『手』ではなく『腕』、『腕』よりも『体や足』を使ってラケット位置をボールに近づけることができれば「ラケットが重くてボールに動きが追いつかない」といったことはなくなります。

サーブはスイングスピードが大事なのでラケットが重いと加速させづらい気がしますが、これも体の使い方の問題なので、他ショット同様、敢えて重いラケットを使って体の使い方を考えるというのはいい練習なのかもしれません。

重いラケットを気にせず使えるなら、練習の中で軽いラケットと交互に使っても、違いを気にせずにスイングできるようになると思います。打ち比べて重いラケットでスイングや動きが変わってしまうなら、そういう体の使い方でラケットをスイングしている、ボールを打っているということなのだと思います。

私はゆっくりとしたスイングでボレー中心に打感を楽しむような使い方をするつもりはないですしそういうスイングでもないのです。ただ、ラケットの重さの違いが気になるような体の使い方にならないよう考えているので315gと340gを交互に使っても使い勝手に差を感じるケースはほとんどないです。(しなりの違い位)

 

ストローク・ボレーでボールがうまく当たらない、まっすぐ飛ばない (テニス)

練習してもうまく打てない、ミスが多い

テニススクールに通ってテニスを習い、少しボールが打てるようになっても、なかなか安定してボールがラケットに当たらない、まっすぐ飛ばない、ラリーが続かない、気をつけて打っているつもりなのに何故かミスしてしまうということはとても多いです。

ボールを速い速度で打つのは『ラケットの速度を上げてボールにうまく力が伝わればいい』ので、筋力のある方やフォームにクセがない方はそれほど難しくありません。飛んでくるボールが適度に速度がありも難しくバウンドもしなければ速いボールを打てるでしょう。逆に、飛んでくる速度が遅いボールは自分から力を伝えないと遠くまで或いは速い速度で飛んでいかないし、生半可打つまでに時間がある分タイミングを合わせるのが難しく、常に『うまくスイングができること』が求められます。『遅いボールを"うまく"打つほうが難しい』です。

ただ、テニスは速いボールばかり打てる訳ではないですし、相手も1球毎に球種や急速、コースを変えてきます。どんなボールでも返球できる器用さや技術が欲しいと思うでしょうが、フォアハンドならフォアハンドで基本となる打ち方が大事になるということです。(プロ選手の練習を見てもトリックショットのような打ち方はお遊びだけですね。)

今回は、安定してボールを打つための大前提のようなことです。当たり前に感じる事ですが習い始めて暫くの間は多くの方ができないことで『ちゃんとやっているのにうまく打てない。なぜうまく打てないか分からない』という状況になってしまいます。

技術以前のことで課題があるなら先に確認しておく方がよいはずです。

 

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まず確認: ラケットでボールを飛ばすということ

ボールが飛び・回転がかかるのは『スイングすることでラケットが得る運動エネルギーの一部がボールと接触することで伝わるから』です。

ボールが飛び・回転がかかるのはラケットの運動エネルギーの一部が接触でボールに伝わるから

ラケットの持つ運動エネルギーの大きさは、

『1/2 x ラケット重量 x ラケットスポード ^2 (2乗)』で計算されます。

ボールに伝わるのは全体のごく一部ですし、ラケットとボールの当たり方やラケットやガットによって伝わる運動エネルギーの大きさには"大きくロス"が生まれます。回転をかけようとするかすれた当たりはロスが大きく、フレームが薄いラケットやガットがボールの接触でしなる・ゆがむ・たわむ ことで伝達ロスが生まれます。

ボレーではラケットを振るな

「ボレーを打つ際はラケットを振らないようにしなさい」と言われます。

ネット際の相手が打って準備する時間がない中で打つボレーは『テイクバックしてスイングして』とやっていると単純に間に合わないですし、飛んでくるボール自体に速度があるのでラケット面がぶれないように支えて真ん中に当ててやれば飛んでくる速度に近い速度で跳ね返すことが可能です。

ボールを飛ばすのはスイングでラケットが持つ運動エネルギーがボールに伝わるからと言いましたが、"飛んでくるボールにも速度が"あり、それは"運動エネルギーを持っている"ということです。うまく当てるだけでその運動エネルギーの範囲内でボールは跳ね返っていきます。遠くまで飛ばす必要がないボレーでは正確に当てることに専念した方が望む結果に繋がるということです。

因みに「ボレーはラケットを振るな」というコーチの見本でもラケットは多少動いていると思いますし、ボレーの表現には「(ラケットで)ボールを押す」という表現もあります。

ラケットが動く違いを区分したいのでしょうが「振る」「押す」もありません。ラケットが大きく長く動くこととラケット速度はイクオールではないし、動く大きさと安定した当たりもイクオールではないです。

理解すべきは『ラケットが速度を持てばボールを飛ばす力になる』ということと『ラケットは大きく動かさないほどボールに当てやすい』という2つです。

なぜラケットにボールがうまく当たらないのか?

根本にあるのは『ラケットとボールがうまく当たるようになっていないから』でこれが原因の殆どであると思います。

当たり前なようですが、どういうことか少し説明を書いてみます。

ボールが飛んでくる方向・軌道にラケット面を正確に向ける

『インパクトでラケット面が向いている方向にボールは飛んでいく』というのは大原則です。

スイングの有無にかかわらず、ボールをラケットの中央で正確に捉えるにはボールが飛んでくる軌道の延長線上にラケット面がないといけません。ズレていればそもそもボールに触れることもできませんね。

また、ボールが飛んできた方向にまっすぐ打ち返すとすれば 『ラケット面はボールが飛んできた方向・角度に対して上下左右で90度 (直角) の面で当てる』ことになります。

ボールが飛ぶ軌道上にラケットを置き、90度の面で当てる

ボールが飛んでくる延長線上にラケット面があるとして、ラケット面を打ちたい方向・角度を変えれば、そのラケット面が向いた方向にボールは飛んでいきます。

ただ、飛んでくるボールの速度が速くなるほど、ラケットとボールを当てるのが難しくなり、飛ばす角度を変えるのも難しくなります。『飛んでくるボールの速度が速い場合は飛んできた方向に跳ね返す・飛ばすのが基本』となりますね。

ラケットをボールを飛ばしたい方向・角度に向ける

スイングは体の回転から始まる運動

スクエアスタンスの横向きのテイクバックでも、オープンスタンスで体を捻ってテイクバックをしても、テイクバックの時点で上半身を中心に体は横向きになっています。

スクエアスタンスによる横向きのテイクバック

オープンスタンスによる状態をひねったテイクバック

ボレーでは時間のない中、正面を向いたまま打つこともありますが、スイングはボールを飛ばすためにラケットスピードを上げる必要があり、そのために体を横に向ける準備は大事です。

この横向きの状態からボールを打つために体を回転させていきます。横向きの状態のままラケットをボールに当てるには腕の操作で動かすことになり、ラケットスピードは上がらないからです。

ただこの際、体の回転と腕の動き、ラケットが同一角度で動いていく(体が回ると腕やラケットも同一角度で動いていく)とラケット軌道はシンプルな円軌道になります。

体の回転だけでスイングすればラケット軌道は円になりボールに当たりにくい
ボールを正確に捉えるには『ボールが飛んでくる軌道上に対し90度の面で当てるのが基本』と書きましたが、スイング中にラケット面の向きが常に変わっている中でこの『90度の角度』をインパクトで作り出すのはとても大変なのは分かるでしょう。

つまり、体を回転させて打つのは必須ながら『体の回転に合わせてラケットを振るとボールに当たりにくい』こととなります。

腕を使ってラケットを動かし操作できてしまう

また、体の回転とは関係なく、人は腕の操作、つまり、肩、肘、手首、及び指の関節を動かしてラケットを操作できます。この腕の動きはラケット面の向きを簡単に変えてしまいます。

ボレーやストロークで『2度引き』はよくないと言われますが、テイクバックからの始動時の"きっかけ"は2度引きと言えるかもしれません。違いは無意識でも意図的な腕の操作で行われラケット面がスイングを不安定にする位置に動いてしまうことでしょう。

2度引きに限らず、ラケットを振り始める際、『腕の操作でラケット面がボールを打つラケット面の向きと関係ない方向を向いてしまえば正確なインパクトに影響する』のは分かると思います。

手や腕の操作でラケット面がボールと関係ない方向を向いてしまう

そのインパクトを不安定にするラケット面の向きを作っているのは自分自身ですからね。

モンフィス選手の練習風景

モンフィス選手はテイクバックが大きい打ち方ですが、ボールを打つ際、ラケット面がボール及びボールを打つ方向に "長い時間" 向き続けているのが分かると思います。スイングが速いプロ選手だからこそ安定してラケット面がボールに向いていくことが大事なはずです。

 

 

 

腕の動作によるスイング、ラケット面をボールに合わせようとする腕の操作は自由度が高すぎる

人の腕は機能が高く自由度が高すぎるため、ボールを打つたびに腕の操作でラケット面をボールに当てようとするのはスイングの再現性が低くなります。このため、腕の機能を使って毎回スイングを作るのではなく安定したスイング軌道のためには『ラケットに働く慣性の力(慣性の法則)』を利用すべきです。

テイクバックからスイングの序盤

物体であるラケットには慣性の法則が働きます。止まった状態にある物体はその場に留まろうとするし、動き出した物体はその直進運動を続けようとします。

ラケットヘッドを立ててテイクバックし腕をリラックスさせた状態にあれば、体の回転に伴いスイングが開始され、手によりグリップ側からラケットが引かれれば、ラケットは自然と倒れ、グリップ側から腕に追従してきます。その際、ヘッド側はその場に留まり続けようとするので手をスイング軌道の反対側から引っ張り続けます。それがスイング軌道に対し腕、グリップ、ヘッド側が一直線に並ぶ状態に繋がるのです。

ラケットには慣性の法則が働き動き出したラケットは直進しようとする

速度が増したラケット(ヘッド)は腕や体を追い越す

速度ゼロから加速したラケットは体の回転や腕の動きよりも速度が増していきます。

回転運動の中心からより遠くにあるヘッド側の方がグリップ側よりも速度が速いので、ヘッド側は腕や体の位置を追い越して、慣性の法則で前進して行こうとします。

フェデラー選手のフォアハンドのスイング

上で『フォアハンドを打つ際、体を回転でラケットを動かしていくと"円軌道"となり、ラケットとボールが当たりづらくなる』と書きました。

体の回転だけでスイングすればラケット軌道は円になりボールに当たりにくい

体を回転させながらフォアハンドを打つのは目に見えて分かる動きなので、『ラケットを速く振る、ボールを強く打つには体を速く回転させることだ』と一生懸命に体を速く回そうとする方が居ますが『ボールを飛ばすのはラケットであり、見るべきは体ではなくボールを飛ばすラケットの方』です。

加速したラケットヘッドは体や腕を追い越していきます。体や腕よりも速度を速くできるのですが、ラケットではなく体を速く回そうとすれば "体の回転速度≧ラケット速度" なままです。

ラケットは "自然と直進していこうとする" から加速させてやるだけでいい

フェデラー選手のスイングを見ると、体は回転しているものの、その回転よりもラケットが前に進む速度の方が速いのが分かります。これは腕でラケットを速く振ろうとしているのではなく、加速したラケットが "自然と" 腕や体を追い越していっているからこのように自然なスイングに見えるのだと思います。

テイクバックからのスイングで体は回転しており、腕も動いていますが、『ラケット軌道を作っているのは加速したラケットが慣性の法則で前に進んでいこうとする力』です。

"ラケットは直進しようとしますからスイング軌道はボールに向かってまっすぐ進んでいく"し、"手や腕の操作でラケット面を動かしていないから(グリップと角度さえ確かなら)ラケット面はまっすぐボールに向かって進んでいく"のも分かると思います。

よく 「脱力が大事だ」と言われますが、手や腕がリラックスした状態でなければラケットは加速できません。スイングによりラケットを動かすストローク等では、意識・無意識問わず、腕や手でラケットをボールに当てようとする操作はマイナスに働きます。

 

意識・無意識問わずラケット面が安定してボールに向いていなかいスイング

周りの人を見れば実感できるはず

スクールでは打ち方を教えるというより「説明を聞いたら実際にボールを打って、自分で練習してくださいね」というスタイルなので皆、打ち方が違います。

周りの方を見てみましょう。ストローク、サーブなどスイングを伴うショットにおいて、テイクバックからインパクトまでラケット面がどこを向いているか、インパクト前後でラケット面がどれだけボール、及び自分が打ちたい方向に正確に長い時間向いているかを見れば、なぜその人がミスしたのか、安定してボールを捉えられないのか分かってくると思います。 

スイングをしないボレーの場合

スイングはボールを飛ばすためにラケットに速度を持たせることであり、リラックスした状態でラケットに働く慣性の力を利用するのが、安定したスイング軌道やインパクトのラケット面を作るポイントになる訳ですが、(基本的にはですが) スイングをせず、ラケット面をボールに当てて反射させるボレーではどうすればよいでしょう。

初心者の方に多いボレーにおけるラケットの当て方

繰り返しですが、飛んでくるボールに正確にラケットを当てる、ラケットの中央でボールを捉えるためには、ボールが飛んでくる軌道上に予めラケット面を位置させておく必要があります。 

ボールが飛ぶ軌道上にラケットを置き90度の面で当てる

ただし、テニス初心者の方に多いボレーの打ち方は『ボールが飛んでくる軌道に対し、真横からラケット面を差し込んでいく』打ち方です。

それと『予め飛んでくる軌道上にラケット面を置き、そこからボールに向けてボールに向けてラケット面を90度で当てる』のと比べればボールの当たりやすさの違いは明らかです。

ボールが飛んでくる軌道に真横からラケットを差し込んでいく

打点をボールが通過する瞬間にボール軌道にラケット面を差し込むのでは余裕がありませんし、正確にラケットを位置させるのは難しいです。ボールが当たる瞬間にラケットをうまく支えるのも難しいでしょう。まともにラケットとボールが当たるはずがないのです。

 

 

 

なぜ、そういう打ち方になるのか?

技術的な問題でも、打点に速く移動できていないフットワークの問題でもありません。(ボレーを習い始めて間もない方にコーチはそんな難しい球出しはしないでしょう。)

主な理由は『予測ができていないから』だと言えます。

また、今回、考えたような『ラケットでボールを飛ばす・ラケットでボールを反発させる理屈』をコート上で意識できていないからでもあります。

テニスでは予測が絶対

時間的な余裕の有無に関係なくテニスにおいて予測は絶対です。

相手がどのコースにどんな球種のどんな軌道のボールを打ってくるかを予測することで、事前の準備も出来、コート内で予め自分がどこに居ればいいのかが分かります。

ダブルスをやる際、ボールが飛び交う中で自分がどこに入ればいいか分からないのは予測をしていないからです。『次ボールを打つ人がどこ居てどこにボールを打ってくるか、自分はそのボールに触れるためにどこに居るのが最も確率が高いか』が居る場所の根拠です。

飛んでくるボールを予測して自分が居るべきポジションを考える
ボールがどこにあるか、パートナーがどこに居るか、隙間が空いてしまうからではありません。4人がそれぞれ、自分が居るべき位置に移動しつづけることでダブルスの陣形や動きが構成されます。

例: スクールでのポーチの練習

テニススクールでポーチの練習を行うことがありますが、殆どの方が

『ネットから少し離れた位置のサイド寄りからコート中央方向に向け、クロスに飛んでくるボールを真横に追いかけてラケットに当てようと』

しますね。

教わる生徒さん達が流れ作業のように次々打つので、待っている場所から打つまでがそういう流れになってしまいがちです。

飛んでくるボールに真横から近づいてく良くないポーチ練習

ただ、飛んでくるボールの軌道に対して真横から近づく、ラケットを差し入れるのが当たりづらいしボールをしっかり跳ね返せないのは前述の通りです。

前衛として攻撃をする練習なのでネットから遠い位置で打っては意味がないです。相手後衛が打つコース幅を予測して2分割し、ネットに近いその扇型の中央付近に移動します。前に行くほどコースの幅は狭いし、どこに飛んで来るかも予測している訳なので、ボールが飛んでくる前にその軌道上にラケットをセットでき、ボールを飛ばしたい方向にラケット面を向けていく(攻撃なら踏み込みやスイングでラケットを"動かして")こともできます。

ダブルスのポーチの動き

両者が全然違うのは分かると思います。前者のような練習をする意味は(お金を払って習っている場ですし)ないでしょう。

 

これはポーチ練習の場合ですが、通常のボレーでも『移動せずに届く範囲なら腕を伸ばしてラケットをボールに当てようとする』シーンはよく見ます。

足で移動せず腕を伸ばしてラケットを当てようとするボレー

逆に体の正面は全て厚いグリップで叩き落とす、通称『ハエたたきボレー』だったりします。

体の正面でラケット面を当てるような通称「ハエたたきボレー」

ボールに対して自分は移動せず、腕の操作でラケットを当てようとしているのは同じです。

こういうボレーを「横着している」と言ったりしますが、ボレーがうまく打てない方は『相手が打つボールを予測していないから、時間がない中で反射的にボールにラケットを当てようとしているのと同じ動きになっている』からでしょう。ただ、それが当たり前になってしまうと本当の横着になってしまいます。

予めボールが飛んでくる方向や軌道が分かっているなら、その位置に移動して、軌道上にラケット面をボール軌道に対し90度の角度に位置するようにすればいいということです。ボレーを打つ特別なテクニックやコツ入りません。

プロでもそういう当たり前のことがベースにある

プロ選手がボールを打つ様子を見ても『ボールはラケット面が向いた方向に飛んでいく』『ラケット面がボールに向かって進んでいく状態を作る方がボールを正確に捉えやすい』といったことが基本にあります。

フェデラー選手の練習風景 

ボレーでもストロークでも、常にラケット面はボールに向いています。スイングする際、時間の無いなかボレーをする際もラケット面がインパクトと全然関係ない方向を向く瞬間がありません。

ダブルスの有名選手、パエス選手の練習風景

予測が難しく時間もない中でボールが飛んでくる軌道上にいち早くラケット面を位置させているのが分かります。ラケットは最小限、最短距離で軌道上に到達します。時間がない中でもボールに当たる瞬間ではなく、少しでも速くボールの軌道上にラケットを位置させて正確にあてようとしているのが感じられます。

まとめ

スイングの有無にかかわらずボールが飛んでくる軌道上にいち早くラケット面を位置させる。

正確にボールを捉えるならボールが飛んできた角度・方向に対して90度の面でラケットを当てる (ラケットの真ん中で) のが基本となる。(回転や打つ方向を先にしない)

ボールを打つ相手を見て飛んでくるボールを予測しボールの軌道をイメージする。予測できればこそその位置まで移動してラケットを楽に当てられる。

スイングを伴う場合は腕や手の操作ではなくラケットに働く慣性の力を活かしてラケットをボールに向けて進めていく。

といった感じでしょうか。

慣性の力を使ってリラックスしてスイングする。スイング軌道を自然と安定させるのは実感できるまで時間がかかるので、まずはボレーではラケットに速度を出さない(スイングしない、動かさない)で、しっかりと予測をして移動をし、ボールの軌道上でラケットをボールに正確に当てることに専念した方がよいはずです。

ストロークにせよ、ボレーにせよ、無意識や癖を含めた腕や手の操作によってラケット面が飛んでくるボールに向いてない状態が安定してボールを捉えられない、意図しないミスが多い、思った方向にボールを飛ばせないといった、技術ではない安定感の無さにつながってしまうと思います。

 

ユニクロテニスウェアのロゴを剥がしてみる (テニス)

ユニクロのテニスウェア

錦織選手のファンの方など、ユニクロブランドのテニスウェアを着ている方をコートで見かけることがあります。ジョコビッチ選手も着ていた (今季からラコステに変更)のですが見かけるのは圧倒的にシャツなら襟付きの錦織選手モデルですね。

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ご存知の通り、ユニクロのテニスウェアには赤いロゴが入っています。

テニスウェアに入っているロゴとしては面積も大きめで赤ということで着ていてかなり目立ちます。このロゴが理由で買うのを躊躇する、或いは買ってはみたけれどコートで着るのは恥ずかしいという方も多いのかなと思います。

私は錦織選手のファンという訳ではないのですが、通販サイトの方でテニスウェアモデルのショートパンツが安く売くなっていたので1つ買ってみました。

ロゴが付いたままだと恥ずかしいので『ロゴを剥がす』という前提で、失敗しても2,000円位、部屋着で着ればいいかなという目論見です。

 

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ロゴを剥がす

ショートパンツのロゴはカタカナとアルファベットの2種類が下の方に付いています。

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最近のユニクロのスポーツウェアには下の方に四角が2つ並ぶロゴが付いている(■■)のですが、基本的にはこれの剥がし方を参考にしてみました。

用意するのは医療用の消毒エタノールだけです。

以前、ブログで書きましたが私は自宅の清掃や消毒用に以前から使っています。

lond.hateblo.jp

ユニクロのロゴは接着剤で生地に貼り付けてあるのでエタノールで接着剤を溶かし、シールを摘んで端から剥がしていく流れです。

まず、ロゴのある部分の生地の裏側からロゴ部分が周囲を含めてエタノールに浸るようにかけていきます。

机の上にビニール等を敷いて、その上にウェアを置いて作業した方がいいと思います。問題ないでしょうが換気も気をつけて。スプレーボトルにエタノールを入れてから吹きかけると調整がしやすいです。

浸した状態で5分ほど置き、生地がしっかりと濡れた状態(乾いてきていたら途中でエタノールを足す)でロゴ側を表にし、ロゴの部分を両手の指先で摘むようにしてロゴ部分の生地をしごきます。

イメージとしては洗濯の部分洗いをしているような感じでしょうか。ロゴの部分は樹脂のような一枚シールになっているので生地をしごくことで溶けた接着剤から部分的に浮き上がらせていきます。

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ユニクロのスポーツウェアについている2つの四角(■■)のロゴはごく薄い膜のような感じで、摘んで剥がそうとしてもすぐに切れてしまうのですが、こちらの赤いロゴは文字や発色の都合からか裏面に黒い膜が足されていて厚みがあり、ある程度まとまった大きさで剥がしていくことができました。

端の部分を爪先で引っ掛けて浮き上がらせ、浮いた部分を指で摘んでゆっくり剥がしていく感じです。

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ロゴの膜の裏側に黒い膜が1枚足されています。

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剥がしていくと端の部分に細かい破片が残ったりしますが、生地を傷つけないように気をつけて指先で掴んで取り除いていきます。

シールがあった部分に四角い枠が2つ残ったような状態でロゴを取ることができました。

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写真では赤い色が周囲に残っていますが、ロゴを外す際に切れたロゴから色が移った感じだと思います。剥がす際に切れないよう注意すれば色が残らなかったかもしれません。ただ、1度洗濯すればこの赤い色は取れました。

 

 

 

ロゴを剥がした後の注意点

注意点としては『洗濯した後に乾燥機で乾かさない』ことです。

写真の通り、シールを貼り付けていた接着剤は四角い形で生地にしっかりと残っています。乾燥機にかけてしまうと接着剤が変色して四角く浮き上がってきてしまいます。

洗濯した後は自然乾燥させた方がいいですし、もし手間でなければ、ロゴを取った時のようにエタノールに浸して指先でしごく作業を何度か繰り返した方がいいと思います。エタノールに浸した状態で指先でしごくと接着剤が浮き上がって黒っぽい塊で取れてきます。

※試しに乾燥機にかけたらロゴ部分が変色してしまったので再びエタノールに浸してしごいて接着剤を取りました。ロゴを取る何倍も時間がかかりかなり大変でした。

試しては居ませんが温度を保った熱湯に浸しておくのも浮き上がる効果があるかもしれません。ただ、接着剤を取る作業を行っても乾燥機にはかけない方がいいと思います。

ユニクロのテニスウェアはいい選択肢だと思います。

今回はロゴを剥がして使おうという話ですが、ユニクロのテニスウェア自体は個人的にはいい選択肢だろうと思っています。

ユニクロのスポーツウェアには汗を乾かす機構が元々付いていますし、ウェアの生地感を見ても、ナイキやアディダスの上位モデルと大差ないと感じます。さすがに看板選手が着る売価で7,000 - 8,000円するようなトップモデルは生地や縫製から違いますが、セール品で出るような安価なモデルだけでなくシャツなら5,000円位で売っている上中位モデルと比べても変わらなかもしれません。

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ユニクロのスポーツウェアは生地感が独特で、シャツは着た際に形が保ちづらいし、ショートパンツはバスケットボールのウェアのようにもも周りがヒラヒラします。だからよほど体が締まっている方でサイズ感がタイトに合わないと"すごくだらしなく"見え、コート上ではかなり残念です。

でも、テニスウェアモデルの方は形が少しかっちりしていてサイズ感さえ選べば十分使えます。(楽だからと大きめを選ばない方がいい) 他のテニスウェアメーカーにはない色やデザインだし、乾きやすい機能性や、定期的にある処分価格もあります。

唯一ひっかる点が赤い目立つロゴですが、今回のようなパンツならロゴを剥がした後が多少残ってもテニス中は気にならないのではないでしょうか。

 

 

『打点でボールを押す??』 スイングで大事なのはラケット加速に直結する『引くフェーズ』の方だろうという話 (テニス)

テニスではインパクトでボールを押す?

テニスを教わる際にインパクトでボールに打ち負けないよう『打点でボールを押す(支える)』ようにしなさいと言われます。

誤解を恐れずに言えば、私はこの説明が多分に感覚的で提供すべき情報を含んでいないし、テニスを学ぼう、上達しようという方が "スイング" というものを理解するのに誤解を生んでいると思っています。

日本中どのスクールでも言われているようなことなので何を言っているかわからないかもしれませんが、今回はこれについて書きたいと思います。

テニスも物理法則下にあるという理解の意味

ボールを打つという事についてとかくテクニック的な話が先行しがちです。

「〇〇すれば回転が増す」「××でボールに威力が出る」といった情報が日常的にあふれていて皆それを参考にしようとします。そういうコツの類が自分のテニスを上達させる(唯一の)方法だと思っているからです。

ただ私は、『物体であるラケットやボールはごく基本的な物理法則下でその影響を受けている。そのことをそもそもの前提して理解しておくことで、今まで自分達が見たり聞いたりしていたテニスが根本から違って見えてくる』と確信しています。

 

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ボールが飛び・回転がかかる理屈

ボールが飛び、回転がかかるのは、"接触"によりラケットが持つ運動エネルギーの一部がボールに伝わるからです。

ラケットの持つ運動エネルギーの大きさは『1/2 x ラケット重量 x ラケットスピード ^2 (2乗)』です。手に持つラケットは1種類ですから単純にはラケットスピードが大きくなるほどラケットの持つ運動エネルギーは大きくなります。

ラケットの持つ運動エネルギーがボールに伝わるには接触が必要で、且つ伝わるのも全体のごく一部です。(その殆どが伝わるならインパクトで運動エネルギーの元であるラケットスピードが落ちるはずですがそうはなりません)

つまり、正確に当たらなければ伝わる運動エネルギーの量にロスが生まれますし、当たり方によってもロスが生まれます。加えて言えば道具(ラケットはガット)でもロスが生まれています。

打ち方は様々でもボールは飛んでいくということ

一般のプレイヤーのボールの打ち方は個性的で皆違いますね。でも、安定性はともなくどんな打ち方をしてもラケットに当たりさえすればボールは飛んでいきます。このことも『ボールを飛ばし回転をかけているのはラケットから運動エネルギーが伝わっているから』という根拠になると思います。当たりさえすればとりあえず飛ぶのです。

反対に、男子プロ選手がボールを打つ際、根本の体の使い方、ラケットの動かし方は共通点があります。実績のあるコーチが始動するジュニア選手達は皆打ち方が似ています。サーブの指導で有名な大学の監督が始動する部活の選手は皆サーブの打ち方が似ています。これらは『人の体の構造は基本的に皆同じ。効率よく体の機能を使って体を動かそうとすればその動かし方は皆共通してくる』という事を表しています。

陸上100m短距離の選手の走り方は皆に通っているでしょう。効率や安定性を考えると体の打ち方は似通ってくる、突き詰めればオリジナリティは二の次になるべきです。

陸上短距離選手の走り方は皆共通する

一般プレイヤーの打ち方が皆バラバラなのはそれだけ無駄があり、それが"ラケットスピードが上がらない"、"安定してボールを捉えられない"、"理由は分からないがなんとなくミスしてしまう"といったことに繋がるのは疑いの余地がありません。

ボールを飛ばし回転をかけるために速いラケットスピードと正確なインパクト

簡単に言えば、スイングで目指すべきは"ラケットスピードを速くすること""正確なインパクト"です。これは腕や手の操作で両立・実現できるものではありません。前述の例でも分かるように『ボールの打ち方』といったテクニック的な情報ではなく、人の体の機能や構造を踏まえてどう使うのが効率的かという理解ができれば誰でも同じように安定して速いラケットスピードが実現できると言えます。

『ラケットを操作し動かすこと』と『ラケットを加速させること』は違う

テニスでボールを打つ際、スイングの有無があります。

ボレーのようにスイングを伴わないショットは飛んでくるボール軌道の延長線上にラケット面をセットし、ボールが飛んでくるエネルギーをラケットで反射させます。

一方、スイングを行うストローク等では、スイングによりラケットが得る運動エネルギーをボールに伝えてボールを飛ばし回転をかけます。

私はラケットでボールを飛ばすこれら2つを切り分けで理解すべきだと思っています。ボレーでも完全に止めた状態で打てるケースは少ないし、ごくわずかでもスイング(ラケットを動かす)を伴いますが、何も考えないままでは前提と考える物理現象の理解ができません。皆、ここが曖昧だからボールを思ったように飛ばせない、ミスが多いということが起きていると思います。

 

 

 

物体であるラケットには慣性の法則が働く

物体であるラケットは慣性の法則の影響を受けます。

日常でもよく聞く慣性の法則ですが、停止した物体はその場に留まり続けようとするし、動き出した物体はその直進運動をし続けようとするという事象です。

スイングにおいて、テイクバックで停止状態にあるラケットはその場に留まり続けようとし、手に引かれ動き出したラケットはその直進運動をし続けようとします。

テニス フォアハンド テイクバック

スイングを "ラケットの速度" に絞って注目すれば、

テイクバックの位置では速度ゼロ

手に引かれて加速を開始し、インパクト前後で最高速度に達する。

その後、フォロースルーに至る段階で速度は落ちていく。

というのは分かると思います。

慣性の法則を当てはめてこれらを見ていきます。

テイクバックの停止状態からのラケットの動き出し

テイクバックで停止状態にあるラケットはその場に留まろうとしますが、手に引かれてラケットは動き始めます。その際、グリップ側が動き始めても手の影響を受けにくいラケットヘッド側は留まり続けようとしますが、留まろうとする力よりラケットを引く手の力の方が強いのでヘッド側はスイング軌道の後方から追従する形になります。

慣性の法則に従ってラケットヘッド側はその場にとどまり続けようとする

この形、ヘッド側は追従しつつもとどまり続けようとする力で手を後方に引っ張りつづけるので起こります。この力が働くことでラケットはスイング軌道に対し一直線になり、動く際に軌道がブレたりもしないのです。

ラケットの加速

テイクバックからの動き出しに続いて、ラケットの加速が起きます。

手に引かれ動きだしたラケットですがその速度はどんどん上がります。ストロークでのスイングは腕の動きだけでなく体の回転を含むので、ラケット軌道もボールに向かって真っすぐ進むのではなく円軌道を含んだものとなります。

スイングに伴いラケットヘッド側は外側に膨らんでいく

体から見た際、ヘッド側は手(グリップ側)よりも外側にあり距離が遠いです。

回転運動において、同じ時間で同じ角度回転する際、中心軸よりも遠い位置にある物体の方が速度は速くなります。中心から遠い方が同じ角度を動く際により長い距離を移動しないといけないからです。

回転軸の中心から遠い物体の方が速度が速くなる

テイクバックでラケットヘッドを体から遠い位置にセットする例がありますが、体の回転を起点にラケットを加速させるのであれば、テイクバックにおいてラケットは体から遠くない方が加速させやすいと言えるのです。

ラケットを体から遠い位置に置くテイクバック

中心から遠い物体の方が長い距離を動くのですが『長い距離を動く = 動くのによりエネルギーが居る』ということであり、スイングの開始時点ではラケットは体から遠くない位置 (逆に肘がたたまれてしまう程近くては腕の機能が活かせない) にある方が効率がよいのです。

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例えば、軟式テニス出身の女性の方が背中側からラケットをぐるっと大きくラケットを回してきてスイングしたりしますが、そのラケットスピードが決して速くないのは分かると思います。

 背中側からグルっと大きく回してスイングするとラケットスピードは上がらない

補足: 遠心力でボールは飛ばない

テニス以外のスポーツでも「遠心力でボールを飛ばす」と言われることが本当に多いです。ただ、物理現象を前提にテニスを考えるにあたり『スイング中に遠心力を感じている』ということと『スイングによってボールを飛ばす』ということを同じ次元で結びつけるのは間違いです。

なお、遠心力とは「手によって回転軸の中心方向にラケットが引っ張ることで慣性の力で直進しようとするラケットの軌道が随時曲げられること。その組み合わせにより、中心に引こうとする手に対して反対側の外側に引こうとする力が感じられるもの」であり、"遠心力"という力そのものが存在する訳ではないそうです。

遠心力という力は存在しない

その上で、遠心力の力の向きは中心軸から外側に向かってです。スイングによってボールを飛ばす方向は体の正面(ネット方向)、遠心力とは力の向きが全然違います。 

遠心力の働く方向とスイングする方向は向きが異なる

ボールを飛ばす方向・角度に向けてラケットをスイングしていてそれによってボールは飛んでいくのですから、スイング中に遠心力を感じるということとは切り離して認識すべきです。

※スイング開始時に慣性の法則でその場にとどまろうとするラケットヘッド側が軌道の安定(一直線に並ぶ)に関係するのと同様に (ボールを飛ばすのには貢献しないものの) 遠心力はスイング軌道の安定には貢献します。スイングスピードが速くなるほど遠心力も強くなりますから、スイング時はリラックスし、手や腕の操作でラケットの加速を邪魔しないことが重要です。

 

 

 

加速しながら体から離れていくラケットヘッド側

テイクバックで体の近い位置にあったラケットは手に引かれ加速する中で、体の回転運動に伴いラケットヘッド側が体から離れていくことでラケットヘッド側の速度が更に増していきます。

スイング開始という所は『手に引かれることでゼロから加速を始めた』訳ですが、スイングの前半段階で『体の回転や手や腕を動かす速度よりもラケットヘッド側の速度の方が速くなる』という状態に至ります。

前述のようにラケットは慣性の法則の影響を受けるので、動き始めたラケットは直進を続けようとします。体の回転や手や腕の動きよりも速度が速くなったラケットは体や手の位置を追い越し、体よりも前に向かって更に進んでいこうとします。

加速したラケットは体や腕を追い越していく

ラケットスピードに影響を与えるのは「手によってラケットを引くフェーズ」である

説明で分かると思いますがテイクバックからラケットヘッド側が体の位置を追い越すまでは『手でラケットを引いているフェーズ(段階)』と言えます。

現代テニスではコンパクトなテイクバックで比較的体に近い位置にラケットをセットし、ボールまでの距離が長く無い中、瞬間的にラケットを加速させて打つ打ち方が効率がよいとされているようです。(加速する中、体から遠ざかるヘッド側は更に速度が増します。)

前述のように長い距離ラケットを動かすスイングではラケットを加速させることは難しく、テイクバックからインパクトまで長い時間が必要となります。ボールスピードが増した現代テニスではこれは不利です。

正確なインパクトで言えば、ラケットとボールまでの距離が30cmと1mなら前者の方が当てやすいのは分かると思います。大きなスイングは体の軸がブレる要因になります。

男子トッププロがボールを追う際や実際にボールを打つ際に体の軸や頭の位置が動かないのは正確にインパクトをするためでもあります。

フェデラー選手のフォアハンド ラケットの動き

ボールを強く打とうとラケットを一生懸命振る方はスイングで頭の位置がブレたり、体の軸が動いてしまったりします。それもインパクトが正確でなくなる (意図しないミスになる)原因です。

加速したラケットは慣性の法則で更に前進していきボールと接触する

手に引かれて加速したラケットは完成の法則により前進していこうとするため腕や体の位置を追い越していきますが、手や腕の動く速度よりもラケット(ラケットヘッド)の速度が速いということは『体を追い越した後、前進していこうとするラケットに手や腕は引っ張られる状態になる』ということです。

考えてみてほしいのですが、自分が進む速度と同じかより速く進む車を手で押すことができるでしょうか?

自分より速い速度で動く車を手で押す??

押す効果がほぼないし、逆に自分よりも速く動いていく車に手が引っ張られていく感じだと思います。

これが私が『打点においてラケットでボールを押す』という広く言われる説明に違和感を覚えることに繋がっています。

インパクトの0.004秒の間にボールとラケットは接触したまま10cm以上動いているのです

ラケットでボールを打つ際、ラケットとボールが接触している時間は0.003~0.005秒と言われています。

インパクト時間を0.004秒だとして、一般の方が実現可能な120km/hでラケットをスイングしたとすれば、この0.004秒の間にラケットとボールは接触した状態で約13cm進んでいる計算になります。(※0.004秒に間にボールがラケットと接触、ボールがつぶれて、ラケットから運動エネルギーが伝わり、ボールは飛んでいき、ラケットから離れていく)

インパクトの0.004秒の間にラケットとボールは接触したまま10cm以上も前進する

これは誰にでもできる単純な計算です。でもテニスをやっていても実際に計算しようとする人は居ないので誰も気にしません。

ラケットを一定の速度のまま動かし続けているスイング中の一瞬(0.004秒)の間で『ボールを押す』のが不可能でしょうし、皆が空中の1点だと考えている打点は、実際はボールとラケットが接触した状態は13cmも幅があるということのです。

『空中の1点である"打点"でラケットをボールに押し付けて押す』のと実際に起こっていることではだいぶ違うというのが分かるでしょうか?

 

 

 

加速したラケットは体を追い越した後で減速を始める

テイクバックの停止位置から体の回転と手に引かれることで加速を始めたラケットは速度を増し、手や腕、体の位置を追い越しして慣性の法則により前に進んでいく訳ですが、手や腕、体の動く速度よりも早くなったラケットはスイング開始当初と違って手や腕によりエネルギーを加えられる要素がなくなります。

ラケットが加速するのは手に引かれる、つまり運動エネルギーを与えられるからであり、その力がなくなれば加速する要素がなくなり、結果、ラケットの速度は減速に向かいます。手や腕、体を追い越して以降のラケットは慣性の法則で安定的に前進はするものの速度は落ちる段階に入っているということです。

グリップを厚くし打点を前に取るということのマイナス面

一般にはグリップを厚くしたほうがスピンはかかる、強いボールが打てると認識されており、厚いグリップで打とうと考える方は多いです。

グリップの厚さはシンプルに打点位置に影響を与えます。グリップ毎に自然とラケットを持った手を差し出した際、ボールの打ちだし方向・角度にラケット面が向く位置がグリップによって変わってくるからです。

グリップが薄いほど打点位置は体に近く、グリップが厚いほど体から遠くなっていきます。

グリップが薄いと打点は体に近くなる

グリップが厚いと打点は体から離れていく

前述したように体を追い越して以降のラケットは加速に必要なエネルギーが手や腕から供給されなくなるので減速を始めています。

よく『インパクトでラケットの最大速度になるように』『ボールが離れた後に前で"ビュッと風切り音がするように』と言ったりしますが腕が前方に伸びるほど厚い打点で打つ場合、スイング前半と同程度の速度がインパクトでも保たれているとは考えにくいです。打ち方によっても多少違うとしても、基本的には『体を追い越したラケットが前に進む中で体から離れていくほどラケットの速度は下がっていく』と考えるのが自然だと思います。

根拠と言えるか変わりませんが、エクストリームウエスタンと呼ばれるような極端に厚いグリップで打つ方のスイングスピードは思ったほど速くないと思いますし、回転がかかっている割にボールが飛んでいくスピードは速くないはずです。ラケットスピードが下がっている(運動エネルギーが減っている)中、回転に多くエネルギーを割り振るから飛んでいくスピードが遅くなってしまうものです。これをカバーしようとより一層ラケットを強く振ろうとすると思います。

男子プロ選手を見れば、フェデラー選手やナダル選手はイースタンからセミウエスタン程度の厚さのグリップでテイクバックからのラケットの加速を利用して比較的体に近い位置でボールを捉え、ボールに運動エネルギーを伝える打ち方をしていると思います。

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厚いグリップであるジョコビッチ選手やマレー選手も腕が前方に伸びるほど前でボールを捉えてはおらず、グリップが厚い分、フェデラー選手やナダル選手より前でボールを捉えていますが、ラケットとボールが離れた後も十分ラケットが前進していけるだけのスピースを残した位置 (体から遠くない位置) でボールを打っていると感じます。

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これらのことからも

『ラケットをスイングするのはボールを飛ばし回転をかけるため。その要素はラケットスピードの速さと正確なインパクト。テイクバックの停止位置から手に引かれ加速を始めたラケットは手や腕、体の動く速度よりも速くなるが、体を追い越して以降は加速のためにエネルギー供給がなくなる。慣性の法則にょり引き続き前に進んでいこうとするが、体追い越して以降は減速に向かう。ボールを飛ばし回転をかけるためにスイングするのだから考えるべきは安定的にラケットスピードを上げること。ラケットスピードが速いスイングの前半、体を追い越して間もない位置でボールを打つ、加速の大半を占めるテイクバックから"ラケットを引くフェーズ"に注目すべきではないだろうか? 皆が空中の1点でラケットとボールが接触し離れる"打点"だと思っており、実質不可能であるその位置で"ボールを押すこと"を考えている。皆が思う打点の位置ではラケットは減速を始めており、ラケットを押してボールに運動エネルギーを伝えることもできない (0.004秒でボールは離れてしまう)。これらのことからも重視すべきはラケットとボールが接触する前にラケットスピードを安定的に上げておくことだ』

と言えると思っているのです。

体を追い越して速度が落ちたラケットでボールを押すということは体の前にラケットをセットしてそこからスイングするのに近い

サーブをリターンする際など、ラケットを打点の位置にセットし面を作って当てることに専念する打ち方がありますが、ストロークにおいても体の前側にある空中の1点である『打点』でボールを打つことに集中するあまり、その打点の位置がスイングの始まりであるかのような打ち方になっていることが多々あります。

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最初にボレーはボールが飛んで来る軌道上にラケット面をセットして反射させると書きましたが上のリターンの例も同じでそういった打ち方はボールにラケットを当てやすい面はあります。

ただ、スイングの有無を考えれば、ボールを飛ばすためにスイングをしている訳ですから、せっかくテイクバックをしている訳ですから、そこから打点の位置まではラケットを動かしていくだけ、打点付近でラケットとボールが近づいてから急にラケットを一生懸命に振り始めるのでは勿体ないです。

※ネット越しのミニラリーでボールを飛ばす必要がない場合やボールを正確に捉えることができない方が矯正のためにこういった打ち方を用いるのは問題ありません。ボレー同様、ラケットとボールが接触して飛ぶ理屈を踏まえれば打ち方の選択肢は色々選べます。

ラケットの加速に影響が強いのはテイクバックから体の回転に伴い『手でラケットを引くフェーズ』だと思っているので、体よりも前にラケットがセットされた状態では(インパクトは0.004秒ですから)ラケットでボールを押すことはもちろん難しいし、安定したインパクト、ラケットスピード、ボールを飛ばすために必要なものについてマイナスになります。 

 

 

あまり厚くないグリップでラケットを瞬間的に加速し、速いラケットスピードを活かして体に近い位置でボールを打ち、ボールスピードと回転量を確保するのが効率が良い打ち方ではないだろうか?

フェデラー選手やナダル選手があまり厚くないグリップでボールを打っているのはジュニア時代から慣れているという事が関係しているのかもしれませんが、その打ち方、体の使い方はボールを飛ばすのはラケットスピードである (+正確なインパクト) ということを体現したような打ち方になっていると感じます。

ナダル選手がストロークを打つ際の回転量が他選手よりも多いことはよく言われますが、フェデラー選手もナダル選手に近い回転量を出しています。見た目イースタングリップ位?に見える薄いグリップであるフェデラー選手がウエスタングリップ等で打つ選手よりもボールの回転量が多いのは、スイングスピードを活かした打ち方をしているからだと思っています。

また、そのために体の機能や使い方を理解した打ち方が必要です。コツやテクニック、或いは道具の違いでボールの威力や回転量を増やそうと考えるのとは根本的に違うということです。

必要なのはラケットスピードと正確なインパクトだけ

繰り返しになりますが、ボールを飛ばし回転をかける要素はラケットスピードの速さであり、ラケットからボールに運動エネルギーが伝わる際に必ずロスが生まれるのでそれを減らすための正確なインパクトが必要となります。

また、ボールを打ち合う中、手や腕の操作で正確なインパクトは実現できないので体の機能や仕組みを理解した上で体を使うことが必要でもあります。

体の機能や仕組みは皆ほぼ同じなので、効率の良い体の使い方をしようと思えば、ボールの打ち方は(基本部分は)皆、共通してくるはずです。

『打点でボールを押す。体重をボールにぶつける。遠心力でボールを飛ばす。』といった説明はボールを打ってた際に感じる感覚的要素を科学的な分析せずにそのまま指導に割り込ませてるだけでしょう。本来理解に必要な情報 (物理法則に基づく曖昧でない誰にでも理解できる根拠) を伴わないままならそれを聞いた人達はそれを信じて上達に繋がると思ってしまいます。

テニスの説明はそういった固定概念(ステレオタイプ)で溢れていますが改善される要素が見つかりません。皆が上達に遠回りをしており、誰でも安定してボールが打てる術に気づかないままでいると思っています。

 

テクニファイバー Tecnifibre PRO ATP 10R ラケットバッグ (テニス)

テクニファイバーのラケットバッグ

以前、テクニファイバーの15本入りのラケットバッグ「PRO ATP 15R」を1年ほど使っていました。

lond.hateblo.jp

テクニファイバーのラケットバッグを買った理由は、

1.使っている人をまず見かけない

2.カラーリング及びデザイン(全体・細部)が圧倒的にかっこいい

3.機能面や作りもきちんと考えられていると感じる

といった面からでした。

ちなみに私はテクニファイバーのガットを使用しています。

ラケットとバッグのメーカーを合わせるのは定番ですが、Wilson、バボラ、HEAD等々、主要なメーカーのラケットバッグロゴがでかでかとプリントされています。ロゴも含めてとにかく目立つようにカラーリングやデザインがされているので電車に乗っている際、街中を歩いている際、部活をやっている学生さんならともかく社会人が派手なデザインの大きなバッグを背負っているのは恥ずかしいです。

ただ、最も重要な点は3番目の機能面でラケットに合わせて使っていたバボラのラケットバッグはとにかく使いづらさが目立っていまました。

背負って歩いていると片側の壁が凹んできてしまいバランスが悪くなってしまう。Wilsonのハードケースタイプと違い地面に置くとぐちゃっとなるのに無駄に重量はある。ジッパー等の作りが安っぽい。バッグパック型ですがラケットを刺して背負う設計になっているのに歩いているだけでジッパーが緩んできてしまうなど。数年にわたり何種類か、何代かのバッグを使いましたが満足いくものはなく、新製品が出ても作りが改善されたりといったことがありませんでした。

バッグもラケットのリニューアルと同じタイミングでデザインを合わせて新製品が出ますが、ラケット関係なくバッグだけを目当てに買うユーザーは殆どいないでしょうからバッグの製品化に力を入れる必要性を感じないのでしょう。

そういった中で買ったPRO ATP 15Rは、

1.重量が軽いのに各部の枠がしっかりしていて地面においてもぐちゃっとならない

2.とにかく収納性が高い。ジッパーで開ける部分が多く、左右と中央に大きく開く収納、左右にもポケット、上側にベンチレーション穴付きのシューズポケット、下部にも広いポケット。

3.持ち上げる際、運ぶ際の取っ手が複数ついていて運びやすい。背負う部分のバンドも三次元的に肩当てがついていて背負いやすくブレない。

4.ジッパーを開く際のスムーズさ。ジッパーのつまみも周囲をラバーで覆ってありロゴが印刷されている。 (金具にお金がかかっている)

4.黒に鮮やかな赤のライン、ロゴも主張しておらず目立つのに落ち着いた感じがある。(子供っぽくない)

とほぼ不満のない作りですごく気に入って使っていました。

唯一気になったのは、収納部分が多いことで各収納部を分ける仕切りが内部の布1枚で仕切られているだけなので仕切りとなる布の余った部分(余りのおかげで左右どちらにでも膨らませていけるのですが) がジッパーを閉じる際にひっかかってしまう位でした。

その位、満足度の高いバッグでした。

 

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PRO ATP 10R

前置きが長くなりましたが、その後、テクニファイバーのバッグも代替わりをしたので、直近のモデルを購入してみました。

以前のPRO ATP 15Rに通ずる黒いモデルとしてはTEAM ATPというモデルがあるのですが、こちらはサイドの形が卵型(洋ナシ形?)というか、片方が鋭角に狭まった形になっていて私の好みではないので候補から外しました。地面に置いた際に形がよくないし、多分、背負った際に頭側が細くなるのでリュックのように腰側にずり落ちたような形になりそうな気がしたからです。(テクニファイバーが押してるトリコロールのアクセントも少し引っ掛かります。)

そこで前回と同じPRO ATPのシリーズで今回は10本入りを選んでみました。

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15本ではなく10本にしたのは使い勝手の面からです。

15本は確かに大きい(幅が広い)のですが使いづらいほどではありません。ただ、電車移動ではもう少し小さい方が楽かなと感じていたためです。

デザインや細部の作り、生地感も以前使っていたPRO ATP15Rと共通しています。

生地感について

手元にないので比較できませんが、地面に置く側(下の写真の背負った際に外側になるロゴのある部分)の生地の強度が少し増している気がします。

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それ以外の周囲の生地感は以前使っていた15Rと変わりません。

ちなみに上の写真の地面に置いた際触れる部分以外の生地は厚みがありシワになりにくく表面が防水可能されたような作りなので多少雨に濡れても大丈夫な感じです。

はっ水加工のようなものではないので水滴で弾く訳ではないですが、雨が染みてしまうような作りなままの生地ではないのは安心感があります。

収納スペース

ポケットは左右、中央に上から下まで大きく開く収納スペースがあり、ジッパーの金具(取っ手)は上下に2つ付いているので好きな方向に開けられます。

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以前のモデル同様、ジッパーの金具も汎用品ではなく専用品です。樹脂でコーティングされていてロゴがついています。

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テニスをする際、ラケットは毎回使うでしょうがバッグも同様に毎回使います。コートを使う時間を考えればラケットに触れる時間よりも長い間触れているかもしれません。だからこそ、こういった細かい部分の配慮が大事だと (私は) 感じます。

持ち上げる際や運ぶ際の取っ手もしっかりと3パターン付いています。

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ベンチレーション穴の開いたシューズポケットが付いています。

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PRO ATP 15Rとの相違点

PRO ATP 15Rとの違いはバッグの幅が少し狭い(中央のポケットの幅が狭くなっている)点と、下側にあるポケット(シューズポケットの反対側)が10Rでは省略されていること位のようです。

私はPRO ATP 15Rを使っていた際は、ケースに入れて中央のポケットにシューズを入れていたので上側のシューズポケットは使っていませんでしたし、10Rで下側のポケットがなくても支障はありません。

幅が少し狭くなった分、入れにくさのようなものはありますが、15Rでもだいぶ隙間が残っている感じで、背負った際にバッグの中で縦に積んだ状態になるように収納していたので、むしろ色々入れた際の収まりがよくなるような気がします。

カラーリング

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以前の黒中心のカラーリングと違い、サイドに白が使われています。表面に防水のような加工がされた生地なので使っていく内に白い部分が単に汚れていくということはないでしょうが、何かに擦れたりした際に傷として汚れが残ってしまう感じだと思います。

PRO ATP 15Rでもシルバーのライン部分にそういう傷がついていました。

買い方や価格等

2年半前、PRO ATP 15Rを購入した際は取り扱っているネット店舗が少なく買うのに苦労しましたが、ブリジストンがガットに加えてラケットについてもテクニファイバーの取り扱いを拡大させようとしえいる動きもあってか、今回10Rの在庫を探すのには苦労しませんでした。

ただ、店頭に在庫を置いている実店舗はほぼ無いと思いますので、実店舗で触ってみて判断するという買い方はできません。それを踏まえても、見ないでも買って失敗だったと思うほどの出来の悪さではないので問題ないと思っています。

ラケットと違い海外との価格差もほぼないのでわざわざ輸入して買う程でもありません。購入した際の価格も11,300円位でした。(ポイントが付くサイトで買ったので実質8,500円位で買えました。)

Tennisware houseの紹介動画

海外の大手通販サイト Tenniswarehouse.comの紹介動画です。 

サイドのジッパーを開く際に生地噛むのか、やや開けづらそうなのが分かるかと思います。でも10Rは気になるほどではありません。

感想:引き続きの満足感ある製品です。

ブリジストンがきちんと商品を流通させるような状況になっているためか簡単に購入することができましたし、製品の作りの良さは満足のいくバッグです。10本入りのバッグとしては妥当な価格で買える状況にあるとも思います。(2年半前にPRO ATP 15Rを買った際は明らかに割高な価格でしか探せませんでした。)

それでもラケットとバッグはメーカーを合わせたいという人は多いでしょうし、テクニファイバーのバッグなんてよくわからないから持ちたくないという方も居るでしょうが、前述ようにテニスに行く際に毎回使うバッグだからこそ、下手に妥協して使い続けるのはシンドいです。

私はテクニファイバーのガットを使ってはいますが、もしテクニファイバーのガットに興味を持ち、使ってみるような状況になったら、このバッグを検討してみていいのではと思います。

 

カーペットコート用テニスシューズを買い替える『NIKE ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー カーペット用』 (テニス)

カーペット用テニスシューズ

外のコートを借りてテニスもやっていますが、通っているテニススクールは室内コートなためカーペット用シューズを着用する必要があります。私がこれまで使ってきた順番から言えば、ヨネックスの4Eタイプ、プリンス、ダンロップ、プリンス、Wilsonという流れです。

直近のWilsonはクッション性がほぼないダイレクトに足で地面を支える感じが好きで使っていたのですが、2年程前のモデルチェンジを機にカーペット用(HC用)の販売を終了してしまいました。元々シューズでシェアの小さいWilsonが更に小さいマーケットであるカーペット用を続けるのがしんどかったのでしょう。母国である米国にはカーペットコート市場はほぼないと思いますし。

Wilson カーペット用テニスシューズ

今回、そのWilsonのカーペット用シューズを消耗に伴う買い替えることにしました。

最初はヨネックスの幅広(4E)タイプを履いていた

テニスを始めた頃はヨネックスの幅広でクッション性の効いた感覚が心地よいと感じて3足位続けて履いていたのですが以下のような点が問題になってきました。

1.動いているとグラグラし、クッション性でフワフワする。

レベルが上がるにつれて、しっかりとシューズを履き紐を締めていないと動きと足の定まりが釣り合わなくなってきました。幅広タイプだと走って止まった際にシューズの中で足がグラグラしてしまいますし、ヨネックスの特徴である走った際の衝撃吸収性 (卵を落としても割れないというヤツ)が逆に「走っていても足がフワフワする」感覚に繋がってきます。砂地を裸足で走るように"走りづらい"と感じてきたのです。

2.時代の流れでシューズの"スポーツ性"の部分が協調されてきている。

10年前は皆「自分は幅広だ。」「幅広タイプの方が楽でいい」と言っていてカーペット用シューズではヨネックス独り勝ち状態だった気がします。

ただ、日本人で3E以上の幅広足の方は1割も居ないそうで、シューズ自体も時代の流れでオールコート用を中心に「元々足裏には脂肪や筋肉があり走る際の大きな衝撃を受け止める力がある。(裸足で走れるのがその例) 下手にシューズ側にクッション吸収性を持たせるのではなく、足の機能や構造を活かしそれをサポートする方向でシューズも設計されるべき」という思想に各社変わってきています。

今やヨネックス以外のメーカーは"走る際の衝撃吸収性"をメリットとしてうたっていませんし、ヨネックス自体以前程目立つ表現をせず、同時に4Eサイズのシューズもラインナップからなくなってしまっています。

スポーツ用シューズという機能性からすれば順当な進み方ですし、以前は「普段履いているスニーカー同様、履いてて楽な方がいい」という考えの方ばかりだったのがシューズに対してしっかりと考えるようになってきていてよいことだと思います。

 

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カーペット用シューズは選択肢が少ない

現状、国内でカーペット用テニスシューズを販売しているのは、ヨネックス、バボラ、プリンス、スリクソン、アシックス、ミズノといったところです。スリクソンとミズノは最近加わった感じですね。

各社が販売しているカーペット用シューズは、オールコート用やオムニ用のラインナップからすれば、中・下位モデルのソールをカーペット仕様にしたものが殆どです。これらの中で他サーフェイス用の上位モデルと共通した機能を持つのはプリンスとミズノ位です。ただ、その分値段もお高めです。(他メーカーのカーペット用シューズが7,000~9,000円位の実売価格だとすれば、プリンスとミズノは11,000円台位)

私は以前プリンスのカーペット用シューズを履いていましたし、ミズノのカーペット用シューズも作りはしっかりしていて興味はあります。

ただ、今回はWilsonのシューズからの変更なのでこれらに戻してしまうのも何か面白くない気がしました。(基本、人と違うものを使いたいのです。。)

オールコート用シューズを履く人も居る

カーペット用シューズは選択肢が少なくデザインも限られてしまうのと、用途別に複数シューズを持ちたくない等の理由もあり、カーペットコートでもオールコート用、時にはオムニ用シューズを使用する方も時折見ます。

ただ、カーペットコートの質も様々で、毛足の長さから硬さ、滑りやすさ(滑りにくさ)を踏まえると、ソールに溝があり、ゴムの歯が噛むように地面にひっかかるオールコート用のシューズを履くのは「転ぶ危険性がとても高くなる」と思います。

カーペット用シューズはソールに溝がないタイプがほとんどで、コート上で止まった際にほんの少しスライドする前提になっています。

カーペット用テニスシューズのソールには溝がないものが多い

このスライドがないとカーペットの毛足に引っかかって止まってしまうのです。ハードコートで止まった際の何倍も摩擦があると思えばいいかもしれません。

ケガをするリスクや走り方をいちいち気にしながら動くのは合理的ではないので安価な製品でもいいのでカーペット用を使用した方がよいのになとは思います。

NIKEのカーペット用テニスシューズ

前置きが長くなりましたが、今回、NIKEのテニスシューズ『ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー (Zoom Vapor 9.5 Tour)」のカーペット用を購入してみました。

NIKE ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー カーペット用1

NIKE ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー カーペット用2

日本では売っていません

前述したようにNIKEは国内でカーペット用のテニスシューズを販売していないのでこのシューズは国内では売っていません。今回も海外のテニス通販サイトであるTennis warehouseのEUサイトから購入しました。

Tenniswarehouseも米国サイトで売っているのは全てオールコート用のようです。クレイとかカーペットとかそういう選択肢や記述自体が存在しません。

一方、EUサイトの方はお国柄というか室内コートも多いのでしょう。NIKE以外でも、ヘッド、K-SWISS、アシックス等のカーペットシューズを販売しています。(実はWilsonも売っているのですが私が使っていたのとは仕様が違います。)

購入価格とか

購入価格は98.24ユーロでした。日本円で12,850円位です。価格からすればプリンスやミズノのカーペットシューズよりも高いですが、ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー自体が12,000円位で販売されているので妥当なのかなと思います。

ただし、ヨーロッパからFedExで送ってもらうのでその送料が36ユーロ(4,700円位)かかります。また、まだ請求書が届いてないのでわかりませんが、シューズはウェアと同様に関税がかかるならもう+1,500円位かかるかもしれません。

つまり、シューズ1足だけ買うのではあれば2万円近くかかることになり、日本にないカーペット用シューズを購入したいからと言って費用がかかりすぎるかもしれませんね。私はラケット他、何点かを一緒に購入しました。

カラーは他に白・青のものもありました。

http://img.tenniswarehouse-europe.com/watermark/rs.php?path=NMZVCWN-1.jpg

 

スクールで利用するならこちらの方がよい気がしますが、何せ、グレーに緑のカラーの方を使いたいですからね。他にAir Zoom Ultra のカーペット用もありました。

 

シューズの内容

NIKEのシューズに詳しいわけではないですが、ソール以外はオールコート用などのズーム ヴェイパー 9.5 ツアーと全く同じだと思います。

違いは完全にソール部分とソールからサイドに上がってきている部分だけです。

NIKE ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー カーペット用3

NIKE ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー カーペット用4

ソールは多少ゴム感が強いです。

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使ったことがある方は少ないでしょうが、Wilsonのカーペット用シューズ(HC用)はソールに多少溝(凹凸)があり、オールコート用のようなゴム感がソール全体にありました。

NIKE ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー カーペット用5

気を付けないとカーペットコートでは『ひっかかる』危険性がありますが、Wilsonと違いこのズーム ヴェイパー 9.5 ツアーのカーペット用シューズには溝(凹凸)がないことと、触った感じ、新品時のゴム感(ひっかかり感)は使っていれば少なくなっていくであろう気がします。(新品のオールコート用シューズもゴム感があり、触るとひっかかる感じがしますよね。)

実際に履いてみた感じでも国内で販売されているオールコート用のズーム ヴェイパー 9.5 ツアーと変わらないと思います。以前店頭でためし履きした際、多少小さく感じたのと、今回、初めて購入するリスクこともあり1サイズ大き目の28cmを購入しました。つま先が少し余りますが甲からくるぶしにかけてが多少狭く感じるので大き目を紐でしっかり締める方がいいと思いました。

履いた際に地面から高さがある、つまりソールがそれなりに厚いと思うので、動いた際の目線の高さは最初慣れが必要かもしれません。

クッション性はそれなりに感じますがフワフワした感じはないですね。硬いという感じでもないです。

まだ、届いたばかりで実際コートで使用してはいませんがおそらくWilsonに近い感じで使えるのではないかと思っています。

室内コートで履くと目立ちますね

カーペット用コートでこのシューズは目立つと思います。ズーム ヴェイパー 9.5 ツアーのこの色を知っている人は全員オールコート用だと思うでしょう。

スクールに通っているとフェデラー選手のファンの方で全身フェデラー仕様のウェアを着ている人が居たりしますが、こだわりが強すぎてシューズはオールコート用のNIKEを履いていたりします。そこまでこだわりのある方ならこのシューズを買う敷居は高くないかもしれません。

ちなみに、ソールの注意書きには日本語表記もありました。販売数的に商売にならないでしょうから国内販売されることはないでしょうが、欲しいと思う方はそれなりに居るのだろうなとは思います。

 

サーブを打つ際に理解すべきだろう事柄 1) 腕とラケットの角度 (テニス)

サーブを打つ際に理解すべきだろう事柄

サーブを打つ際に必要であろう事柄はたくさんあると思います。一般に言われる注意点やコツと言われるものまで様々です。でも、私は「〇〇をすればサーブが(テニスが)良くなる」という話が好きではないです。

サーブを打つたびに複数の注意点に気を付けて打つのは無理ですし、「そのコツをやらないとうまく打てない」のなら多分それは皆にはできません。理屈を理解し都度考えなくても出来るようになるものが『皆ができる"サーブを打つ方法"』であると思っています。

サーブにおいて基本となるべき事柄でもたくさんあるでしょうが、最近思う3つのことを1つずつ考えてみたいと思います。

最初は『腕とラケットの角度』についてです。

これはグリップ、サーブを打つ際の腕とラケットの関係性に関わる部分です。

 

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サーブにおける腕とラケットの角度

サーブにおいてはコンチネンタルグリップ等のいわゆる"薄い"グリップで握るように教わります。ただ、今回取り上げるのは、コンチネンタル、イースタンといった一般に言われる握り方ではなく『ラケットを握った際にグリップが手の平に触れている角度』と『スイングする際にラケットと腕(前腕)の角度』の組みあわせのことです。

テニス 手の平の中でグリップはどう手に当たっているか その角度

サーブのインパクトにおける腕とラケットのイメージ

サーブでボールを打つ瞬間(インパクト)における腕とラケットの角度や位置関係は下の図のように 『腕とラケットが一直線になった』イメージだと思います。

テニス サーブのインパクト 腕とラケットが一直線になったイメージ

なお、グリップの厚さにより打点の位置が前後するため、正面から見れば腕とラケットが一直線でも、横から見た場合の腕とラケットの角度や位置関係は違ってきます。

テニス サーブ グリップの厚さにより打点位置が変わる

 

私は『この一般的なインパクトのイメージとされる腕とラケットが一直線になる状態では効率的で速度や回転量のあるサーブを打つことは難しい』と思っています。

理由は『ラケットでボールを打つ際に"腕とラケットには角度が必要"』『角度がなくなってしまうのは人がそうしようと操作するから』です。

この点について考えていきます。

サーブのコツだと言われる"プロネーション"

サーブのコツとして「プロネーションを使えばサーブの威力が上がる」とよく言われます。

腕のプロネーションとは『前腕(肘と手首の間)にある2本の腕が捻じれることで腕が回転する動き』です。

前腕のスピネーションとプロネーション

「手首の関節が回っている」と考えてしまうのは誤りです。

インパクト直前から腕とラケットが一直線になった状態でプロネーションを行う

プロネーションでラケット面がボールを向いていく?

上で触れたような "一般に認識されるインパクトの形"、つまり、"ボールとラケットが触れる前後に腕とラケットが一直線に近くなった状態"でプロネーションが行われるなら下の図のようにラケットの中心を軸にラケット面がクルクルと回るだけです。

ラケットの中心線を軸にラケット面がくるくる回る

プロネーションについて調べたことがある方はこのことが分かると思います。

サーブでプロネーションを行うとラケット面がくるっと回るだけ

これを見て「サーブを打つ際、薄いグリップで打つなら、ラケットは小指側のフレームからボールに近づいていく。ボールを打つためにはラケット面をボールに向ける必要がある。このラケット面をボールに向ける役割を担うのがプロネーションだ」と思う方もいると思います。もちろん『ラケット面がボールを向く』というのもプロネーションの役割です。

ただ、一般に言われる「プロネーションを使えばサーブの威力が上がる」というニュアンスからして"中心線を軸にラケット面が90度ほどくるっと回るだけでボールの速度や回転量が増える"と思えるでしょうか?

プロネーションの説明に合わせプロネーションが物理的にどう作用しボールに影響を与えるかが説明されることがない

サーブにおけるプロネーションの説明に"プロネーションがラケットスイングにどう作用しそれを行うことで何が変わるのか、ボールにどういった効果を生むのか" といった情報が含まれていることはまずありません。

プロネーションを使えばラケットスピードが上がる。振りぬきがよくなる。だからプロネーションを使うべきだ。」

聞きたいのは何故そういうことが起きるかその理屈です。

そうなる理由も説明せずに "とにかく効果があるからやるべきだ" と言うのは乱暴すぎますよね。

プロネーションを使えばラケットスピードが上がる?

因みに厚いグリップで打つように薄いグリップでも最初からラケット面をボールに向けてスイングすることは可能です。

ただ、それだとラケットスピードが上がりません。

「このためフレームからボールに向かわせプロネーションによりラケット面を向ける。その速度が上がりやすい点がプロネーションを使う意味になるのだ」と言うなら、それは「プロネーションではなく、スイング開始時にスピネーションが起こる反動で腕の捻じれが戻っているもの」だと考えます。

ラケットに働く慣性の法則の影響

トロフィーポーズからラケットをスイングする際、物体であるラケットには慣性の法則が働きます。

手に引かれて動き出すグリップ側に対し、ヘッド側は慣性の法則でその場に留まろうとするので、グリップ側から引かれてラケットは動いていくもののヘッド側がその場に留まろうとする力はグリップを引く手をスイング方向と逆方向に引っ張り続けます。

結果起きるのが"ラケットの方向の切替え"であり、"ラケットダウン"と呼ばれる状態です。

テニス サーブ トロフィーポーズからのラケットダウン

※ラケットを引く手がスイング方向の真後ろから引っ張られていると考えればこの状態は理解できます。

テニス サーブ 慣性の法則によりラケットダウンは自然と起きる

サーブのスイング開始時にラケットが小指側のフレームからボールに向かうのは、トロフィーポーズでニュートラル位置にある前腕がスイング開始時にその場に留まろうとするラケットヘッド側に引っ張られることでプロネーションと逆向きの"スピネーション方向に捻じれる"要素があるからです。

手を引く力とラケットを引く手の力が組み合わさってスピネーションは強くなり、そのねじれがスイング中にニュートラルに戻っていく動きによりラケット面はボールに向いていきます。

前腕のスピネーションとプロネーション

テニス サーブ 慣性の法則で留まろうとするラケットに引っ張られスピネーションが起きる

一般にサーブのコツとしてプロネーションが言われる際は、このスピネーションによる初期の捻じれがスイング開始によってニュートラル位置に戻ってボールにラケット面が向いた状態から "更に回転しスイング開始時とは逆向きのフレームが地面を向く位にラケットが回転する" というイメージでしょう。

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結局、一般に言われるプロネーションの説明では、インパクト付近で腕とラケットが一直線に近い状態でラケットの中心線を軸にラケット面がクルクル回るという理解を超えることができないと私は思います。

サーブでプロネーションを行うとラケット面がくるっと回るだけ

ここまででの確認

インパクトの直前に前腕のプロネーションが自然に起きる、或いは人が意図的に起こすとして『腕とラケットが一直線な状態ではラケットの中心線を軸にラケット面が回転するだけだ』と確認できました。

 

 

 

では、腕とラケットに角度があれば何が変わるのか?

下の図を見てください。

直立状態でラケットを持った腕を水平方向に伸ばし、腕とラケットを一直線に近い状態でスピネーション・プロネーションにより前腕を捻じるとやはりラケットはその中心線を軸にクルクルと回転します。

直立状態でラケットを持った腕を水平方向に伸ばす

ラケットの中心線を軸にラケット面がくるくる回る

次に腕とラケットに角度を設けて同じ状態で腕を伸ばします。

ラケットヘッドが上を向いた状態で同じように前腕を捻じるとこうなります。

腕とラケットに角度を設けて同じ状態で腕を伸ばす

プロネーションを行うとラケットが大きく動く

違いが分かるでしょうか?

全く同じ動きで前腕を捻じっているだけなのに腕とラケットに角度を設けるだけでラケット面の移動距離が格段に大きくなるのが分かります。

『棒の回転により棒の先端に付いた物体がクルクル回る』状態と『軸から距離がある位置に物体があり、棒の回転に伴い棒の周りを回っていく』状態といった違いがあるからです。

 

棒の先に着いた物体 棒から距離を置いた位置にある物体 棒を回した場合の動き

これをサーブのスイングに当てはまると...

トロフィーポーズからのスイング開始時のスピネーションによって、小指側のフレームからラケットがボールに向かうとして、

1)腕とラケットが一直線に近くなるスイングでは、肩を中心とした回転軸で腕とラケットは一つの棒のように一体となって直線的にボールに向かっていく。

2)前腕とラケットに角度がある場合、腕は肩を軸とした回転でボールに向かっていくのは同じでも、腕の回転軸とは90度近くズレた(前腕を中心とした)回転軸でラケットヘッドは動いていきます。

腕の回転による1軸の動き 腕とラケットに角度があれば前腕を軸とした回転が追加される

1で、インパクト付近で腕とラケットが一直線に近い状態にある時に稼働しているのは肩の関節ですが、同じ進行方向に腕が動く"上腕の外旋・内旋の動き"だとするなら、2ではこれに前腕のプロネーションの動きが加わる形です。

テニス 腕 外旋・内旋

 

テニス 腕 スピネーション・プロネーション

 フェデラー選手のサーブを見ても腕とラケットは一直線にならず、腕とラケットに角度が残っているために前腕のラインよりも手前側をラケットヘッドが通っているのが分かります。

 ※腕と肩の位置関係も見てほしいのですが、体の回転に合わせて上腕も動いていて回転する中でも上腕の位置は肩の延長線上から動きません。つまり腕を動かして利き腕の肩の腕で腕を振っているのではなく、腕は体の回転についていっているだけだということです。サーブを打つ際、体を回転させて正面を向けた状態で、利き腕の肩の上を背中側からお腹側へまっすぐ腕を動かしてラケットを振るイメージの方が多いと思いますが、それでは腕の動きだけでラケットを振っているということです。ピッチャーの投球を見てもそういった腕の振り方はしない。つまり、そういう腕の振り方では速く力強く振れないということです。次回以降でこの点に触れます。 

腕とラケットに角度があることでプロネーションによりラケットの動く距離が長くなるということ 

スイングにおけるラケットの移動距離が長くなることはラケットが加速しづらくなる (大きなテイクバックから大きなスイングをしようとするのと同じ) 要素ですが、今回の場合、ラケットと腕の角度の違いに関わらずスイング開始からフォロースルーまでの腕の動く距離に違いはないので、ラケットが大きく動くようになる割にラケットスピードを上げるプレイヤーの負荷は大きくないと言えます。逆に、腕とラケットに角度があることでラケットを支えやすくなり、スピネーションからのプロネーションでラケットを加速させやすくなると考えられます。

前腕とラケットに角度があるという事は他のショットでも言われていることである

ボレーの例

ボレーを教わる際に「ラケットヘッドを立てろ」「ラケットヘッドを寝かせてはダメだ」と言われると思います。

テニス ボレー ラケットヘッドを立てる

これも腕とラケットが一直線になるように握る或いは打点の位置を取ると手や腕でラケット面を支える力が弱くなってしまうためです。

直立状態でラケットを持った腕を水平方向に伸ばす

ボレーはスイングできないので、ラケット面を支えることができないとボールの飛びに直結してしまいます。

逆に地面スレスレに落ちてきたボールをすくい上げて打つ場合は遠くまで飛ばす必要もないし、ネットを越すために上に向きにボールを持ち上げないといけないわけですからラケットをしっかり支えるよりもボールを拾える柔軟さを優先して構わないのでラケットヘッドが下がってもいいという事になります。(その点疑問に思う方は多いでしょう。)

ストロークの例

フォアハンドを打つ際、殆どの人は厚いと言われるグリップで打ちますから認識がないかもしれませんが、厚いグリップで打つ場合は、打点が前になり腕を前方に伸ばす形になるので自然と前腕とラケットには角度が付きます。

 

テニス ストローク 腕とラケットに角度があると

厚いグリップで打つ方は「ハンマーグリップ」と言われる握り方をされる場合もありますね。ハンマーグリップでは自然と前腕とラケットに角度が生まれます。

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一方、薄いグリップで打つ場合など打点が体に近くなるのに伴い、腕とラケットを一直線に近い状態で打ってしまうとラケットを支えづらくなります。(※ボレーと違いストロークではスイングを伴うので、"支えづらく"なるのではなく"ボールを飛ばすためのラケットスピードを上げられなくなる"というべきでしょうが) 

直立状態でラケットを持った腕を水平方向に伸ばす 力が入らない

腕の機能を使ってラケットをスイングする、ボールを打つ訳なので フォアハンド、バックハンド、ボレー、サーブ問わず、すべてのショットについてこの「前腕とラケットの角度」があることが重要になるということです。

腕のラケットが一直線になるためには握り方だけでなく手首の角度を調整しなくてはならない

サーブのインパクトで腕とラケットを一直線に近くした状態を取ろうとすると手の平の中でのグリップが当たる位置は腕(前腕)のラインに近い角度になります。

注: 写真はテニスラケットではないですが腕とラケットが一直線に近くなる握り方

腕とラケットが一直線に近くなる握り方

また、握り方だけでは角度の維持が不充分なので"ラケットの握り方に関係なく手首の関節を意図的に曲げてラケットの角度を調整しないと" 腕とラケットを一直線に近い角度に保つことができません。

テニス サーブ 腕とラケットが一直線に近くなるインパクトの形

つまり、『インパクトで腕とラケットは一直線になるのが正しい形だというイメージが本来そうなる必要がない形を作っている。スイング中に自分でインパクトの形を調整して作っているということは、ラケットスピードが上がりにくい、安定したスイングができないという要素になる』と言えます。

前述したようにラケットは慣性の法則の影響を受けます。加速したラケットは"元々"直進運動をし続けようとし、それがラケットが動く軌道の安定を産みます。

人が行うべきは、体の機能や仕組みを理解し、リラックスした状態で短い距離で瞬間的にラケットを加速させることです。

短い距離での加速は加速させるためのエネルギーを小さくできます。大きなテイクバックや大きなスイングをする人がいてもラケットスピードは上がらないのは分かると思います。(長い距離を動かすだけでその分のエネルギーを使う) ラケットの性能も向上しているので短い距離で加速させ打つ方が性能を出やすいでしょう。

スイング開始時に手に引かれて動き出したラケットは、加速により速度を得、回転運動の中心である体よりも遠くにあるラケット、特にヘッド側は体や腕が動く速度よりも速くなり、スイング途中で体や腕を追い越します。体を追い越して以降はスイング開始当初にラケットを手が引っ張っていたのとは逆に、先行し慣性の法則で直進し続けようとするラケットの方が手を引っ張る形になると思っています。

つまり、スイング序盤に短い距離でしっかりとラケットを加速させてやれば、速度を得たラケットは勝手に安定した軌道で進んでいこうとするので、スイングの過程で人がラケットを操作し、ボールに近づけよう、ボールに当てようとする操作がラケットの軌道やラケットスピードを遅くする要素になってしまいます。

 

 

 

素振りをしても実際にボールを打ってもスイングは同じになる

人がラケットをボールに当てるという意識を持たない(操作をしない)なら、素振りをしてもボールを打ってもスイング自体は変わらないのは何となくでも分かると思います。

スイングによりラケットが得た運動エネルギーが接触によりボールに伝わり、ボールは速度と回転を得ますが、伝わる運動エネルギーは全体の一部なのでボールとラケットが接触してもスイングは停止したり急激に減速したりしません。

スイングするのはボールを飛ばすためであり、考えるべきは"スイングの完成"、ラケットの速度を上げて運動エネルギーを大きくすること、安定的なスイング軌道を作ることです。

ボールを飛ばし回転をかけるためにはラケットとボールがきちんと当たらないと(接触しないと)いけないわけですが、手や腕の操作でラケットをボールに当てに行くのではなく、スイング軌道と腕を含めたラケット面までの距離を踏まえてスイングをしっかりとフォロースルーまで完成させ、そのスイングの途中、0.004秒の間、13cmの幅(※)でラケットとボールがたまたま接触している (当てにいっているのではないというのが限りなく基本に近い理想)という感じでしょうか。

※計算上、120km/hでスイングするならインパクト時間と言われる0.004秒の間にラケットとボールは"接触したまま"、13.3cm程進む事になります。つまり、打点は"空中にある一点"ではないということです。

 

鈴木孝男選手のサーブの導入練習の動画

鈴木孝男選手のサーブの導入練習の動画です。ラケットをスムーズに加速させ、ラケットをボールに当てにいく、ぶつけにいくという要素が見られないのが分かると思います。

また、前腕とラケットの角度に注目すると、比較的腕の角度を上げず横振りに近いスイングながらインパクト前後のラケットヘッドは上を向いているのが分かります。つまり、腕とラケットに自然と角度が付く状態でスイングされているということだと思います。当然、意識せずにこうなっているということでしょう。

まとめ

ちょっと説明が難しい内容でしたが、サーブの説明で「サーブのスイング中に頭の横を腕が通過する際、頭に近づきすぎてはいけない。適度に空間ができるようにしなさい。」と言われたことはないでしょうか?

このように腕を真上に伸ばし、頭の横で腕とラケットが一直線になるような状態ではラケットを速く振れないのは感覚的にも分かると思います。

テニス サーブ 腕をまっすぐのばしたインパクト

ただ、なぜ、腕と頭を離す必要があり、頭から腕がどの位離れれば、頭と腕の間にどの位の空間ができればよいのかという説明はされないと思います。

単に「見た目が変だからよくないのだろう」という範疇で理解が終わってしまうはずです。

ピッチャーがボールを投げる際のように速くしっかりとサーブで腕を振る、そのスイングでボールを飛ばし回転をかけるなら、腕が不自然に見えるほど上に上がる状態は不適当だし、腕が上がらなければ (腕の伸ばさなければ) 腕とラケットの角度も自然と生まれる。スイング開始時に腕とラケットは角度が付いているのだから無理のまっすぐになるよう伸ばす必要がないといった理解でもいいと思います。

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次は『サーブのスイングを行う際の腕と体の位置関係と腕の動き方』について確認したいと思っています。この腕と頭の位置関係は次回に関係してきます。